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【スタートアップスタジオ事例インタビュー】FP相談を身近に!人生のマネタイズを変える | FIST PLATの事前診断システム

見通しの立たない未来をどう見据えるか。社会情勢の変化をどう予測するか。どんな自分の人生を生きて、どんな人生の未来を後世に残していきたいか。現代の私たちが考えるべきことは大きいと言えます。転職や複業など柔軟なキャリアを積み上げる、あるいは、積み上げ直すことも可能な時代。一方で、キャリア人生に限らないそれぞれの人生のライフステージは、昔も今も変わらずにそれに重なって存在しています。
未来の資産にどこか不安を覚えているものの、どこから着手すればいいのか分からない人は少なくないはずです。多様化する人生にそれぞれの選択肢が存在する今、人生にもマネタイズは必要です。

FIST PLATファウンダ―の福本 大悟氏は、FPへの相談の敷居を下げ、ユーザーの間口を広げるサービスを考案。​​現在、半年間で事業化を目指す「STARTUP STUDIO by Creww」のインキュベーションプログラムBatch3 に参加をし、事業を開発中です。FP相談が行われる前フェーズに提供される診断サービスとは一体どのようなものなのでしょうか?

FIST PLATは、ユーザーの課題を顕在化させた上で、適切なお金のアドバイスが届くようなマッチングシステムを今、社会に投げかけようとしています。

FP相談までをベストな状態で導くFIST PLATのサービスとは


ー早速ですが、FIST PLATのサービスの概要について教えていただけますか?

福本:現在のFIST PLATのサービスとしては、ユーザーさんとFPさんとのマッチングですが、今後は、ユーザーが自身の課題を知る「お金の診断」や、ユーザー自身のリテラシーを高めていく「お金の学習」といったサービスを考えています。
例えば老後に必要なお金や、社会人が知っておくべき一般的なお金の知識に関して、簡易的な診断テストをきっかけに、「自分にはこんな課題があるんだ」とか「将来これ位お金を貯めなければならないんだ」というユーザー自身も気づいていない課題を顕在化していく。その上で、FPさんに繋ぐことができるようなビジネスを今考えているところです。

ーなるほど。そこには何か福本さんの原体験があるのでしょうか?

福本:そうですね。僕は、本業ではデータサイエンスのコンサルティングをしているので、割と自分でお金の管理はしているんですね。例えば、資産運用に株や不動産をやってはいますが、それぞれの情報がバラバラで整理ができていない状況でした。そこって、絶対不便な所だと思うんです。ですから、一元的にデータを管理したいと感じていました。

FPの方に相談するときも「自分の中で何を相談したいか」というのが曖昧で決まっていないと、色んな情報を教えてはもらっても、あまり腑に落ちないですし、理解するのも難しいですよね。

ユーザーの課題を顕在化させ、情報を事前に整理してもらう。その上で、将来必要になるお金と今加入しているプランとを比べる。もしも現実と乖離しているようだったら、どういう軌道修正が必要かを見直す。今の時代、それができるようなサービスがあったらいいのではないか、というのが始まりでした。

他にはない、FIST PLATの価値とは


ーFPへの相談やお金の勉強といったものは、従来からあるサービスでもありますが、FIST PLATさんの他にない価値やポイントを改めて教えて下さい。

福本:そうですね。FPとのマッチングサービス自体は確かにいっぱいありますが、我々が新たに提供できる価値は2点あると思っています。

1つには、先程のお話通り、ユーザーがFPに相談する前のフェーズで診断テストを利用することによって、お金に関する個人の課題を事前に認知してもらえるという点です。既存のサービスでは、FPに相談して始めて提供できていたソリューションであったのに対し、その前段階の方へもアピールする新たな価値が提供できるのかなと思っています。

もう一つは、FPとの面談の質ですね。ユーザーさんの関心がどこにあるのか、知識レベルがどの位なのかを明らかにして、それをFPが事前に把握することで、面談の方向性を外さず、ユーザーとのミスマッチを防げるのではないかと思っています。

▼診断テスト結果画面イメージ

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STARTUP STUDIO by Creww での取り組み


ー福本さんは、留学中他の大学と合同で新規事業を作るプログラムに参加されたり、卒業後にはビジネススクールに通われたりといった経験がおありです。ゼロイチや新規事業に関するそもそものベースが感じられますが、STARTUP STUDIO by Crewwのプログラムに参加した理由というのは何だったのでしょうか?

福本:1つは、自身が勉強していた製薬会社関連だけでなく他の事業も考えてみたいと思ったこと、それから自身が30歳になるタイミングで、何かをやってみたいと思ったことです。あとは、1人で着々とやるのもいいのだけれど、関心を持ってくれるチームやアドバイスをくれる方とやってみたいと感じましたね。Crewwのプログラムは実績もあり、サポート体制が整っているので、本当に参加して良かったと思っています。

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ゼロイチで新規事業を立ち上げるまで


ープログラムを始めて半年、実際にどんなことに取り組んできたのか教えていただけますか?

福本:まずはチームメンバー集めですね。また、当時まだビジネスアイデアのコンセプトがフワッとしていたので、色々な業界の方とまずはディスカッションをしました。事業コンセプトを練るのに2か月間近くかかったかもしれません。
その後見えてきたコンセプトをベースに、ヒアリングとインタビューを実施しながら内容をブラッシュアップして、イメージが固まってきた所で、エンジニア探しをしました。

ー確かに、福本さんはユーザーに会う回数も着実に重ねているイメージでした。ここまで進めてきた中で、他にどんな所に大変さを感じましたか?

福本:そうですね…。プロダクト作りが一番大変でしたね。僕はエンジニアではないので、イメージはできても、実際にプロダクトを作る段階でのコミュニケーションが難しかったです。 苦戦した結果、「自分でやっちゃえ」と。自分でやってみると、エンジニアがどこで躓くのか、実際にプロダクトを作る上で何を言語化していけば良いのか、ミスコミュニケーションが起きるのはどこなのかイメージができたので、挑戦してみてよかったです。

ーご自身で勉強をして、自分がプレイヤーになって解決されていったのですね。そのような思考転換ができるのは素晴らしいと思いました。 他に難しかったことはどんなことがありますか?

福本:特にチームのモチベーション管理です。はじめは、アイデアを出し合いながらなので、メンバーも“面白いな”と感じてくれていると思いますが、コンセプトが固まってくると段々とタスクベースの仕事が増えるのでチームのモチベーション維持は難しいです。お金をもらっていれば別ですが、スタートアップスタジオはプロジェクトの立ち上げまでは全員プロボノ的な関わりで、事業化し、事業譲渡や法人設立して譲渡益が出た段階でチームメンバーに分配する仕組みですので、そこまでのスパンのモチベーションを維持するのが“大変だな”と思っていました。

ー 実際にチームマネジメントで気を付けていたところがあれば教えて下さい。

福本:全体での会議とは別に、個別にコミュニケーションを取るようにしていました。それから、これはCrewwさんに参加させていただいて一番良かった所でもあるのですが、毎月のピッチや、マイルストーンを目標にできる様に、「達成できた」「そろそろ“やばい”」などメンバーには意図的に情報を共有しました。

ーなるほど、ある意味戦略的にうちのプログラムを活用していただいたのですね。チーム管理は難しい点ではありますが、福本さんのチームは非常にうまくマネジメントされていた印象でした。
続いて、福本さんは自身で事業を立ち上げてみて、何か気持ちの変化や気付きはありましたか??

福本:プロダクトを作っているプロセスは、もちろん勉強にはなったのですが、ノーコードに関してはあまり上手に使いこなせなかったので、「もっと早いサイクルで箱だけのものを作って検証を回すなど、やり方は色々とあるのだな」というのは、やりながら学びました。どうせ初めのうちしか使わないのならば、エンジニアにコードを書いてもらいプロダクト開発をしようと考えていたのですが、色々と知っていく中で、やはりノーコードは思ったよりコスパがいいなと感じました。
初期は、本当に思っている以上にプロダクトを作り直す場面が多くありました。ノーコードだと数日で完成できるものもたくさんあるので、この辺りはもっと使いこなすことで検証サイクルを早くできたのではないかとメンバーとも話をしています。

ーありがとうございます。福本さんの仰る通り、初期はユーザーの声を元にサービスを作り直すことがほとんどですので、ノーコードを用いながらリーンに検証できるといいですね。

FIST PLATの今とこれから


ーそれでは、最後にFIST PLATさんの今とこれからについて、お話をお聞きしたいと思います。まず、FIST PLATの今のフェーズは??

福本:FPとのデータ連携や、どうマネタイズしていくのかという点では、基盤は出来てきたとは思っています。あとは、FP相談のきっかけを作れるようなコンテンツを充実させたい。例えば、「誰もが気軽に興味を持ってくれる様な診断書の作成」など、洗練されたものにしようとブラッシュアップしているところです。

ーFIST PLATのサービスをどのような方々に使ってほしいですか?

福本:漠然と「将来のお金は足りるのかな」と不安を持っているような方や、不安はあるもののまだ行動にうつせていない方というのは、FIST PLATのサービスの強みが生きると思います。
今はまだ能動的には着手していない人達に「簡単にシミュレーションしてみませんか」「スマホで1.2分で分かります」というようなきっかけを提供して、関心を持っていただく。そのことで「もうちょっと何かやってみようかな」と思えるような導線をしっかりと作ってあげることをミッションにしています。

ーでは、最後にFIST PLATさんの今後の展望を教えて下さい!

福本:現状は、「ユーザーの課題を顕在化させる」短期軸でのソリューション提供になっているので、今後は、「自身のファイナンス情報を継続的にプラットフォーム上に管理できる」形にしていきたいと考えています。
せっかくオンライン診断をしても、その場で終わってしまうのではもったいないので、FPのアドバイスをしっかりと残す。今は、結婚や出産に限らず、転職や複業など自分の状況に変化がある人は結構多いと思うんです。その時には、過去の情報を生かせることが大事なのではないかと思っています。

ーありがとうございます。人生100年時代、働き方も多様になった現代では、お金に漠然と不安を抱える人は非常に増えたと思います。私も周りの方におすすめしたいサービスです。これからのFIST PLATさんの展開を楽しみにしております!


▼インタビュイー情報

FIST PLAT:https://fistplat.web.app/
ファウンダー: 福本大悟
慶應大学薬学研究科、ビジネススクール卒業後、製薬企業向けのAI、データ分析コンサルティングに従事。自身の資産運用の経験やそこでのもどかしさから、本事業を立ち上げる。

▼インタビュアー情報

Creww株式会社 Talen Team Biz Dev. / STARTUP STUDIO運営
寺田 麗未 氏
https://twitter.com/remiterada







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