カブフェス2023 観劇記録
こんにちは。今年も「迷ったら推せるときに推せ」で決めている青木です。
今年も日程を空けることが出来たので、カブフェスに行ってきました。
〇カブフェスとは…
四国に拠点をもつ株式劇団マエカブさんが主宰となり開催している演劇祭。
6つの部屋で様々な劇団がタイムテーブルにそって公演があり、入場料(+おひねり制度)で一日いくつもの劇団の公演が見放題。芝居好きにはたまらないお祭りです。
※ちなみに去年はこんな感じ…
●観劇リスト(感想のような覚書)
①劇団ヒロシ軍『コントやるべきか芝居すべきか』
今回初めて観た劇団さん。九州で活躍され、今年で16年目だそうです。
ショートコントを中心にやられていて、さくさく楽しめるポップコーンみたいなかんじで、青木はスマホを使ったあれとペットボトルナックルシリーズが好きでした。カブフェス終わっても思い出すと不思議とじわじわ来ています、ペットボトルナックル★
言われてみるとお笑い番組でたまに【THEお笑いの面白いコント】と【どこか演劇っぽい(どことなく面影を感じる?)コント】があるなと思ったり、「最初観たあれはコントだと思ったけど、あとのコント見たら見方かわってちょっと演劇っぽいような気がする。…あれぇ?」と思ったのがとても印象的でした。(興味本位でコントと演劇の違いをネットで調べてみたのですがいろんな方が色んなこと言っていたので、人の数だけ出てきてわかりませんでした…なぞです)
②FavoriteHomey『アカチャン』
このあらすじにひかれて観劇しました。
あらすじから勝手にコメディかギャグ強めの作品かなと思っていたのですが、冒頭から社会問題に対する叫びから始った時には「???!!!」ってなりました。これから人生を歩む予定の3人の赤ちゃんたちの「うまれたくない」と「うまれたらたのしい」という迷いがおもしろかったです。
ボク、地味に好きな場面がありまして、神様が大変な人生の中の小さな幸せの一例として「仕事終わりのビール」をあげていて、マスク越しに「あぁ…」と声が漏れてしまいました。(前職でバチクソ大変だった日の終わりにのむお酒、あれって不思議と仕事がえげつないほど大変なほど比例して美味しかった気がする)赤ちゃんたちのやりとりも個性が詰まっていて面白かったのですが、赤ちゃんたちのやりとりを微笑ましく見つめる神様の表情も素敵で、そのせいかラストの場面がどことなく「お地蔵さま」にみえました。
※普段は普段は劇だけでなく手芸などいろんなことをされている団体さんとのことでした。写真はおひねりのお礼として配布されていたキーホルダー。ハンドメイド作品も物販で売られていたそうです。
③劇団桃唄309『人人人人火』
難しそうだけどなんかどこか面白そうなあらすじだったので観劇しました。
ギリシャ悲劇どころかギリシャといえば「…よ、ヨーグルト(´`)」しか出てこない知識量の人間なのですが、本編が始まる前にざっくりとギリシャ悲劇のお約束と作品についての解説があり、おいてけぼりになることなく楽しむことが出来ました。仮面で様々な神様が出てくるのですが、話が進むにつれてじわじわと主人公と神様の距離感とかサイズ感や客席が神様でいう下界がこちら(客席)側になるようなのが役者さんの視点からみえてきて、席はまったく変わってないのに「わあ、あの神様はサイズちがう!上下になった!」「こっち(客席)にも世界観が!」ととても不思議な感覚になりました。ギリシャ悲劇だから、というよりもシェイクスピアなどの海外古典は詩的表現が癖強なイメージで苦手意識があるのですが、これは原作もいつか見てみたいなと思いました。
④空想紀行『喫茶ひととせ春夏冬中』
あらすじにひかれて観劇。会場の縁側のある部屋の雰囲気ととても似合っていたお話でした。(ただ、接客・販売を経験したことがあるせいでめっちゃひやひやとしてみてしまい、きっとボクの職業病というのろいがなければ、もっと作品の和やかな雰囲気が楽しめたんだろうなと思いました)
作中の兄妹の「たいへんだったー」「おつかれー」というほんわかかつ「兄妹だなぁ(´∀`)」というキャラクターと、従業員(ご友人?)のあわてふためきふりまわされるキャラクターが対照的で面白かったです。
⑤株式劇団マエカブ『怪談、オ売リシマス』
じつは…今年のカブフェス…これに魅かれて…行きました。
X(旧・ツイッター)で宣伝されていて、怪談や不思議なもの好きな心がいけって。だって「奇妙な行商人」が「怪談奇談を売る」んですってよ。最高じゃないですか。この奇妙な行商人(以後、怪談屋さん)、怖い話を扱うのだからめっちゃこわい雰囲気かなと思いきや、とても親しみやすい柔らかい雰囲気の怪談屋さんでした。1号から3号とおっきいの(3人~4人?)がいるらしく、ボクがお取引(※観劇)したのは、笠の内側に紅葉をあしらったやさしい声色の怪談屋さんでした。
カブフェスの会場の雰囲気も相まって、「司書の先生が怖い話をしてくれる」というだけで普段大嫌いな学校の図書館にいっていた小学生の頃の夏休みを思い出し、とても懐かしい気持ちにもなりました。
⑥劇団SANBA-BA『目口耳に御用心ロマンス』
あらすじの「オババ」という部分が気になり観劇しました。
色んな場面を詰め込んだ、こう、面白でカオスな劇だったなという印象でした。上演前に座席においてあった劇団紹介には「オババ(お婆婆)」=香川で活動するSANBA‐BAの女優さん達のことで、「明日も頑張って生きよう!」というような作品を届けている劇団さんだそうです。上演中にガンガン観客席に話しかけていく部分もあり、おひねりをお渡しする時のどこか安心する笑顔、例えるならしょげて帰る帰路に唐突に「げんきないやん、あめちゃんたべな」と声をかけてもらった時の、年齢と人生を重ねたから寄り添える距離感が魅力的でした。
⑦ユニット「ケモノミチ」『夢のあとさき』
あらすじが気になって観劇しました。
ドラマリーディング式でオンラインで話しているようにも実際にあっているようにも序盤は見えてきて面白かったです。ボクも演劇の世界にはまって抜け出せない人間なので、なんだかんだ「あぁ、あの作品よかったな」「またお芝居作りたいなぁ」という年月を経ても演劇にはまる登場人物達の心情は「わかるなぁ」と共感しつつ、まさかの展開には驚かされました。
⑧シャカ力『ハハハ 今、私、心臓二つ』
カブフェスで知り、カブフェスに来るたびに見てしまう劇団さん。青木は岡山の民なので、本拠地・高知公演をしらない状態で、かぶフェスでしかなんですが今まで「あらすじは説明できないけど面白さを全力でぶっぱなしてくる劇団さん」という印象だったのですが、今回はそのシャカ力さんの面白さをぶっぱなしながらしっとりとした雰囲気もあり、すごく新鮮だなと思ってしまいました。(青木が勝手にそう思っただけかもしれない…)
⑨いるかHotel『戯遊戯~たわむれゆうぎ~』
チェーホフは名前だけ。ただ、「いたずらしてみました」という文言に引かれて観劇しました。あらすじにもある『好きだよ、ナージャ』という一言とその情景/風景を作者の背景も含めて突き詰めて魅せていくところがすごいなと思いました。原作を知らず完全に初見・未知の状態で、かつチェーホフと聞いたら、たまに数多の演劇の公演案内でみかけた『かもめ』(しかも、名前だけ)しか知らず、チェーホフにユーモア作家時代があったということも今回初めて知ったので、こちらもいつか原作を読んでみたいなと思いました。あと、たまたまシャカ力さんの後の回を観劇したのと、シャカ力の俳優さんと役者さんの謎コラボがあり、一つ前に観たばかりだったので「メタいなぁ((´∀`))」と笑ってしまいました。
⑩劇団Conflux『cross novels~シャーロック・ホームズ殺人事件~』
「crossシリーズってなんだろう」と気になって観劇しました。
作者の方が「多分こんな背景があったんじゃないか」というのを物語の中に落とし込む形で、作者・アーサーコナン・ドイルが自分以上に人気になったホームズの存在に対して苦しんでいくところを描いていくお話。作家や漫画家などが主人公の作品は他の劇団さんの作品でも観たことがあったのですが、作家が人気キャラクターを殺すまで追い込まれながらもいないはずのホームズがもうそこに「いる」ように見えてくる狂気的な部分が特徴的かつ魅力的な物語でした。ラストの場面、「いる」というか「いた」というか、あの何とも言えない瞬間はゾッとしました。
⑩チクタクノイズ『正しいロープの使い方』
このあらすじから「めっちゃシリアスかな…」と勝手に思っていたのですが、笑って見れるお話でした。この内容で笑えるってなるのですが、差しさわりのないようにここに書き起こすなら最初は「止めないの?!」ってなるのですが、理詰めで死ぬ理由を次第に死のうとしている人の背景がわかってくると、いつのまにか止めない人々に共感してしまう。そしてコミカルで面白い。なんだろう、書いていると不謹慎になっていく気がするのですが、この劇団さんを観た方がいらっしゃるなら…わかってもらえるはず…。
来年もまたいけたらいいなぁ…。
それではまた…。
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