見出し画像

七福神5人くらいで良くないか? あるいは 七福神だれか交代しませんか?

人口減の時代に規模の縮減を図る。


七福神多すぎない?

いくら7がラッキーナンバーだからと言って七福神は多すぎる!

そう思う最大の理由が、福禄寿と寿老人にある!

まずは七福神それぞれのルーツを見てみよう。

  1. 恵比寿(日本神話)

  2. 大黒天(ヒンドゥ教、仏教)

  3. 毘沙門天(ヒンドゥ教、仏教)

  4. 弁財天(ヒンドゥ教)

  5. 福禄寿(道教)

  6. 寿老人(道教)

  7. 布袋(仏教(禅僧))

結構バランスよく日本の信仰、日本にやってきた信仰の中から福神が選ばれている印象がある。時の中で洗練されてきたのだろう。これだけラッキー神がいるといい感じになりそうだ。

だがなぁ! おれはひとつ納得いってない部分があるぞ! 昔から!!

  • 福禄寿(道教)

  • 寿老人(道教)

ここだ!! このふたり被ってるでしょ! 福禄寿も寿老人も道教の南極老人が元ネタになっているらしい。実際に、こいつら7人の中でちょっとキャラかぶってる気がする。それは当然だ誰のせいでもない。もともとおんなじ南極老人から派生した神様だからだ。

どっちかにしろ!!

七福神は数として多すぎる。多分五福神くらいでかなりラッキーだ。もし七福神から削るのであれば、政府有識者等含めまずは福禄寿と寿老人の被り問題に取り掛かることだろう。

ところが結構、あとの5人はバランスがいい。女子が一人いたり、戦い系、日本古来系みたいな役割分担もあるし、布袋とかが特にそうなんだけど、それぞれわかりやすくキャラが立っている。そう言う意味では福禄寿と寿老人は別物とするにはキャラ立ちが若干弱い。

ということで、数を減らす方向は難しいのではないかとの結論を得た。

それでは逆に、六福神になってしまわないように(お前は諸星大二郎か!)、誰か追加する方向で検討しよう。

福禄寿と寿老人を合体させたあと、誰を七福神に追加するか

本稿では七福神の数を維持しつつ福禄寿と寿老人の被り問題を解決するために、あたらしい一柱を加えるという方向で議論を進めてきた。本節では、個人的に考える追加メンバーを紹介したい。

なお歴史的にも七福神のメンバーは流動的な部分がある。神仏習合などの具合で近い役割を持つ神様が代わりに入ったり、おたふくなんかが単純に入ったりもする。この辺りも検討の材料として考えてみよう。

1.アフロディーテ

サンドロ・ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』イタリア語: La Nascita di Venere
製作年 1483年頃 、寸法 172.5 cm × 278.5 cm (67.9 in × 109.6 in)、 所蔵 ウフィッツィ美術館、フィレンツェ

まずはギリシア神話のアフロディーテを推薦したい。福神っぽくはないのだが、美と豊穣の女神である。美容と健康とか、少子化対策とか、現代的なテーマにも対応可能な女神様だ。いままでの七福神にないタイプでいいのではないか。

女子をもう一人加えるのも男女共同参画の必要からも重要だ。皆さんは地域の何らかの組織の運営審議会みたいなのに入っているご経験はないだろうか。その組織に外部の目を入れるもので、例えば役所では公共施設だったりとか、文化財の審議会がある。あるいはメディアなんかにも審議会みたいなのが合って公正な放送を目指すために委員からご意見をいただくような組織がある。こういう審議会的組織は我々の民主的な社会に不可欠になっている。

この際、結構な割合でアファーマティブアクションが求められる。具体的には女性の委員の割合を増やすように、あるいは一定の女性委員を含めるようにするケースが現代では多い。

七福神も、ラッキーに関する審議会みたいなもんだ。

ここに女性をもう一人加えることも、現代の多様な価値観を反映させるために重要なのではないか。

2.仙台四郎

仙台四郎
明治18年頃、千葉一撮影

ご存知、幕末から明治に生きた人神仙台四郎。知的障害があり会話は不自由であったが、ふらりと訪れる店舗が商売繁盛すると言う迷信を生んだ男。死後も写真や彼をあしらったグッズなどが商売繁盛のお守りになっている。

今まさに伝説になりかけている福の神だ。

彼を選んだ理由は、若手であることだ。

現在の七福神は年齢が高すぎる。若手の布袋ですら中国の宋の時代なので1100年以上前の神様になる。先程の審議会のメンバー構成に女性の数を増やそうと言う課題があることを書いたが、年齢も実は問題で、こうした審議会は若手のなり手が少なく苦慮している。

地域に大学があれば若手の有識者を集めやすいのだが、田舎で審議会を運営しようとすると若手の確保が大変なのだ。七福神幸運審議会の皆さんも高齢化が進んでいる。この分野は実際高齢化が進めば進むほどご利益があるから単純な話題とはならないのだが、じじばばばかりなのは問題だ。

その点、仙台四郎は今まさに伝説にならんとしている神様で、そして十分にこれからも福の神としてやっていけるほど100年ほどで実績を積んでいるとみえる。流行り神のような人々の認識から消えてしまうような印象は仙台四郎にはない。

そして、何はなくとも圧倒的な福の神感がある。若干ラフな服装が布袋と被っている気がするが細かいことはいいだろう。

3.高島嘉右衛門(高島呑象)

高島嘉右衛門
『横浜電気株式会社沿革史』横浜電気株式会社、1922年6月 (横浜市立図書館デジタルアーカイブ 都市横浜の記憶 https://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/ より)

最後は実業家高島嘉右衛門。幕末〜明治に生きたバリバリのビジネスマン(実業家)。材木商を皮切りに様々な事業を展開し、横浜にガス灯を設置するなど近代的なインフラ構築にも役割を果たした。こう言う立身出世タイプの「商売繁盛」キャラも七福神に有ってもいいだろう。

そして彼は何より「易」に凝っていたことが良い。ビジネスの要所要所で易の卦を立てて占い、方向性を見出して出世したという。占いに実績が伴っている。彼をして「易聖」と呼ぶこともある。

「易」は古代中国から受け継がれてきた文化だ。高島嘉右衛門も読んだ『易経』は道教でも儒教でも重要教典だ。特に儒教をベースにする七福神はこれまでなく、高島が新しい七福神としてふさわしいと思う一つの理由だ。

あと仙台四郎と同様に若手であることも推薦の理由となる。

ただし、現在高島嘉右衛門の思想を継承されて占いを行っている特定の団体がいくつかある。高島嘉右衛門とは直接関わらないから問題は少ないと思われるが、七福神という超パブリックドメインラッキー神という公益性の観点から課題になる可能性があることは付言せねばなるまい。

おわりに 

いかがでしたか? 福禄寿と寿老人を合体させて残り人枠に誰か足して、みんなもオリジナル七福神をつくろう!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?