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ようやくノギスを活用できるようになってきた

最近になってノギスを使う機会が増えた。買ったのは一年前だったが、あまり活用できていなかった。この数ヶ月でちゃんと使うようになって、ギターのメンテナンス・修理の作業の質が上がったように感じる。

二年間、趣味でギターのメンテナンスや修理を続けているが、恥ずかしながらいまだに取り付けることができない寸法のパーツを購入してしまったり、張り替える弦のゲージを間違えてブリッジの設定が狂う、というミスを度々繰り返してしまう。あるいは、ネジ穴を埋めて開け直すような際に微妙に大きすぎる穴を開けてしまい、穴埋めをやり直すようなことさえある。

現行のギターのパーツはアメリカのギターで採用されているインチ規格と国産/アジア生産のギターで採用されているミリ規格で作られているものがほとんどだ。大抵のギターは調べればどちらの規格で作られたものなのか把握することができるが、中古ギターでは「国産ギターなのにポットがCTSに交換されているためそこだけインチ規格になっている」というようなケース、さらには「他三つはミリ規格なのに一個だけなぜかインチ規格になっている」というようなイレギュラーなことが起きていることが珍しくない。また、古い時代のギターではそもそも独自の規格のパーツが使われているケースもある。ここを見誤って互換性のないパーツを購入してしまうと資金が無駄になってしまうだけでなく、新しいパーツが届くまでの間作業が保留になってしまう。

パーツがミリ規格かインチ規格なのか、ノギスを使わずに計測する方法もあるがノギスを使ってサイズを計測するのが一番確実で間違いがない。何より怪しいパーツがあったときに独自規格なのか、独自規格の場合どの交換パーツなら代用できそうか、などを判断する上で細かい寸法の計測ができるのは強力で心強い。

ネジ穴の開け直しでもノギスは活躍している。互換性のないパーツへの換装や、ダメになってしまったネジ穴の修理のために、爪楊枝などを使って一旦ネジ穴を埋めた上で新しい穴を開け直す、という作業が時々発生する。その際、ネジのサイズに応じて適切なサイズの穴を開け直さないと、せっかく穴を開け直したのに固定具合がいまいち、ということが起きてしまうので、ネジ穴のサイズは重要だ。なんとなく目視でやっていた時代はこの部分で残念な仕上がりになってしまったりやり直しが必要になってしまうことがあったが、ノギスを使うようになってこの問題は発生しなくなった。

そして地味に一番活躍しているのが弦交換の際のゲージ測定だ。自分の場合ギターによって使用するゲージを変えているのだが、本数が増えてからどのギターにどのゲージを張ったのかわからなくなってしまうことが増えた。また、中古で購入したギターについてはそもそも何のゲージが張られているのかわからないことも多い。多くのギターでは弦のゲージが変わるとブリッジ(場合によってはネックも)の再セットアップが必要になってしまう。ノギスがあると弦のゲージを測定できるので、弦交換で違うゲージを張ってしまうことも無くなった。

どれも「ノギスが無いと絶対困る」というほどのものでは無いのだが、ミスをするとお金と手間・時間が無駄になるようなものばかりで、なんとか週末と夜に時間を捻出して作業を進めているサラリーマンにはなかなかのダメージがある。ノギスをちゃんと使うようになってから、この手のミスがなくなって大分無駄な時間(とお金)の使い方が軽減されたように感じている。そして、凡ミスが減ることで「ちゃんとメンテナンスをできているな」という自信にも繋がる。というわけで、地味だけど買ってよかった工具の一つになった。


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