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リアリティドラマ シーンイメージ〜「日本初女性首相誕生 政権運営計画」(ドラフト)

連立政権記者会見

政権運営について

Q:政権運営はどのようなものになるのでしょうか?

システム民主党(以下S):礎は私たちの党の名の通り”システム”です。私たちの政権が目指す政府の形は、一言で言えば『オープンシステムによるシビックガバナンス』です。政府を国民に開放します。これはただの掛け声ではありません。国民の皆さんが直接政治を担い、存分に能力を発揮できる具体的なシステムを構築します。
この国には数多くの知恵と才能と意欲が溢れています。それらを解放し連携させ実現し良い社会を作る活動をすること。それが私たちが考える真の意味の民主政治です。

『オープンシステムによるシビックガバナンス』

Q:『オープンシステムによるシビックガバナンス』とはどのようなものでしょうか?

S:これまで政府がいわゆる”うちわ”で行ってきた業務すべてを国民に開放します。つまり政策を企画立案し、議決し、実行運用する各フェーズについて、政府と国民が同等の立場で協力できるようにします。
当初この一覧にありますようなオープンなプラットフォームシステムサービスを開設し利用することを閣議決定しています。これらは基本的に政府に主催するものではありません。民間のサービスです。これらのサービスを政府が利用します。同じく国民の皆さんも利用していただけるものです。つまり政府と国民がパラレルな立場で参加するものです。それにより国民全員が政治に参加することができ、透明性の高い効率的な政権運営を目指します。
大きくは『連邦制』『無人行政』『公共事業公募』です。これら3つのシステムは大規模な統治機構の改変であり、この改革を行うことが私たちの政権の目標となります。

『連邦制』

Q:『連邦制』はどのような体制なのでしょうか?

S:いわゆる「道州制」と言われてきた制度をさらに前進させたものです。独立国家に近い『道州』と道州が共同運営する『連邦政府』という体制です。詳しくは《JUプロジェクト》さんのサイトに詳しい制度が説明されています。
これは政治と国民の距離を縮め、政治不信を減らすことに寄与すると考えています。

《JUプロジェクト》
日本における現実的な道州制体制を行うためのプロジェクト組織。
『道州』は立法権を持ち独立性の高い自治を行う。『連邦政府』つまり現在の国政府にあたる政府は、すべての道州の代表が共同で運営する形で、その役割は『連邦道州会議』で決められる。
JUは「Japanese Union」。メタバースによる《ユース日本》の加盟意向や台湾や東南アジアの国からも加盟の関心が寄せられている。

Q:どのように移行するのでしょうか?

S:まずは現行の都道府県に国から、立法権を含めすべての権限を移譲し『道州』とします。
同時に『連邦道州会議』を設立し、『連邦政府』の再編成も行っていただきます。つまりトップダウンではなくボトムアップで国家体制を構築し直すということです。

Q:権限委譲で、混乱は生じませんか?

S:『道州』に立法権が移る以外既存の法律制度はそのままなので、『道州』が法律を変えない限り基本的に何も変わりません。『連邦政府』も現行の国政府がそのままシフトします。なので行政組織も市民活動も特段変わりないと想定しています。イメージしていただくとしたら元号の改定でしょうか。

Q:では具体的には何が変わるのでしょうか?

S:『道州』はこれまでの国レベルの法律も独自に改定することができます。
『道州』は「国」改め『連邦政府』との関係をクリアし、国政府の役割をすべてあるいは一部『道州』に移すことも可能です。
予算も、法律を変えない限り『連邦政府』が管理し『道州』に分配されます。

Q:連邦政府の役割権限については、どのようになりますか?

S:各『道州』がどの役割を『連邦政府』に残すかということになります。ただしすべての『道州』が足並みを揃えなければならないという規定は今はありません。
例えば国税は現在は国に集められて地方に再分配されますが、それも『道州』の徴収分は自分で管理することも可能です。
あるいは自衛隊は、たとえばどこかの道州が独自に運営しようとした場合、どのように分割するかというのはかなり難しいかもしれません。

Q:仮に東京都が都の税収をすべて都で運用することにした場合、地方はやっていけるのでしょうか?

S:この連邦制のひとつの重要なコンセプトは道州の自立による繁栄です。
《JUプロジェクト》さんとの調査研究ではすべての道州にポテンシャルがあります。それを実現するための”自由”ですが、それにはまず”親離れ”していただかないとなりません。

Q:しかし実際東京都の国税徴収額は約20兆円、地方交付税約16兆円に影響がないと思えません。自活できない『道州』については歳出削減を余儀なくされると思いますが、そうすればその『道州』だけが貧困に陥ることになり、これまでより大きな地域格差が生まれるのではないですか?

S:むしろ連邦制は地域格差をなくすというのが《JUプロジェクト》さんと私たちの見立ててです。
”日本は資源のない国”とよく言われてきましたが、実際は様々な資源がありますが、その日本がこれほどまでに栄えてきたのは「人」です。その「人的資源」は日本全国遍く存在します。それを抑圧してきたのは政府であると考えています。

Q:『道州』が都道府県ではあまりに小さくはありませんか?

S:人口で見れば、鳥取、島根、高知が70万人以下ですが、国ならルクセンブルクの62万人と同じくらいで、彼国のGDPはブルガリアやリトアニアより上です。それらの国はEU加盟国であり、一方鳥取、島根、高知は『JU〜日本連邦』に加盟しています。何のための『連邦』なのかということです。
自立とは決して孤立無援ではなく、自助努力とは孤軍奮闘であってはなりません。《JUプロジェクト》さんはそれも見越して、道州が協業するシステムも用意されています。
また、権限が移譲された後は、各『道州』の身の振り方は各々自由です。『道州』同士で合従連衡するか、あるいは国から移譲された権限をこれまで通り”国”つまり『連邦政府』に遺留することもできます。

Q:地方からは不安視する声なども聞こえるようですが。

S:はい。不安や抗議は私たちのところにも寄せられています。ただスタートは今ではありません。
「道州制」についての研究や議論は、すでにこれまで30年以上に渡って様々な有識者の方により行われてきた経緯がありますから、その叡智たるやすでに十分なものがあったでしょう。今こそそれを実行に移す時であるということです。
この政策を主導する《JUプロジェクト》さんは2018年から具体的な準備を進めてきています。彼らが中心となって計画し、できることからすでに始めてきました。メンバーには都道府県や自治体の首長さんや若手の官僚の方も何人かおられて広く意見交換をしてこられたようです。当初は立場的に風当たりもあり公にはしていなかったようですが。
その計画の中には、地方の自立、特に経済の自立を見据えた産業振興を進める上で、どのような法改定が必要かをリストアップしている地域もあります。
また地域の住民にとって最低限必要なのは食料とエネルギーの安全保障です。これは地産地消で実現する提案も《JUプロジェクト》さんがそれぞれの道州に用意されています。

Q:憲法改定を行うということでしょうか?

S:いえ。それは考えておりません。現在92条で「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と規定されています。ですから、地方自治法を改定するのみです。ですから憲法上道州は”地方公共団体”になります。
よく日本にも首相公選制を求める議論もありますが、現在の都道府県の首長が市民による直接選挙であることを踏襲するのであれば、『道州首長』は公選になります。

Q:国の三権、国会、内閣、裁判所はどうなるのでしょうか?

S:すべて『連邦道州会議』で決定されます。
国会については『連邦政府』の法律を制定しますが、『連邦政府』の権限は『連邦道州会議』で規定することができます。
内閣は『連邦政府』に与えられた連邦行政を司ることになります。当初は現行の国の役割をそのまま担います。ちなみに私たち内閣は『連邦道州会議』ができた時点で、その下に位置することになります。
裁判所は、機能として事件の法律適合性と法律の憲法適合性の審査ですから、そもそも政府に対して客観的な存在であると考えられます。
これに関連するのが『司法制度改革』です。

『司法制度改革』

Q:司法制度はどのようになるのでしょうか?

S:まず「法律適合性」の審査はAIを組み入れ『無人司法』として基本的に無人化します。
また「最高裁判権」は《国民最高裁判所》として国民に開放します。
これは司法を効率化し、また市民感情をより正しく反映できるようになることを企図します。

《無人司法》
法律と判例をすべて学習したAIにより、自動裁判を行うシステム。
上告は、提示される証拠が異なるか、裁判官や法律家も交えた現行の人的判断が伴う裁判を希望する場合に可能となる。
これにより裁判の迅速化、省コストが行われる。

《国民最高裁判所》
国民の投票により裁決が下る形式とする。
裁判内容はすべて国民に開示されることが前提となる。裁決の前に裁判官や法律家による任意の意見陳述が行われ投票の参考とされる。

Q:AIに裁かれるというのは心理的にかなり抵抗があるのではないかと思われますが。

S:もし不服であれば、これまでどおりの裁判で上告していただくことが可能です。裁判は証拠などが適正であれば、ほぼ数分で裁定が出されますし、上告手続きもかなり簡略化されます。

Q:最高裁という最も重要な裁判を法律に疎い市民に委ねるというのは、危険性はないのでしょうか?

S:そのご質問は市民は愚かなものであるという前提でしょうか?
私たちが提案する政策制度はすべて、日本人は極めて賢明であるという前提に立つものです。

Q:しかし市民の判断は、やはり感情に左右されるものになりがちではないでしょうか?

S:それこそが私たちの意図するところです。
人間とは感情の生き物です。これまでの裁判はむしろその最も重要な市民感情が考慮されないことが問題であったと考えます。
過去の判例に囚われず、時の社会情勢や国民の意識感情がより正確に反映された裁判が行われることが重要であると。すなわち社会正義は時勢により移り変わるもので国民の価値観の平均こそが社会正義を正しく反映しているものという前提に立つものです。

Q:しかし判定が法に反するものであったらどうなるのでしょうか?

S:その場合は法を正す必要があるとし、法律改正が発議されます。

Q:それでは法治国家の根本が否定されることになりはしませんか?

S:憲法第八十一条には「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と歌われています。

Q:もし最高裁の判決が憲法に反する場合はどうなりますか?

S:その場合も同様に、憲法改正が発議されます。

Q:本来憲法を守るための機関である最高裁が憲法を否定することになりかねないというのは矛盾ではないですか?

S:つまりこの改革は事実上民意は憲法の上にあるということを表しています。

Q:しかし誰かが国民を扇動して悪しき方向へ動かせるということになりかねません。

S:その可能性は否定しません。ですから最高裁審議には国民の皆さんには積極的に参加していただかなくてはなりません。また悪意を阻止するための一端を担っているのが皆様方ジャーナリズムです。

Q:いずれも移行は時間的にかなり強硬ではないかと思いますが、実現可能なのでしょうか?

S:ここは私たち《システム民主党》の本領と言ったところですが、”デジタルシステム”です。この体制の改変は大幅な行政の電子化による『無人行政』への移行ととも行います。

『無人行政』

Q:『無人行政』とはどのようなものですか?

S:電子化により行政手続きをできるだけ自動化し、業務を効率化しスピードアップとコストダウンすると同時に、国民の利便性を高めます。

Q:「デジタル政府」は森政権から20年以上遅々として進まず、2021年からDXというワードもありましたが、未だに完成していません。そのような短期間で可能なのでしょうか?

S:「デジタル政府」につきましても《GovTech-Initiative》さんが2016年から着々と進めておられます。もうすでに大小様々全国100を超える自治体で導入済で、都道府県でも数地域に一部導入されています。トラブルも含め様々な経験ノウハウを蓄積して信頼性にはかなり自信をお持ちのようです。連邦政府システムについてももうすでにプロトタイプは完成しているとのことです。

《GovTech-Initiative》
都道府県や自治体の行政をデジタル化するためのホールフレームワークを提供するプロジェクト。
自治体政府サイドのRestAPIのセンターシステムと、行政や民間が利用するユーザーアプリの2層を分離して構築する。
センターシステムは標準化されオープンな構築ツールにより非IT人材が開発できる。また既存の法令条文をパラメータによりプログラム化した《Programmed-Law》が提供される。
ユーザーアプリの開発運用は民間が自由に参入しオープンに行われる。使用量に応じマネタイズされる仕組みが用意される。

Q:無人行政といいますが、完全に無人なのでしょうか?

S:例えば自動販売機。あれは基本的に無人で動いています。あるところに本当に美味しいラーメンが買える自販機があって、実はその箱の中ではラーメン職人が毎回その一杯を作ってるとしたらどうでしょう。例えそうであってもやはりお客には”無人の自販機”です。
ポイントはプロトコルです。操作手順と取得方法が明確でわかりやすいことです。

Q:しかし無人というと何か冷酷で不人情なディストピアをイメージする人も少なくないと思いますがいかがですか?

S:日本はどこに行っても自販機が置かれてるのを、よく外国人の皆さんが驚いていますが、いかがでしょうか。ディストピアに見えてるでしょうか。
最近では愛想よくおしゃべりをする自販機も珍しくありません。
あるいはスマホ。あれも無人ですが、現代社会で最も私たちに馴染み深いものです。冷酷で不人情でしょうか。良し悪しは別にして、50%以上の日本人が毎日3時間半以上スマホを見て過ごしています。
重要なのはUXデザインでしょう。

Q:混乱は予想されませんか?

S:当初混乱は避けられないでしょう。政府も国民もみな等しく”ビギナー”になります。
ただこの『無人行政』の特筆すべき点として、政府側は業務が大幅に減り、国民は手続きの多くをお手元のスマホタブレットでできるようになります。
たとえばスーパーマーケット。自動決済でレジがなくなるとイメージしてください。お客さんは初回は、どこで会計をしたらいいか戸惑うでしょう。それを店員さんに尋ねます。尋ねられた店員さんは最初は説明に困るかもしれませんが、数人こなせば慣れるでしょう。

Q:それでも不明点やトラブルが起きると思いますが、その場合の対応はどうなりますか?

S:行政では『相談センター』として《政府の窓》を開設します。
ここでは『無人行政』システム移行に関する問い合わせに限らず、国民との政府の窓口として一本化するものです。
これまでは窓口がいくつもあって、市民の皆さんがその窓口をあちこち回るといった形でしたが、これからは窓口の方が市民に合わせて動くようになります。

《政府の窓》
行政のワンストップの受付窓口。ウェブ、アプリ、電話が用意される。

Q:それにより公務員の人員削減を行うのでしょうか?

S:いえ私たちの計画にはありません。移行期としてはむしろ人員は足りないくらいかもしれません。逆にジョブの公募が生まれると見込んでいます。主にシステム開発になるでしょう。

Q:ということはIT人材ということでしょうか?IT人材は何十年も前から100万人足りないと言われていますが、集めることができるのでしょうか?

S:常用するわけではありません。これは現時点では《ぷちジョブ市場》さんがやられていますが、小さい単位のリモートジョブをオーダーすることになります。
ジョブ内容は主にテストやデータ入力で、ほぼ誰にでもできるような仕事です。むしろ一般の人に参加していただくことを想定しています。この《無人行政システム》はITの専門家ではない普通の人たちが使うものですからテストも普通の人が携わるべきということです。というのは《GovTech-Initiative》さんの受け売りですが。
もう一つ受け売りを披露いたしますと、システム開発のジョブは、1割製造9割試験というポリシーもあります。バグは見つかれば直せるということです。

Q:ということはそれは一過性の仕事であり、移行期が過ぎたらその人たちは仕事にあぶれてしまうのでしょうか?

S:実はこれはIT人材開発、職業訓練的なプログラムとしても位置づけています。
《ぷちジョブ市場》さんは、テスト作業やデータ入力を低レベルのエントリとし、個人の興味や能力に応じてプログラミングやシステム設計などにレベルアップできるようなシステムになっています。
今後IT産業の従事者、あるいはITスキルを他の業種に活かしていただくという広がりを企図しています。

Q:いずれもかなり大規模な変革であると思いますが、可能なのでしょうか?

S:突貫工事で作ろうというわけではありませんのでご安心ください。これらのシステムはこれから新規に開発しようというものはほぼありません。無人行政のどのシステムも民間で研究開発され最低でも3年は運用されて実績のあるものを予定しています。オフィシャルに多少リフォームしていただく部分もありますが。またいづれもクラウドシステムでリアルタイムでアップデートする仕組みがあるので、トラブルも想定済みですし実際運営なさっているみなさんは多くの経験を積んでいらっしゃっています。

Q:それらのサービスは民間企業が運営しているものですが、そこで特定利権が発生しないでしょうか?

S:現時点ですでに利用している特定組織によるサービスはたしかにあります。ただシステムに参加する企業については、公開入札で行います。それらの組織にも入札には改めて参加してもらいます。そのためまず手始めに公共事業の公開入札制度を新しい『公共事業公募』に移行します。

『公共事業公募』

Q:『公共事業公募』はどのようなものですか?

S:《PublicReqSol》というシステムですが、現行の「公共事業契約公募制度」をアップデートします。議会で議決された政策を実現するための”事業プラン”と、それに対して”実行者”と”資金”を公募するシステムです。すべての政府公共事業は大小関わらずここで公募されます。

《PublicReqSol》
民間の《認定プラットフォーム》を複数利用して政策を実現するための関係者を公募するシステム。

Q:これまでの公共事業入札と違う点はどういった点なのでしょうか。

S:大きく違う点は、事業プランも資金も民間から公募するということです。

Q:事業プランとはこれまで官僚が企画していた事業のことでしょうか?

S:はいそうです。議会で決定された政策目標を実現するための事業プランです。それを民間からも提案していただきます。

Q:行政と競合するということでしょうか?

S:必ずしもそうとは限りません。官民が協力するのもありでしょう。
意図するところは、省庁の縦割り、浮世離れな官僚、政府と国民の乖離と相互不信を改善することです。

Q:資金というのは、これまでは政府支出でしたが、それも公募するのですか?

S:はい。基本的に民間資金とします。

Q:収益性のない事業はどうなるのでしょうか?

S:議会提案の政策に予算がつけられている場合、公的資金は損失補填または事業資金に支出されます。
ソーシャルビジネスやソーシャルインパクト投資というのもあります。社会課題解決をいかに収益性のある事業、あるいは新しい価値観を作る事業にしていくかはみなさんの知恵の出しどころです。

Q:しかしそれは本来行政がやるべきことを民間に投げる、ある意味政府の責任放棄になりませんか?

S:行政がやるべきことと民間がやれること。これをどのように分別したら良いのでしょう。難しいですし、そもそもなぜ分ける必要があるかということです。政府の資金とはもとは国民のものでしょう。より効率よく運用しより効果的な成果を出す。それを官民共同でオープンに行いムダをなくし、また狡猾な特定の人だけが泡銭を得るということをなくそうということです。
どんなアクティビティでもそうですが、成功のための最大の要因は執念であると考えます。寝ても覚めてもそのことを考え続け、手立てを探してはやり尽くし、成功するまでそれを続けること。それはその人がなんとしてでもそれを実現したいという執念があってこそです。
官僚にはたしてそれがあるでしょうか。いわゆる「お役所仕事」はやらされてるもので、自発的にそれをやり遂げたいというのはごく稀でしょう。
あるいは政府の構造として本来は政治家がその執念を持っているべきです。「熱い心と冷たい頭」と言います。熱い心は執念、冷たい頭とは、知識や専門的な知見などでもでしょう。その両方を合わせ持つ人なんて奇跡です。ましてやそういう人が政治家になるのは少なくともこれまでの政治では奇跡でしょう。そういうスーパーヒーローを待ち望んでいては社会は進歩しません。
このシステムは「熱い心」を持つ人と「冷たい頭」を持つ人を繋げる意図もあります。

Q:それは口でいうほど簡単ではないのはないですか?

S:私たちのパートナーはすでにいくつも実現してきています。《JUプロジェクト》《GovTech Initiative》もそうですし、《日本から貧困をなくす党》さんの《Project Eleanor》《HELPコール》《ユース日本》さんの《キッズジャーナリズム》《SHCOORE》など、具体的な事業をプロデュースされてきています。
プランはまだまだいくつもあるということです。足りないのはマンパワーと資金です。政府のバックアップでそれらを集めることも容易になります。逆にこれまでのように政府の金目当ての事業というのはやりにくくなるでしょう。

Q:しかし損失補填がされるとしたら、故意に失敗するという事業者も出てくるのではないでしょうか?

S:それは想定しています。
まず第一に政府保証付きの事業については、『外部取締役』を受け入れてもらい、また財務状況を常時システムに公開していただきます。つまり国民全員が監視役になります。
損失補填を申請する場合は、第三者による失敗の分析レポートを作成します。ただこれは罰するためではありません。《失敗ナレッジベース》に登録し今後の事業の叡智として活かします。これは《AI取締役》として事業の状況から失敗を予測し適宜アラートを出します。

《失敗ナレッジベース》
これまでの
アクティビティの失敗を体系的に分析しパラメータ化したデータベース。これを元にアクティビティの状況をリアルタイムで検査し、危険性をいち早く警告するサービスが提供される。

連立与党公約

Q:これらの政策には、連立与党の《日本から貧困をなくす党》さんや《ユース日本》さんの公約は特に盛り込まれていないようですが、どうなのでしょうか。

S:はい。それはまだありません。

Q:《日本から貧困をなくす党》さんの掲げるベーシックインカムは政権を握った今こそが絶好のチャンスではないですか?

S:ベーシックインカムは《日本から貧困をなくす党》さんの公約の一つのオプションです。富裕層に必要かや財政的な問題などごくありふれた議論はあります。他のオプションとしては、『生活保護受給条件緩和』『全失業者公務員採用』『負の所得税』という政策があります。これらは各道州で検討されるよう《日本から貧困をなくす党》さんが活動しています。
ただ『無人行政』システムの生活保護の受給審査のパラメータを緩和の方向へチューニングすることと、国会議員による『生活保護受給保証人制度』を今回提案しています。
貧困層は2015年から《日本から貧困をなくす党》さんやその協力者の活躍でかなり改善しているのは周知のことと思います。

Q:《ユース日本》さんの公約には若者の政治参加がありますが、具体的に今回実現する政策はありますか?

S:例えば公共事業への応募は若年者のチャレンジャーに広く門戸を開いています。社会を変えるのは「若者・余所者・馬鹿者」といいます。今の日本に必要なのはまさにそれでしょう。
ただし決して独りにはさせません。経験や知識は、サポートチームがバックアップします。

抵抗勢力対策

Q:このようなドラスチックな改革に霞が関はおとなしくついてくるのでしょうか?

S:是非とも前向きに取り組んでいただきたいですが、やはり激しい抵抗は想定しています。

Q:この国の政治は官僚主導という批評もありますが?

S:政治家が官僚の手玉に取られているというのは、どのような構図からだとみなさんはお考えですか?それは大いに政治家側の問題であると私たちはそう考えています。信念もなく政策には素人で、なおかつ”叩けばホコリの出る身体”であるというのは否めません。

Q:貴党の議員は皆さん信念をお持ちということですか?

S:憲法には主権在民が謳われています。私たちは《オープンポリシーメイカー》というシステムを利用して「主権者」である国民に常に逐一の政策について議論と議決を委ね結論を出しています。これが私たちの”信念”になります。
《日本から貧困をなくす党》さんは貧困層の《ユース日本》さんは若者の意向を集める仕組みをすでにお持ちです。他党の政治家は貧困層や若者の皆さんのことを語る時”彼ら”と呼びますが、私たちは”私たち自身”なのです。
よく”国民の声が”という政治家がいますが、いったいどんなサンプルを元にしているのか、その具体的な根拠は何も示していません。私たちには明確な数字があります。またその過程で国民のありとあらゆるプロフェッショナルを集結することができるシステムがあります。

《オープンポリシーメイカー》
政策を議決する民間のオンライン投票システム。ブロックチェーン技術をベースにして作られている。投票結果は数値として常に参照できる。
なおこれは《TrueDemocracy》社が開発運用している。

Q:貴党の議員はみな清廉潔白だとそう言い切れるのでしょうか?

S:ご存知のように私たち連立与党は議員のみならずスタッフは全員その経歴や資産を《議員ウォッチャー》さんに完全に公開しています。その覚悟があることが私たちの政党で政治活動を行う唯一の条件であると言っても過言ではありません。親族も含めてですから飛んだ災難かもしれませんが。
ただ生憎ですが私たちはみなごく世間一般の普通の人です。普通の人って世間が騒ぐようなスキャンダルなんて案外ありません。マスメディアの皆さんには申し訳ないですが。

《議員ウォッチャー》
国会議員、地方議員に関する情報サイト。詳細なプロフィールから議員活動を網羅する。

Q:しかしあら探しはいくらでもできると思いますが?

S:これまでの政治家は官僚に弱みを握られていました。それは自身に隠しだてしたい弱みがあるからにほかなりません。と同時に、政敵を蹴落とすために官僚からネタを提供してもらっていたためです。それが両刃の剣になっていたわけです。
私たちは選挙戦で対立候補へのネガキャンはしないというのが戦略でした。そのネガキャンはこの《議員ウォッチャー》さんが代わりにやってくれましたし。ですから、官僚は私たちにそういう圧力をかけてくるのは難しいでしょう。

Q:普通の人でも金銭スキャンダルには無縁ではいられないのではないですか?

S:まず議員報酬についてはご承知の通り、報酬も仕事もスタッフとともにシェアしており、私たち議員もジョブ単位で支払われています。
ほぼすべての議員は”本職”があります。議員を生業とする人はいないので、次の選挙で落選しても困る方は誰もおりません。中には本業の収入が十分で報酬は返上する意向の議員もおられるのですが、ちょっとそれは公平を欠くと逆の議論になってはいますが、その分は党としてありがたく有効利用させていただいています。
またご指摘の”金銭スキャンダル”ですが、いわゆる”収賄で口利き”のようなことは、システムとしてそれができません。

Q:サボタージュという作戦もありえますが、いかがでしょうか?

S:当然ですが、悪意あるサボタージュには私たち内閣は厳しく当たらせていただきます。
そのために《政官財リアリティ》さんに入っていただき政権と官僚の攻防の内情をしっかりレポートしていただきます。これまでは密室だった三角形の一角は私たちが担っていますので、そこに情報提供はしっかりさせていただくことになります。こちらもオープンな民間の仕組みですから皆さんマスメディアさんにも協力いただきたいと思います。ただし皆さんも私たち同様レポート対象になり得るので心して置いていただいた方がよろしいかもしれません。

《政官財リアリティ》
鉄の三角形と言われる政官財を内外から観察し、状況をリアリティドラマ風に伝えるジャーナリズム。

Q:冤罪を仕込まれるような攻撃に対する対策はありますか?

S:つまりそれは犯罪ですね。そこまでくると本当に”仁義なき戦い”になります。もしかしたらそれは国民の耳目を引くスキャンダラスなリアリティドラマになるかもしれません。そこには攻撃を仕掛けた相手も登場されることになるでしょう。
すでに傷害事件として公になっていますが、今回の選挙戦では、文字通り身に危険を被った候補やスタッフがいました。このような”本物の暴力”は私たちの国にとっては最も排除すべきものです。そういう勢力をあぶり出すその契機にすらなるのではないかとも考えています。

Q:泥沼の戦いになるように推測されますが、国は混乱することはないのでしょうか?

S:基本的に何のために何を変えるか、ということを冷静に考えていただくということでしょう。
仮にこれまで通り利権を保ちたいと思うのであれば、相手は私たちではありません。道州の首長です。道州の首長を意のままにすれば、私たちの政権も潰すことさえできます。どうしてもこれまでの利権の構図を変えたくないのであれば、そういう余地はあります。
ただ私たちは官僚にもそれなりの”理”があると考えています。それぞれがプライドを持って自分の仕事に真摯であり、同時に個人としてより多くを得たいと考えているだけです。それは誰であっても同じでしょう。
その同じことを、何か後ろめたいような仕業でなく、社会に対してあるいは自分の子供に対して胸を張れるような素晴らしい事業で叶えられるならどうでしょう。

今後のスケジュール

Q:今後のスケジュールはどうなりますか?

S:これらはすでに閣議決定されたものであり、議会で可決されれば速やかに実行されます。

Q:議会で可決される公算はいかがですか?

S:おそらく大荒れになるでしょう。衆参両院の会期いっぱい、あるいは次の衆議院まで持ち越しになる可能性もあります。言うなればそれが”猶予期間”になります。

Q:連立与党3党は衆議院で過半数をお持ちですが、強行採決もあるということでしょうか?

S:”強行採決”という表現はいかがかと思いますが、然るべき時に議決を行うのは当然です。それが立法府の務めです。いつまでも延々議論を続けているわけには行かないでしょう。
議決では私たち《システム民主党》は国民の意向に従います。私たちはその国民の意向を計るシステムで党議が決定されますので、そちらの結果次第では否決される可能性も全くないとは言えません。
ですから議会で審議されている間、地方や民間でも活発な議論が行われることを期待しています。


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