Suhrのピックアップ(V63+)を安いギターと高いギターに載せてみる
今まで試してきたシングルコイルピックアップの中から、一つお気に入りのものを選ぶとしたら迷わずにSuhrのV63+を選びたいと思う。
V63+は、60年代にFender純正のピックアップマグネットを作っていた会社が当時と同じ調合・方法で製造したマグネットが使われているピックアップで、少し前まではSuhr MLという名前で販売されていたもので、多くのSuhrのギターに搭載されているほか、単体でも販売されている。同社から発売されているピックアップにはV63という似た名前のモデルもあるが、V63+はV63をオーバーワウンドさせたバージョンだ。
今手元には3本のストラトキャスタータイプのギターは、いずれもフロントピックアップにSuhr V63+を搭載している。同じストラトキャスタータイプでありながら、値段も木材も全然違う3本で唯一ピックアップだけが同機種という状況なので、どう音が違うのか録音してみた。
ギター1 - PlayTech ST250
値段(新品実売価格): 約1万円
木材: ホワイトウッド(ボディ) / メイプル(ネック)
指板: リッチライト
フレット: ニッケル
ギター2 - Fender American Performer Stratocaster
値段(新品実売価格): 約17万円
木材: アルダー(ボディ) / メイプル(ネック)
指板: メイプル
フレット: ニッケル
ギター3 - Suhr Classic S Antique
値段(新品実売価格): 約50万円
木材: アルダー(ボディ) / メイプル(ネック)
指板: ローズウッド
フレット: ステンレス
どのギターも弦とピックアップのポールピース感の距離は大体同じだが、改めて同じアンプのセッティングで弾いてみると音量には大分差があった。今回はギター本体側のボリュームで、大体同じような歪み方をするように入力レベルを調整して録音した。
同じような入力レベルになるように調整した状態でも、ダイナミクスやサステインは3本でかなりの差を感じた。そもそも生音の響き方が全然違うのだが、そのせいか同じように弾いても3本で強弱の出方が大分違う。そして改めて順番に弾いてみて、この強弱の出方がかなり弾きやすさに直結していることを実感した。もちろんこの音の強弱の出方に加えて、ギター本体(特にネック)の作りの良さも相まって、3本の弾きやすさには大きな違いがあった。
録音された音を先入観無しに素直に聴こうとすると、キャラクターを感じることはできてギターサウンドを構成する要素のうちピックアップが担う部分の大きさがわかる。同時に、上述の弾きやすさの影響が細部にはかなり如実に現れているのも感じる。当然ながら狙った通りの音が出るギターの方がミスや粗は減るし、余裕ができる分ビブラートやチョーキングのピッチなど他の部分にも注意を払うことができる。
というわけで、ピックアップがサウンドに与える影響はやはり大きかったが、ギター本体の響きや演奏性の高さが最終的なアウトプットには大きく影響するのだということを認識した結果になった。
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