見出し画像

建築家・谷口吉生さんの建築〜クリスタルビュー〜

東京都江戸川区にある葛西臨海公園に谷口吉生さんが設計したクリスタルビューという建築があります。
 
葛西臨海公園といえば、東京都民ならほとんどの方が行ったことのある葛西臨海水族園が有名ですが、この水族園も谷口吉生さんが設計した建物になります。
 
その建物に隣接して、クリスタルビューを設計されています。
 
谷口さんの建築では珍しく、外観全てがガラス張りになっています。

◾️都市軸を考える

葛西臨海公園駅の改札を出て海側へ歩こうとすると、メインストリートの軸が真っ直ぐ海に向かって延びていることがわかります。

その軸線の先には、海に向かって開けた大きな開口があります。

軸線の通ったこの計画は、とてもダイナミックで、訪れた人々に海に対する意識を感じさせてくれます。
 
この手法は、谷口さんの広島にある清掃工場でも行われています。

インパクトがあって記憶に残る印象的な手法ですね!

この独特な光景を見ると綺麗に整っていることで街自体が美しく感じます。

この軸の先には一体何が待ち受けているのか気になり、先に進むのがとても楽しみになります^ ^

◾️開かれた展示空間

クリスタルビューは東西南北全面がガラス貼りになっています。
 
内部は展示空間になっていて、スロープで上り下りできるようになっています。

ここでは、美術館でよく見る回遊性のある動線計画が盛り込まれています。

そのおかげで自然豊かな公園の景色と美しい海を眺めながら、建物内を回遊することができます。
 
美術館では作品を楽しめるように動線計画がされていますが、ここでは外の風景を展示作品に見立てているようです。

いや〜、なんて素敵なんでしょう笑

デートしたときに、「この空間ではこの景色が展示作品なんだよ〜」なんて言ってみたくなります。

◾️入れ子構造

クリスタルビューは海に面した建物としては鉄骨造でガラスに囲まれているという斬新なデザインですが、その構成はとてもシンプルです。
 
内部に鉄筋コンクリート造の箱があり、その周りにスロープや階段などの移動空間が作られています。

そしてその構造体を囲うように、鉄骨部材で作られたカゴ状のガラスボックスが被せられています。

とても明快な美しい建築に仕上がっていて、見惚れるばかりです^ ^

この建物は普段は無料で解放されていますので、誰でも訪れることができます。

葛西臨海公園に訪れた際は、水族園と合わせて、まさに葛西の海のようにさわやかなこの建築をぜひとも訪れてみて下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?