見出し画像

そうせねばならぬなら

3年生の公立高校受験が終わった。
あとは合格発表を待つのみ。
緊張の日々はもう少し続く。

そして、3月から、塾ではひと足先に新学年の授業が始まる。つまり、2年生はこれから受験生としての1年を迎えることになる。

どんな気持ちだろう?
きっと、「嫌だなぁ」「できれば試験なんて受けたくないなぁ」「面倒臭いなぁ」と思っている人が大半だと思う。

私も学生時代そう思っていたので、その気持ちを否定はしない。

ただ、 “逃げてはいけない”。
もう少し言うと、“逃げられない”。

高校に進むためには、どうしても試験は避けられない。試験なしに地元の中学校にそのまま進学したみんなにとっては、これがここまでの人生のなかで一番大きな壁になる人も多いだろう。

夏までは部活がある人も多いだろうし、中にはクラブチームに所属して冬までずっと勉強と両立していく人もいるだろう。

辛い道のりが予想される。


さて、突然だが、私の中学時代の話をしよう。

陸上部で砲丸投げというなかなかマイナーな競技をやっていた私は、元々肩が強かったのと砲丸投げの競技人口が少なかったのもあり、10月開催の県大会の出場が決まっていた。

夏では引退せず、その10月の大会まで平日は毎日、土日もどちらか1日は練習があった。

当時塾にも通っていたが、もちろん他の同級生が授業を受ける時間にも部活の練習があったので、普段とは違う馴染みのない他校舎で1人、時間割を組み直して授業を受けていた。

平気なフリをしていたが、正直心細くてたまらなかった。

そして、自分のことを第一に考えるべき時期でも、頼まれると断れない性格を極めていたため(笑)2月の、本当に受験まであと少しというタイミングになって、卒業式の全体合唱の伴奏まで引き受けてしまった。


当然、秋までは部活の練習。少し勉強に集中できるようになったかと思えば伴奏の練習で、勉強時間は確保できず。

模試の結果を見ては落ち込んで、受験から逃げたくて逃げたくてたまらなかった。

でも、逃げなかった。
「第一志望は無理かなぁ、、」なんて苦言たくさん聞いた、けど、できることはやった。

その結果、志望校に進学でき、大学受験も就職活動も乗り越え、今こうしてみんなの前に立つことができている。


10年前に比べると、辛かったら逃げていいんだよ、の空気がより強くなってきている気がする。逃げやすい環境ができてしまっている。

でも、全部から逃げていたら、自分の中に何も残らない。
それで後から、どうせ自分には何もないんだ、って虚無感に苛まれたところで、受験だけはやり直せない。

少し言い方は悪いかもしれないが、“これはどうせ通らなければならない道”だ。

どうせ通らなければならないなら、そこを通らなければ先に進めないなら、

通るかどうかを悩んでいる時間がもったいない。

だから、うるさく聞こえるかもしれないけれど、それでもこの1年はみんなに言い聞かせる。



そうせねばならぬなら、覚悟を決めよ。

どうやってその道を通るのか。そしてその道の先に何を望むのか。

それを考えることに注力しなさい。後悔しないように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?