見出し画像

クロスプレイ東松山に込めた想い

医療法人社団保順会は、「3つのC ~ Cure(治療)・Care(介護・福祉)・Culture(文化)~」を理念に掲げ、私たちが生きていく中で直面する病気や障害、介護が必要になっても「その人らしい暮らし」を支えるために、その方の生きてきた文化的背景も大切にする全人的ケアの実現を目指しています。

保順会が運営する、「デイサービス楽らく」は、通常の通所介護機能と併設して、アーティスト・イン・レジデンスが可能となるスペースを設けました。
そこで、「クロスプレイ東松山」では、年間を通じて様々なアーティストに施設に滞在してもらい、作品創作などの活動を通して、利用者やスタッフと文化的に交流していきます。

ナラティブ・ケアの実践

私たちは、病気や介護が必要になっても「その人らしい暮らし」を支えるケアという行為は、ただ単に治療や介助行為をするだけでなく、その人がどう生きてきて、そしてどう生きたいかを考えるのが本来のケアだと考えます。

近年、医療や介護の現場でも“ナラティブ”といって物語性を重視する流れがあります。人それぞれ生きてきた物語があるからこそ個別性を重視するという考え方です。

アーティストはこうした個別性を見出す独自の視点、それを表現する手段を持っています。そこで、高齢者福祉とアーティストが直接的に交流する時間と場所をつくったら、より豊かなケアの発想が生まれるのではないかと考え、クロスプレイ東松山を立ち上げました。

介護施設でもあり文化施設でもある場所

介護施設でもあり文化施設でもある。クロスプレイ東松山を通じて、ケア×アートの多様な交流が生まれ、暮らしの中にあるケアがより豊かになっていくことを願っています。

文:武田奈都子(医療法人社団保順会理事/デイサービス楽らく施設長)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?