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【ファンド運営部門のコメント】直近の当社ファンド運営体制につきまして

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックをはじめとして、私たちを取り巻く環境の変化が大きく起こっている昨今。そのなかにあって、当社自身が足元を見直す意味合いも込め、ここでは直近における当社ファンド運営体制の状況につきまして、投資家の皆様へお伝えしてまいります。

1. 総括

当社では、ファンド運営体制を「審査」、「期中管理」、「回収」、「貸付契約」の4つに大別したうえで、各々について適宜確認および見直しを行い、体制強化を図っております。直近の状況を簡単にまとめますと以下表のとおりになります。

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以下、「審査」、「期中管理」、「回収」、「貸付契約」それぞれについてご説明いたします。

2. 審査

当社では、定量面・定性面・運営体制・カントリーリスクという主に4つの側面から、新規貸付先(海外資金需要者)の与信判断を実施しています(※)。当社内において投資の意思決定を行う投資委員会の資料も、上記の審査結果を網羅的に記載し、将来の返済能力に問題ないか確認のうえ、適切な与信額の設定を図っております。与信額の設定につきましては、最終的な与信額だけではなく、第一回償還の完了をはじめ一定の目安の達成までは、中間与信額の設定や月次販売額に制限を設けるなど、細部にわたって取り決めています。これにより、急速に与信を積み上げて、結果として返済リスクが高まることを抑制しています。また、最近では既存の貸付先(海外資金需要者)につきまして、与信の増額や再販売を検討することもありますので、その際に投資委員会で確認すべき事項も改めて整理し、委員会資料のフォーマットを定めました。

※ 当社のファンド組成にあたっての審査につきましては、以下もあわせてご参照ください。

3. 期中管理

昨年、2020年11月に社内信用レーティングの策定を行い、既存の資金需要者の信用リスクについても「見える化」を行いました。社内信用レーティングは、各貸付先(海外資金需要者)の貸倒リスクの算定にも活用しています。初期の社内信用レーティングを設定以降、直近の貸付先(海外資金需要者)の財務諸表や事業の状況を反映しながら、定期的な見直しを実施しております。この社内信用レーティングを、今後とも期中管理における適正な与信額の見直しに活かしていく方針です。

また、2020年の年末から貸付先(海外資金需要者)ごとに2021年度の事業計画の取得を行い、予実管理(予算と実績を比較する管理手法)を開始しています。

さらに、2021年度の新たな取組として、第三者の信用格付機関を起用し、資金需要者の資産の質について評価を行う試みを始めました。当社では各資金需要者から年次の監査報告書を受領しその内容を精査しています。それに加えて、この取組は、ノンバンクやマイクロファイナンス機関などが有するローン資産を第三者の視点で客観的に精査することで、事業自体の健全性を確認することを目的としています。2021年3月から、まずは貸付先(海外資金需要者)のノンバンク1社の評価を開始しています。具体的には、貸付先(海外資金需要者)の融資事業における、①審査手法、②貸倒引当処理の妥当性、③借り換え融資の供与を含むローンポートフォリオのリスクの大きさ、などに対する評価報告書を取得予定となっております。この評価プロセスから得られる知見を、当社の他の貸付先(海外資金需要者)に対する期中管理強化にも活かしていく方針です。

コンプライアンス(法令遵守)の面では、当社エストニア法人において、貸付先(海外資金需要者)国の規制状況を、ファンド組成時だけではなく定期的にモニタリングしています。具体的には、貸付先(海外資金需要者)各国の法律事務所から意見書を取得し、上限金利規制や源泉徴収税など、エストニア共和国からの融資にかかる規制面・税務面の規制の状況に変化がないかなど、詳細に確認をしています。2020年度からは意見書の確認結果をデータベース化し、社内の委員会に定期報告を行っております。

4. 回収

引き続き、延滞案件につきましては、各案件の運用状況報告書でお伝えしていますとおり、顧問弁護士と連携をしながら、投資家の皆様にご出資いただいた資金の回収率の最大化を図っております。それに加えて、保有債権の売却や譲渡が適正な価格で行えると考えられる場合には、その交渉を行い、回収の早期化に向けての取組みも強化しています。

また、回収にかかる費用の適切な管理を行うために、社内規程の整備や費用管理のデータベース化にも取り組んでおります。期中管理や回収の意思決定を行う投資管理委員会を中心に、回収方針に応じた適切な費用拠出かを確認のうえ、月次の費用発生の承認を行っています。

5. 貸付契約

各貸付先(海外資金需要者)と当社エストニア法人が締結する融資契約書については、当社顧問弁護士とともに定期的な見直しを開始しています。直近では、期中管理・回収から得られた教訓を踏まえ、2021年3月に融資契約書の見直しを完了しました。

具体的には、(i)事業計画の提出の義務付けおよび一定の支出項目の事前承認、(ii) 問題が生じた際の回収コストを債務者が負担する旨(特に法的助言コスト・財産鑑定コスト・裁判コスト・当社グループ社員が回収のために必須な出張をするときの旅費および滞在費など)の条項の明記、(iii)監査報告書、四半期/半期の試算表に加え、月次試算表の提出の義務付け、(iv)年間一定額以内の無担保の借入は許容するが、それ以外は制限すること(それにより貸付先の過度な借入を抑制すること)、などです。また、これらについて、審査時に確認した資金需要者のリスクに応じた条項設定が可能となるよう、融資契約書交渉時のチェックリストを導入しました。今後交渉を開始する貸付先(海外資金需要者)に対して、このテンプレートを使用していくと同時に、半年ごとに見直しを継続する方針です。

6. 結び

当社としましては、投資家の皆様へより良い投資機会を提供できるよう、ファンド運営体制の強化を継続しつつ、適宜ご報告を行ってまいります。投資家の皆様におかれましては、引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。
クラウドクレジット株式会社
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