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ごりまる母さん【メラピークへ】を書き始める前に 

40歳。初めてのネパールへ

ネパールに初めて行ったのは2014年、エベレスト街道を歩いてエベレストベースキャンプとゴーキョーへのトレッキングでした。
家で留守番になる当時小学生だった3人の子供たちに3週間分の夕食を冷凍保存し、私にもしものことが起こった時のためにと子供たち一人ずつに手紙を書いたりと準備に準備を重ねて出発の日を迎えました。

トレッキング開始2日目(!)にしてまさかの怪我

あの日のことは未だに思い出すだけで胸苦しくなってきますが、これを良い機会と思って綴っていきたいと思います。
お付き合いくださいませ。
(ちょっと長くなりそうな予感なので、メラピーク登山だけを読みたい方はこの記事はスッ飛ばしてくださいね)
大きい岩がゴロゴロしている段差の多い道を歩いていると、左膝外側に張ってくるような痛みが、歩く度に膝の曲げ伸ばしができないほどの痛み。
帰国後、病院での診断で腸脛靭帯炎と判明。
トレッキングポールに体重をなるべくかけ、膝に負担がかからないよう手に脂汗をかきながらなんとかナムチェバザールへ到着。
もうこの時点で、痛みで一歩も前に進めない状態に。
「もうこれで終わったな。これ以上は無理だな...」と宿泊所に着いた時点で私自身わかっていました。
すると悲しさとやるせなさで涙がぽろぽろ溢れてきました。
ガイドのチュンジに事情を話し、カトマンズのエージェントである Mountain Legend 社長のアニールと電話で話し、翌朝のレスキューヘリでカトマンズの病院へ搬送されることになりました。
この時、お世話になったアニールとは今現在も連絡を取り合い、この数年後にいったManaslu Circuit trek や Everest Basecamp and Three High Passes のトレッキングでもお世話になりました。
こういうツイてない状況の中でも、素晴らしい人との出会いがあり、【闇の中にも光は見つかる】【物事には2面性がある】ということが身をもって実感できた出来事でした。

ん?!なして産婦人科病棟へ・・・?

ヘリコプターでカトマンズ空港へ。
そこには救急車が待ち構えてくれており、そのまま病院へ。
病院は予想以上に混雑しており、気兼ねしいの私は「私より緊急の患者さんを診てあげてください」と思っていると、口に出さずともそんな私の性格がわかっていたかのように、医師と会話できたのは病院到着から7時間後でした。
そのまま翌日の検査のため入院することになり、ストレッチャーで運ばれた病棟はなぜかお花の絵や虹の絵、風船が描かれたふんわりピンクを基調とした産婦人科病棟の一室。
「もしや妊婦に間違われたんか?いやなんぼ子供3人産んだといえなぁ…」と思う反面、コンクリート塗りっぱなしのような冷たい感じのする部屋よりもこの部屋のほうがあったかい感じで私の気持ちも少しだけ前向きになりました。

3日間の入院生活。

異国の地での入院生活。
知り合いもおらず、訪ねて来てくれる人といえば旅行保険の会社の担当の方だけ。心細かったのですが毎晩7時になると清掃を担当してくれているお姉さんが入ってき、私のベッドの端っこに腰掛けながら、「一緒にテレビ見よ。このドラマ、面白いんやで」とこんな感じでテレビのリモコンでお気に入りのドラマをつけて、「これはインド制作の番組なんよ」と説明してくれました。
内容的には若い男女が恋に落ち、しかし家族の反対もあって駆け落ちするしか私たちに残された道はないのよ。というような恋愛ものでした。
お姉さんとは言葉が通じなくても、会話をしなくてもまったく息苦しくならない、ほんわかした空気の中、2人でメロドラマを観るというたった3日間の出来事でしたが、いまだに私の中に強烈で素敵な思い出として焼き付いています。

膝の外側が炎症おこしてますなぁ

MRIの診断では膝周り、特に外側が炎症をおこしており、「これでは歩けんわな」と医師の診断がおりました。
もうこの頃には、塞いで落ち込んでいた気分も少しマシになっており、また帰って1から身体づくりを始めようと前向きになれる時間も多くなっていきました。
そして、2日後のエミレーツ航空便で帰途へ。

えっ?!もう帰って来たん?

と、何回言われたことでしょう。
3週間家を空けると告げていたので、当たり前の「えっ?!もう帰ってきたん?」です。
学校に子供たちを迎えに行くと、お母さん方からも言われ、隣近所のおばさま方たちも一様に驚きと半笑い(嫌味な感じではなく、ぷっと吹き出して笑う)そして、事の成り行きを何度となく説明するのも案外疲れるなぁと日々過ごしていました。
その後、リハビリとスポーツマッサージ、筋トレ方法を教わりながらゆっくりケガと付き合っていくことになりました。
それは今現在も変わっていません。
登山をしていてもスピードや休憩回数によって痛みが出ることもあるので、このケガや加齢とうまく付き合いながらやっていくしかないなと思っています。

初めてのネパールトレッキングでできた目標

今までは写真や本、インターネットで見ていたヒマラヤの風景を実際この目で見て、雪に輝く山々の美しさに圧倒されました。
あの山の頂上からの眺めはどうなっているんやろう。
いつか、歩くだけではなく、あの山に登ってみたい!と漠然と思うようになりました。

いつの日か実際に山頂に立てることを夢見て…

この日から実に8年の年月を経てメラピーク登山へ出発することになります。

この間、泊まり込みで北ウェールズ Snowdonia で1週間の雪山講習。
同施設で泊まり込みロッククライミングコース1週間。
インドアクライミング教室。

上記の経験を積みながら、2020年10月に出発することに。
ですが、皆さまもご存知のとおりコロナで2年間身動きできなくなり延期に。
なにごとも予定通りにいかない、そういう時の心の持ちようやモチベーションを保ち続けることがどれほで難しいことであるか、身に染みて勉強になりました。

この旅の続きをゆっくり綴っていこうと思います。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
もしよければメラピークへの旅。
もう少しお付き合いくださいませ。