でも、あの子ったら、空飛ぶことしか覚えなかったんですよ/『ずっとやりたかったことを、やりなさい』ジュリア・キャメロン
なんだかんだ読了していない『ずっとやりたかったことを、やりなさい』(ジュリア・キャメロンのThe Artsit's Way)。世界的ロングセラーで、人の創造性を養うためのプログラムがぎっしり詰まっている。
有名なのはモーニング・ページ(=朝起きてノート5ページ分頭の中にあることを書き出す)。マッキンゼーで働いていた赤羽雄二さんの『0秒思考(Think Fast)』も、このモーニング・ページをカテゴリ分けする一つのパターンだと思っている。私はどちらも一定期間しか習慣化できなかったけど(えへへ)、やっている間はやっぱり脳みその調子ええような気がします。地に足ついたハイ状態になれるというか。
読了していないのには理由があって、各章の最後についている「課題」をまじめにやるとすごく時間がかかるから。テキトーに流してでも、ぜんぶやりきったほうがいいんだろうなと思いつつできない。まじめ系グズでございます。
そんな「課題」の中で好きな質問。『もし人生が5周あったら、どんな職業につきたいか』。私は以下の5つ。
・ミュージカル女優
・ターシャ・テューダーみたいなナチュラリスト
・ヨガ講師
・刺繍と編み物のクラフト作家
・僧侶
5つ挙げたら、今の人生に、一部でも取り入れられないか考える。けっこうできそう。ターシャみたいに山買いたいけどちょっといきなりは厳しいから毎日家で歌ったり踊ったりしながらたまに庭の木切って子どもが寝たら1時間だけ手芸やって寝る前にヨガして朝起きたら家内安全を願って神棚に手合わせよう。もう5周分じゃね?人生5周分の密度だよ。これは。であとはがんばって働いて山買えばいいんだ。なんてこった。できちゃう!たぶん!いける!
踊るように暮らしたい。歌うように暮らしたい。祈るように暮らしたい。手と体を働かせたい。「でもあの子ったら、空飛ぶことしか覚えなかったんですよ」は、『魔女の宅急便』の冒頭で、キキのお母さんがいうセリフ。技術がどんどん進歩して、世の中便利になって、私はその便利さのプールの中でたぷたぷ浮かんでいるけれど(快適です。Amazonのおかげでなんとか週末のキャンプの準備終わりそう)、おかげで、自分の手でできることが本当に少ない。
夫の母方の実家は山陰地方の田舎にある。田んぼの中にぽつんぽつんと家があって、裏手は山。神事のために来てくれた大夫さんは人がどんどん減るって嘆いていたけど、自分の手で仕事ができる人が、私の住んでいる横浜よりたくさんいる気がした。広い田んぼも畑も山も誰かがちゃんと手入れしている。人の手が作る美しい風景。私はコメの作り方も畑のやり方も牛の世話の仕方も知らない。
書くこと、読むこと、考えることは、私にとって空の飛び方だから、それしかできなくても、というよりそれしかできないから、大事にしたいと思う。だけど私はコキリさんが作ってた薬の作り方も知りたいと思う派の人間です。死ぬまでに自分の手と体にもっといろんなことを覚えさせたい。