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競技クイズは最高のエンターテイメントである~abc dive~

来る2021年3月20日(土)『abc the 19th』が開催される。

参加者、クイズ経験者以外でabcを誰よりも楽しみにしている(と自負している)ただのオタクの記事になります。よろしければお付き合いください。


※再三ですが、クイズ経験も知識もないただのオタクが書いています。主観や憶測が殆どです。ご容赦ください。


abcとは

abc: 新世代による基本問題実力No.1決定戦
abcは2003年に始まった,大学4年生相当までの方を対象とする早押しクイズの大会です.
abc/EQIDEN 公式サイトより引用

クイズプレーヤー・伊沢拓司氏の著書『東大生クイズ王・伊沢拓司の軌跡Ⅰ~頂点を極めた思考法~』(2015)を読んだ際に『abc』の事を知った。
その時は「なんかすごい大会があるんだなぁ」というぼんやりした感想を抱いただけであった。

そんな私がabcの虜になったきっかけが2020年開催の『abc the 18th』だ。
コロナ渦で通年の3月→8月に延期したこの年は(コロナ禍の為なのか当初から決まっていたのかは分からないが)初めてライブ配信されることになり「暇だし覗いてみよう」くらいの軽い気持ちで見始めた。

昼13時半に始まり、終わったのは夜の20時。
"ながら見"するつもりがあまりに面白く、気付けば6時間半集中して観ていた。

興奮しきった私はとにかく『abc』のあれこれを調べ、過去の大会DVDが発売されていることを知り、その日時点で販売されていた全種類を購入。
翌月届いた過去10年分20枚のDVDを2週間かけて見終えた。どれも最高に面白かった。

『abc』の何がそんなにも面白かったのか、どうしてここまでハマったのか、自分自身よく理解していなかったことを改めて考えてみようと思う。


①演出がカッコいい

「クイズ」ときいて派手な印象を持つ人はあまりいないのではないかと思う。
文化系の部活、サークル、教室の片隅で細々クイズを読み合っている・・・(これは高校時代、クイ研隣の演劇部に数ヶ月入っていた私の勝手なイメージ)
しかし、『abc』は結構派手な演出が施される。

「ターンオーバー」と呼ばれる1st Roundの筆記クイズ(ペーパーと呼ばれる)上位48名を発表する場面。(この48名が2nd Round=早押しクイズに参加できる)
クラブ的な音楽が流れる中、プレートにスポットライトが当たり、名前が出た人は壇上に並ぶ。そして即早押しクイズが始まる。
初めて見た時は司会者の呼び込み方がまるでプロレス大会みたいだなと思った。それがクセになってしまうのである。(決勝出場者の紹介の際には二つ名が付くのも最高に楽しい)


②最高レベルの早押しクイズ

これは『東大王』や『頭脳王』、QuizKnockのYouTube動画を見ていて何度も体感している事ではあるが
「何でこんなことを知っているんだ!?」
「何でこの部分だけ聞いて分かるんだ!?」
というのが数時間延々と繰り広げられる。(私の印象で)7~8割の問題は問題文をすべて聞いたとしても知らない事であるが、それを訳の分からぬスピードで回答しているのを見ているのが楽しい。
バスケで言うと、相手のターンオーバーからの速攻→ダンクをずっと見ているような爽快感なのだ。


③3カウントのドラマ

一般にクイズ大会では問い読み者(問題を読む人)と正誤判定者(正解不正解のブザーを鳴らす人)が分かれている。
abcにおける早押しクイズのシンキングタイムは3カウントとなっている。
誰かのボタンが光った瞬間、正誤判定者が指を掲げて1、2、3とカウントを始め、この間に答えなければいけない。
即答する人もいれば、一度自分の中で反芻して答える人、時間ギリギリで思い出せる人、「すいません」と言って項垂れてしまう人・・・
この3カウントの間に生まれる様々なドラマに心揺さぶられる。


④「聞こえませんでした」「もう一度」

「聞こえませんでした」とは、回答者が早口であったり噛んでしまった場合に「(文字通り)聞こえませんでした」とコールされ、この際は同じ事をもう一度答えなければならないとされている。(私調べ)

「もう一度」とは、正解とも誤答とも判断できない回答をした際にコールされる。言い方を変えたり言い足しをすることで正解になる可能性がある為、回答者は慎重になる。(私調べ)
これで正解となれば思わずガッツポーズをしてしまうし、誤答となった場合の悔しさは通常時より増す。(観戦者=筆者の思考である)
この二つは実にスリリングな制度(?)であり"競技クイズ"のドキドキ感を煽る一因でもある。


⑤ルールの多様性

詳しくは公式サイトのルール説明を参照していただきたいが、3rd Roundの「Number 10」は4つの形式に分かれて早押しクイズが行われる。
これが全く異なるルールのため、「若干疲れてきたかも・・・(観てるだけなのに)」となりがちな時間に刺激を与えてくれる。
「Number 10」はテニスで言うところの「グランドスラム」だ。
異なる4つのコート=ルールで行われる試合を続けて一気に観ることができる、abcで一番贅沢な時間だと思う。
憶測にすぎないが、クイズプレイヤーごとに「どのコートが得意か」というのはあるのだろう。
芝の王者:フェデラー クレーの王者:ナダル といったように Swedish 10の王者 10○10×の王者 といった人は存在するのか、非常に気になるところである。


⑥ラストイヤー制度

abcは出場資格が「大学4年生(相当)まで」と決まっている。

以下のいずれか(両方ではありません)の条件を満たすこと。

・2021年3月1日時点で大学or専門学校連続在学4年以下であること。ただし、2021年4月1日以降に社会人となった方を除き、一度社会人になった経験を持つ場合、こちらの条件は満たさないものとします。
・2021年4月1日の時点で22歳以下であること。一度社会人になった経験があっても22歳以下であればこちらの条件を満たします。

abc the 19th 参加資格より引用(https://abc-dive.com/portal/index.php) 

参加できる最後の大会は俗に「ラストイヤー」と呼ばれる。
この制度、概念には甲子園に挑む高校3年生と同じ「儚さ」を感じる。「儚さ」だけでなく「熱意」も他のプレイヤーとはどこか違うように見える。
卒業シーズンの3月に行われることもあり、限られた青春時代をクイズに捧げてきた学生たちの集大成が見れる大会──それがabcなのだ。


おわりに

スポーツ観戦が趣味の私ですが、こんなにもドキドキする"競技"には初めて出会いました。
そしてこの言い方が正しいのかはわかりませんが「ここまでワクワクするエンターテイメントに久しぶりに出会った!」と思いました。
今年はコロナ渦での開催という事もあり、参加者の方も運営の方も例年以上に大変かと思われますが、無事に大会が執り行われることを一ファンとして願いつつ、当日を心から楽しみにしています。

まだ明日の配信チケット購入できます!公式さんのTwitter告知を紹介して締めたいと思います。

私はというと、バスケ贔屓チームの試合で現地に行っていて残念ながらリアルタイムでは観れないのですが・・・アーカイブが楽しみ・・・!
(スケジュール管理のできないオタクの自業自得 くそう!)

おわり


参考・引用
abc/EQIDEN公式サイト https://abc-dive.com/portal/
Wikipedia - abc(クイズ大会)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Abc_(%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%BA%E5%A4%A7%E4%BC%9A)
abc - クイズ辞典 - atwiki(アットウィキ) https://w.atwiki.jp/qqqnoq/pages/54.html
伊沢拓司,QUIZ JAPAN全書03 東大生クイズ王・伊沢拓司の軌跡 Ⅰ ~頂点を極めた思考法~,ほるぷ出版,2015

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