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[続]それは...相手や社会のせい?自分のせい?


トラブルが起きたときに、一方的に、他者のせい、自分のせいにすることのメリット・デメリットについて前回の記事で書きました。そして、一方的に他者のせい、自分のせいにすることは、どちらも被害者意識につながるのです。そのループを抜ける第一歩は、①自分の傾向を知ることと、②一方的なアプローチに無理があることに気づくこと、ということについて説明しました。それは、まさに自分が被害者ポジションにいたことへの気づきです。そして被害者ポジションを卒業する方向へ歩みだすのが二歩目になります。

4.外界と内面をつなぐ視点を(後半)

 (1) 他人責めしがちな人へ

他人のせいにしがちな【外界アプローチ傾向の強い人】の次なるステップは、「もしかしたら…自分にも落ち度があるかもしれない」「相手には相手の正義があるかも?」と、意識を自他の内側に向けることが必要になります。そして、本当に「社会のせい」ならば、情報収集をし、どこまでが自分のできる範囲か、誰に協力を求めればいいのか、合理的な分析ととるべき効果的な手段や方法(行政やどこかの窓口へ行くのがいいのか、法的手段が適切なのか)について、思い込みで行動せず、ときには専門家の話も伺いつつ、客観視し冷静に検討するのもよいでしょう。

 (2) 自分責めしがちな人へ

また、自分責めしがちな【内面アプローチ傾向が強い人】の次なるステップとしては、「自分はもっと社会的な知識や知恵を身につけ、外界への観察力を養おう」という姿勢も必要かもしれません。または、「自分は相手や周囲から言われるほど悪くないかもしれない?」と気づき、必要以上の自分責めをやめ、エネルギーを取り戻し、健全な好奇心を養い、自律的に気持ちを外に向けていく必要もあるでしょう。(※ただ、他人責めの人に日々攻撃されて辛いということであれば、逃げる、距離をとるという緊急に物理的な隔離が必要なケースもあるかもしれません。)

 (3) 自分に向き合い内面を整えることで解決しない場合もある

とりわけ心理的・内面的なアプローチの情報やサービス提供者などから、「内面が外界に投影されます」「全て自分が創造しています。社会や他人のせいではないのです。自分が現実の創造主」のようなことを言っているのを見聞きすることがあります。それは総論として…ある意味正しいのかもしれませんが、この考え方が問題の解決に有効なのは、時と場合によることに注意しなければなりません。

特に「すでに発生したトラブル」について、内面を整えさえすれば全ての問題が雪のように解けて、魔法のように消えてなくなるわけではありません。そもそもその程度に内面が整っていたら「そのトラブル」は目の前に創造されなかったし、現れなかったはずなのです。なので、トラブルを引き寄せ創造してしまった現実を直視することからスタートする必要があります。

そういうときにこそ、「外界アプローチ」である社会的な知識やスキルを活用したり、身につけるチャンスです。

 (4) さいごに…

というわけで、内面アプローチにも限界もあるので、弱った人も元気を取り戻したら、実際に行動し、社会的な知識やスキルの習得(またはそれを補う適切な専門家のサービスを利用)をしたり、人や情報を見極める力を養い、自分の正当な権利を主張する姿勢や、適切な窓口を知って実際に問い合わせたり、足を運ぶことも大事。

そういう意味では実はお互い対極のアプローチをする人から、学べることも多いのかもしれません。一歩引いたところから客観視し、この内面と外界をつないでゆく、気づきと学びの姿勢が、被害者・加害者ループからの卒業へつながっていくのです。

追記:この手のトラブル解決の話では「問題は発生したのと同じ次元では解決できない」というアインシュタインの名言もよく耳にしますね。この異次元的解決の仕組みについては、また別の時にお話してみたいと思います。

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