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38歳、ぽんこつ処女道 ~出会い編③~

電話が苦手だ。
 

トリさんと会う前に、マッチングした二人の男性と電話で話したが、ものすごく疲弊した。
 
一人はいきなり名前を呼び捨て、一人はとにかく話が長い。
 
 
その点、トリさんは数か月やりとりをしても、一定の距離感を保ってくれ、
妙に馴れ馴れしくもしない。

むしろ、電話をしましょうとも会いましょうとも言わず、

延々と神社仏閣の話!! 


いや、好きとは書いたけれども!


 
しかしなんだかんだ、そこが処女である私には安心材料になったのかもしれない。
 

結局私の方が焦れて、そろそろ会ってみませんかと言い出し、

飲みに行く流れになった。
 

そして、初めて対面した時の感想は、、
 
 



 

「やべ、あんまりタイプじゃないかも…」
(超絶失礼!!)
 

 
 
とりあえず、この時点ではNOときめきだった。
  

でも話してみないと分からないし、気を取り直してお店を探すことに。


トリさんが、「よく行くお店があるので、そこでいいですか?」と提案してくれて、
 

わ~、どこだろう(ワクワク)と、ついて行った先は、


 

 

 塚田農場




いや、美味しいけども。


アラフォー男女が初めてのデートで行く店か。



とにかく塚田農場は普通に盛り上がったが、
 

やはり最後までときめきはない。

 
 
どうしよう、可もなく不可もなくだ。。
(失礼!)
 
 
 
帰り道、一緒に駅に向かいながら悩んでいると、
 
トリさんがプロフィール写真のワインについて触れてきた。
 
 

「そういえば、あのワインどうなったんですか?」


「全然、まだあのまんまです」

 
「俺が開けますよ」

 

えっ、急に断定口調で来た…!?


 
「ペンチ使えば、すぐ開けられると思いますよ」
 


これはアピールされているのか……?


一瞬身構えたが、私の方は全く恋愛モードじゃなかったので、

「ははは~」と笑って誤魔化して終わる。
  
 
 
 
 
その後、二回目も飲みに行ったものの、やはり私の気持ちは盛り上がらず。
 
違うんかなー、三回目はないかもと思っていたところで、

再びの帰り道のこと。
 
 
 
土曜日夜の大通りだから、飲み会帰りの人も多数。

気持ちも凪状態で早く帰りたいのも加わって

周囲の人々の速度に合わせて、足早に駅に向かっていると、
 
またトリさんが口を開いた。
 

 
「今日はありがとうございました」
 

「あ、いえ、こちらこそです」

 
「(人を避けながら)あのー……俺、翔子さんのこといいなーと思ってるんですが…」

 
(ん?んん?)

 
「良かったら、お付き合いとか…どうですか?」



 

ええーー!?

 
 
 
 
あまりに急だったのでびっくりしたが、
 
告白の返事とか以前に、それよりなにより私の感想は
 
 
 
 
 
 

うおぉーい、場所ーーー!!汗


 
 
 
だった。

 
 
周囲にめっちゃ人がいる中で、早歩きしながらの告白!
(しかも来る人を避けながら!!)
 
それまで楽し気に話をしていた、すぐ前を歩いていたお姉さん二人が
 
ピタリと会話をやめたのが分かった。
 
 
 

今??



 
なんなんだこの人……周りを気にしないのか?
(後にADHDと判明)
 

お姉さん達、私が何て返事するか、聞き耳立ててるよ(泣)
 
 

「はぁ、いや、どうですかね。まだ会って二回目ですし…」
 

「てゆーか、早歩きしながら言いましたね、ははは…」

 

「……」

 

(やばい、笑っちゃいけないとこだ…)


「うーん、まだよく……あ、駅着いた」


 
「……」


 
(まずい、返事を待っている。なぜもうちょっと落ち着いた場所で言ってくれない)
 

「すみません!正直まだ分かりません。後でちゃんとLINEします」

 
「分かりました…それじゃ、また」

 
「はいっ、また!」

逃げようとしたらSuicaが見当たらず、改札でモタモタする(爆)
 



こんな感じの告白劇だった。

 
 
恋愛経験の浅い私としては、告白して頂いて本当にありがたかったのだが、
 
甘酸っぱさは1ミリもなく、
 
展開の早さに驚愕し、ひたすら動揺した思い出となった。

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