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No.16 インターンを考える!地域に密着した環境 -群馬県桐生市-

■話し手

小田島さん
浅井さん
千葉さん

■聞き手
横山 達也(学生団体 CRENECTION)

 皆さんはインターン(インターンシップ)という言葉を聞いたことがあるだろうか?いやむしろ聞いたことのない人のほうが珍しいのかもしれない。インターン就業体験を通じて、仕事や企業、業界、社会への理解を深めることができる制度のこと。 数日間のものから1カ月以上にわたる長期のものまで実施期間はさまざまだが、社会に出る前にビジネスの現場を体感できる機会を学生に与える制度だ。そんなインターンは1997年に政府主導で推進が始まってから大学生の参加率も年々上昇を続けており、今は多くの人が知る制度である。今回は「地域に密着した環境でインターン」というテーマでインターンの関係で地域に飛び込んだ三人の大学生にお話を伺った。

今回取材を行った三人

ー主な活動ー 
さて今回取材した三人を紹介するとしよう。三人は群馬県桐生市の不動産会社にインターンをされた。まちづくりのブランド化を軸として、”学生”の視点で企画や広報をする活動など行い、若者向けに桐生の魅力やマチの事業者さんを知ってもらうツアーを企画し、地域の方を巻き込んで活動をした。
彼らのインターン先は古民家カフェも運営しており不動産業と同時に地域のハブとなる場作りにも力を入れていた。

※インターン先:株式会社アンカー様
  運営のカフェ:プラス+アンカー様

インターン先の古民家カフェの様子

1,奇跡!?集まった3人

 まずはじめにそれぞれの参加のきっかけや決め手をお聞きした。

◯・・・ 「インターンを職種や場所地域に限定せず、地域に飛び込み、自らの企画等を実行できる環境を軸に選びました。」そう話すのは小田島さん。インターン先を考える中でたどり着いたのがこの場所であったという。

◯・・・ 一方、千葉さんは大学の授業にきっかけをもっていた。「大学の授業に「地方創生」に関する授業がありました。参加した理由はそこで学んだことに対する自分の考えと実際の地方での’’ギャップ’’を知るためでした。」

◯・・・そして浅井さんは、地域で活動する思いを紡ぐ中で今回のインターンにたどりついたようだ。「コロナ禍で活動が頓挫するなかでも、地域に役に立つことをしたいという思いを持ち続けてきました。そして今回、古民家カフェの運営もしているこのインターン先に出会いました。」皆さんの中にはこのようにコロナ禍ならではの葛藤も経て自らの活動に向き合っている人も少なくないはずだ。

 なるほど、インターンに参加するまでの背景が異なっている。理由は人それぞれのようだ。ただ実はこの三人!今回訪れるまでこの群馬に縁もゆかりもなく訪れて初めて魅力を知ったという。ということでここからは”地域密着のインターン”とその”マチ”にはどのような魅力があるのかを探っていく。


2,地域密着したインターンの魅力

・インターン先と桐生市のマチの魅力


◯・・・魅力の答えは"人"と"環境"であると千葉さんは言う。活動しているなかで桐生に住む方々はそれぞれに情熱を感じたそうだ。「まちの皆さんはお互いの夢を応援しあっていました。この関係性が、お客様や新しい仲間を快く受け入れ、一緒に街を盛り上げる一員として迎えてくださった"環境”に繋がっている」ときっぱり。


・桐生のために


◯・・・地域活性に向き合う企業様ならでは特徴について聞くと、「桐生のために」という一つのキーワードをあげた。それを共通項として多様な立場の人が横の繋がりをもち、協力して地域を盛り上げるべく活動していることは特徴であるという。「学生でありながらそうした地域に根付いた企業の一戦力として活動できることは魅力ではないか。」そう小田島さんは力強く話す。


・地域の箱


◯・・・話を続けていると、もう一つの魅力を教えてくださった。キーワードは”地域の箱”。自分が足をうごかして頑張ったことが目に見えた結果や成果としてわかりやすくあらわれるというのだ。「東京の就活イベントやインターンなどは数が多くありふれていますが、”地域の箱”のなかで活動したことで得た成果は唯一無二の経験になる」と小田島さん。同じインターンでも特別なものであると強調する。


ーインターンの中で頑張ったこと

「桐生には魅力的な事業者様がたくさんいらっしゃる。その中で企画に協力してくださる事業者様一社一社声をかけることは特に頑張りました。」

小田島さんがこう話すようにインターンを通して、人はもちろん盛り上げる原動力となる地域の企業や店舗に魅力を感じる機会になるといえそうだ。

 ー地域で活動する中でよそ者の壁というのを聞くのですが壁を感じることはあったか?

 
「そのようなことはなかった。桐生の皆さんは、私たちの考えやこう行動したいという想いを大切にしてくださいました。だからこそ、皆さんの想いに応えたいという気持ちがより一層強くなったのだと思います。」と浅井さん。

 

3,インターンを終えて伝えたいもの

ーインターンを終えて

〜地域に対する見方が変化〜

◯・・・浅井さんはインターンを終えてとある変化があったという。「一番の変化は地域に対する見方が変わったことだと思います。」今回、地元ではない桐生の地域に密着する機会を得た。そのなかで地域について知ろう!貢献しよう!思いをもって活動したことで、自分がそれまで興味を持っていた地域や自分の地元に対してもより客観的な目で見れるようになったそう。

〜実際に課題を目で見なければわからなかったこと〜

◯・・・大学の講義がきっかけの千葉さんは自身の経験をこう話す。「私は実際に参加してみて、地方が抱えている現状、課題を目で見て、地域の人に話を聞いて、その課題の大きさを実感しました。地方創生は、私たちが企画したツアーのようなソフト面から街づくりや開発のようなハード面まで、さまざまあります。しかし実際に自分の身をもって行動することで同じ街について、同じ情熱を持った方々と出会い、考え、行動するという経験は私にとってとても貴重なものでした。」

ー地域の内側にも目を向けること

 最後にずばり自分達の成果として印象に残ってるものを聞いた。

◯・・・「インターンでお世話になった桐生の企業様や自治体の方を交えた交流会を行ったのですが、『桐生の外に向ける事も大切だが、桐生に住んでる人がもっと内に目を向ける事が必要だと気づいた。』とお話いただきました。実は桐生に住んでる人にも地域について発信したいと思っていたそうで、改めてきっかけになれたのはとても嬉しく思いました。」と浅井さん。

報告会には企業や行政の方、多くの関係者が集まった

ー地域の活動に一歩踏み込むコツ


◯・・・「地域に飛び込む」=「思いの大きさ次第」だと考えています。もちろん行動に移すか移さないか大事ですが、その思いの大きさが行動にかわるものだと考えます。そして今回この機会がなければ出会うことのなかった人たちと関わりを持てました。こうした機会を自分の手で掴むことで新たな出会いが自分の生き方や将来を考えるきっかけにもなるはずです。
迷ってるだけだと何事も起きない。実際にやってみて、やりながら修正すれば大丈夫です。ぜひ失敗を怖がらずに行動してみて!!!

今後の抱負

ー最後に今後に向けて一言お願いしますー

自分たちはきっかけを作ったにすぎないです。私達のように桐生をふるさとのようにおもう人が増えてほしいし、地域できっかけを作った自覚のもとに今後も見守って行きます。

ー取材を終えて(取材後記)

 取材にご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。改めまして、学生団体CRENECTIONの横山です。今回は地元ではない場所で地域に携わる環境の中で活動する三人を取り上げさせていただきました。実際に取材してみて三人が口を揃えて「桐生が第二の故郷になった」と嬉しそうに話していたことが印象的でした。そして私自身、この取材を通してより広い視野でインターンの環境を探したいと感じました。私は今回取材させていただいたインターンを地域に学生が参加する手段の一つとして考えています。その点でもより広い視野でインターンという環境を考え、学生の地域との関わり方をこれからも考え続けていきたいです。
また、記事に関する感想・ご意見等いただけますと励みになります。今後も「ともに!地域の活動の視点を広げる」を目標とし、地域で活動する団体や個人の方々の青春の1ページを伝えていくよう目指して参ります。
次号は10月。次号もぜひお楽しみに!!!


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