50代の女性がなぜキャリアで迷うのか？

日本には、男性は外で働き、女性は家事・育児をするという性別役割分担意識によって、社会を作ってきた歴史があります。その頃は働き手の男性に家庭のことをかえりみる時間が無いぐらい働いてもらい、家庭は女性がしっかりと守るという構図が効率的だったのだと思います。

そういう社会の中で、今既に60歳以上になっている女性達は、それほど幅広いキャリアの選択肢が無かったので、仕事を辞めたらそのまま家に引っ込むという人が多かったんじゃないかと思います。

しかし、今は世の中が変わってきていて、性別関係なく、皆が働きながら家庭のこともやっていくようにしようとなってきています。
そのため、女性達のキャリアの選択肢が増えてきたことで、
かえって悩むケースが増えているのではと思います。

実は男性の50代の方々にもキャリアの悩みはありますか？と訊いてみたのですが、
悩みの質が違っていました。
男性は、定年が上がった会社も多いので、
年齢の計画が変わったという人はいるようですが、
キャリアの悩みは、それほど以前と変わっていないようです。
・役職が無くなったことによって仕事のやりがいが無くなった
・それまでやっていた仕事がやれなくなり、自分の居場所が無くなった
・若い人の邪魔にならないような働き方に悩む

女性達の悩みは、上記の悩みもあるのですが、
・これからの人生をどう生きるか
・稼がないといけないわけではないが、自分を活かす場所が欲しい
・社会とのつながりは無くしたくない
というような声を聞きます。
役割というよりも、自分自身の価値とか自分を活かすというところに視点がある人が多いようです。

これには、大黒柱バイアスのような男性が稼ぐべきという意識も関係しているのかもしれません。
男性は50代と言えども、まだまだ家族を養うために簡単に自分の都合だけで仕事を辞められないという嘆きも聞きます。
そういう意味では、大黒柱の必要がないと思っているからこそ、
自由に自分の未来を考える女性が多いのなと思います。

もう少し性別役割分担意識が薄くなって、
誰もがワーク・ライフ・バランスを確保しながら
自分のキャリアを自分で選択できるようになってくれば、
50代の悩みの違いも無くなってくるのかもしれませんね。

今50代の方は、これからの女性のキャリアのロールモデルになっていくでしょう。
だからこそ、じっくり向き合って、ご自身にとって納得のいく選択ができたらなと思います。

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