4年前にネットで見た悲しい写真

ネットのニュースで見たこの写真。
これは東北地方のある都市で行われた、
地元の伝統芸能写真コンテストの応募写真である。

この写真に写っているのは中学生の女の子で、
写真を写したのは素人の写真愛好家、
被写体の少女とは面識がない。

写真が撮影されたのは今年(2016年)の8月15日、
お盆に行われた地元の行事でのこと。

実はこの少女は中学一年生で、
中学にあがった今年の4月から
学校でいじめを受けており、
8月25日に自殺している。

この写真を撮ったカメラマンは
そのような事情を知らず、
この写真をコンテストに応募。
この写真は最高賞を受賞した。

カメラマンが少女が所属する団体に
受賞の報告をしたところ、
少女がすでに亡くなっていることを知り、
コンテストの主催者にそのことを報告。
自殺した少女の写真が
最高賞を獲ることはふさわしくないと、
受賞は取り消された。

それに対して少女の遺族は
いじめの防止になればと少女の実名を公表した、
というニュースであった。

この女の子は舞台で踊りを踊っている時、
もう自殺を決意していたのだろうか、
そうでなくてもこの子の心は、
すでに悲しみや絶望に
支配されていたのではないだろうかと、
そう思って写真を見ると、
この笑顔が悲しくてたまらない。

それにしても、
なんというこの世に対する未練であろうか、
彼女の悲しい笑顔が、
撮影者の心や審査員の心を動かし、
この写真が撮影されてコンテストで受賞した。

しかし受賞は取り消され、
このことはネットニュースになり、
僕のところまで届いた。
少女の名前は葛西りまというそうである。