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【CEOコメント】2021年下半期の当社信用リスク管理体制の強化ポイントにつきまして

クラウドクレジットでは、世界、特に新興国の中堅・中小企業という比較的リスクの高いセグメントに貸付を行うことから、特に2017年以来、サービスをご利用いただくお客様に分散投資のお願いをしてまいりました。

一方で、2019年末から2020年にかけてカメルーン関連ファンドの大幅棄損見込みが起きたことや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大を受けたファンドの期間延長や元本割れ見込みの発生を受けて、

・セグメント選択
・与信額管理、ポートフォリオ・アロケーション
・投資管理態勢の深化
・お客様の分散投資のさらなる促進

をこの1年半、運営上の最重要項目として進めてまいりました。

2021年に入り、メディア等でいわゆるソーシャルレンディングのリスクについて報道されることが増加し、いま一度、当社の信用リスク管理体制について追加で強化を図るべきポイントの確認を行いました。

その結果、直近の報道における論点とは直接関わらないかもしれませんが、以下の4つの観点からの強化を行うことといたしました。

① ファンドの組成、モニタリングを行う部署内での品質向上

当社では、融資先企業による返済の遅延や元利金の返済不能を事務ミスにたとえて考え、小さなヒヤリハット(危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと)の再発防止を積み重ねることで、大きな遅延・元本割れを避けることを目指してまいります。

また、当社のファンドの組成やモニタリングを行うチーム内において、担当者同士のノウハウの共有、チェック・プロセスの追加、特定の分野に精通しているチームメンバーからの他のチームメンバーへのサポートを強化していきます。

② 信用リスク管理方針の制式化、プロセスの明文化

当社ではこの半年間、2020年以来進めてきた投資管理体制の強化に基づいて、今後のファンド組成の方針をまとめてきました。

それをさらに、当社の信用リスク管理方針として制式化し、当社取締役会の所管事項として、変更を加える場合は取締役会決議を必要とするようにいたしました。

直近の報道では専門家による大口融資先への融資を取締役会の決議事項とするなどの提言もなされていますが、当社ではより広い範囲の事項を取締役会の決定事項とし、取締役会と現場部署の責任の明確化も図ります。

そのほか、取締役会、現場部署それぞれでプロセスの明文化を行うことで、より幅広い範囲の業務が安定した一定以上の品質で行われていくことを担保してまいります。

③ 決められたことが決められた通り行われていることのチェック体制

上記に関連して、方針、プロセスを強化していく中で、当然のことながらそれらが方針や規定に書かれているだけで実際には行われていないことを避けなければなりません。そこで、月次や四半期で行われているモニタリング活動を中心に、各種ファンド運営、信用リスク管理業務がルールに従って行われていることを確認する、いわゆるチェックリスト管理の深化も進めてまいります。

④ KRIs(Key Risk Indicators)、ファンド運用パフォーマンスのモニタリング

こちらはすでに当社で取締役会、リスク管理委員会、現場部署それぞれで行っています。具体的には、融資先企業の社内格付ごとのターゲット・アロケーションと実際の融資比率との比較、大口融資先企業への予定融資比率と実際の融資比率との比較を中心として、遅延・元本割れ見込みのファンドの比率や通貨ごとのファンド販売状況などのリスク指標を関係各主体がモニタリングし、そのうえで、ターゲットからの乖離がみられた場合は是正処置を進めています。そうすることで、誰も気づかないまま大きなリスクのマグマがたまってしまった、ということを避けてまいります。

また、当社サービスをご利用いただいている全お客様の平均IRRの予測値も算出しており、2021年に入ってからは特にこの半年間見られていませんが、実績値がその予測値から下回るようなことがあれば、その原因を特定して今後のリスクヘッジ施策を進めます。

お客様には引き続きファンドの分散をお願いいたします

当社では上記のほかにも信用リスク管理体制の強化施策を行ってまいります(※1)が、それでも冒頭の通り、世界、特に新興国の中堅・中小企業という比較的リスクの高いセグメントに貸付を行うサービスであることに変わりはありません。

そこで、当社では手に汗を握らないための投資のコツhttps://crowdcredit.jp/blog/entry/369/ )なども、従前より情報発信しています。一方で、ファンドパッケージ機能(※2)複数のファンドをまとめて購入できる機能(※3)の実装も進めております。また、引き続きお客様に、より一層分散投資を当社プラットフォーム上で進めていただきやすい機能の追加を順次進めてまいります。

当社としましては、引き続きお客様に分散投資を行っていただきながら、融資先企業を応援しつつ、お客様ご自身の資産を育てていただけるプラットフォームの運営を目指してまいります。

お客様の変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

クラウドクレジット株式会社代表取締役CEO
杉山 智行

※1 詳しくは以下、前回のCEOコメントをご覧ください。

※2 ファンドパッケージ機能につきまして、詳しくは以下をご覧ください。

※3 当社HPマイページ内における「ファンド購入」画面の機能改善につきまして、詳しくは以下をご覧ください。


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