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No.27 空き家プロパティーズ -空き家に真の価値を与えるために-

〇はじめに

 CRENECTIONの小池です。今回は、首都圏まちづくり若者サミットで登壇していただきました、『空き家プロパティーズ』を取材させていただきました。
 『空き家プロパティーズ』は、「一つでも多くの不動産に付加価値を」というビジョンのもと、東京を拠点にして2022年より利活用出来る空き家の改修と運用を一貫して行っている団体です。現在は、大学1年生~の約10名のメンバーが所属しています。第1号物件となる北軽井沢プライベートコテージの改修から運用まで実施し、10月から民泊として運用しています。また、新たなプロジェクトとして、那須高原に第2号物件の購入を予定しています。

【話し手】
松野友春さん(空き家プロパティーズ)
高橋京之介さん(空き家プロパティーズ)

【聞き手】
小池佑季(CRENECTION)
山内翼(CRENECTION)
吉田光香(CRENECTION)


〇活動を始めたきっかけ・理由

 代表の松野さんに活動を始めたきっかけや理由についてお聞きしました。 松野さんが大学3年次に「何か事業を創りたい」と考え休学した際、長期インターンなどを通じて習得したビジネススキルと建築学科で得た知識を掛け合わせたら何かできるのではないかと考えたことがきっかけでした。大学の授業で話題に挙がることが多かった空き家問題に着目し、『空き家プロパティーズ』の前身の『空き家再生プロジェクト』を設立したそうです。

〇活動を通して感じたこと

 空き家問題という社会課題を対象に活動されてきてどのようなことを感じられてきたのでしょうか?そこで、活動を通して感じたことについて松野さんと高橋さんにお聞きしました。

松野さんは、「実際に動いてみる重要性」を感じたそうです。具体的には、どこに空き家がどれくらい存在するのか、そして、一つ一つの物件の状態に向き合いどのように空き家を活用するべきなのかといった空き家の実情について実際に行動して初めて深く理解できると話していました。

高橋さんは、「理想と現実のギャップ」を感じたそうです。全ての物件を活用したいという、理想と収益が取れる物件に改装する必要があるという現実の乖離が存在し、全ての空き家を活用する難しさに気付かれたそうです。

 お二人の言葉から、空き家問題などの社会課題は、実際に課題解決のために動きださなければ理解できない、課題の実態や解決の困難さが存在することを痛感しました。

〇社会人レベルの成果物

 取材を通して企業の方とお話しているような感覚を得て、同じ大学生とは思えない話の分かりやすさに圧倒されておりました。なぜお二人はここまで大人びているのでしょうか。

 お二人とも活動の中では、「社会人レベルの成果」を出す必要があるとおっしゃられていました。社会に対して真の価値を与えるためにはお金や人が恒久的に回る物件を作る必要があり、学生レベル以上の成果を出すことを意識していました。一方、活動の過程では、楽しむことを忘れない学生らしさも意識しているそうです。
 実際に第1号物件では、投資家コミュニティの中にいる物件の購入希望者やリフォーム業者などといった社会人と協力や交渉を行い、物件を改装するという取り組みを行ったそうです。第2号物件でもこれらの進め方を踏襲しつつ、より地域に合わせられた改修を行いたいとおっしゃられていました。

 学生ながらも社会人に匹敵するレベルのビジネススキルなどを習得できる点がとても魅力的な団体だと感じました。

〇活動に対する想い

 次に、活動に対しての想いをお二人にお聞きしました。

松野さんは、「実際に活動してみて、空き家の実情を理解し、空き家問題を解消していきたいという想いがより強くなった」と答えてくれました。さらに、プロジェクト自体は1つの「人材育成」としての価値があると話していました。具体的には、空き家を使って0から事業を創るというようなプロジェクト自体がビジネスの縮図のようなものになっているそうです。

高橋さんは、「プロジェクト自体が空き家問題を解決する重要な一歩ではあるが、それ以上に関わってくれたメンバー1人1人が今後どのようなキャリアを歩みたいのかを意識して活動していくことが大切だ」と話していました。そのため、メンバー1人1人に対して、プロジェクトのメンバーとして手や足を動かすだけでなく、マーケティングに関わりたい人には企画に携わってもらい、ウェブデザインを勉強中の人には団体のウェブサイトを作りに携わってもらうなど各々のやりたいことに合わせて活動の方向性を変えたり、関わり方を変えたりすることを意識しているそうです。

 また、お二人とも「属人化しない組織」を作りたいと話していました。松野さんや高橋さんなどがいなければ空き家を改修できない団体ではなく、メンバー全員で空き家改装のノウハウを共有し、1人であっても第一号物件と同等以上の活動ができる団体を作っていきたいと考えているそうです。
 取材を通して初めて、「人材育成」や「属人化しない組織」などという人的資本に対して力を入れられている団体であることを理解できました。特定の人だけでなく、団体全体として個々人が成長を遂げられている雰囲気がとても素敵だと感じました。

〇今後のビジョン

 現在、第1号物件の運用を開始し、第2号物件のプロジェクトの企画段階にある『空き家プロパティーズ』なのですが、今後はどのような方針で活動したいと思われているのでしょうか?そこで、お二人に今後のビジョンについてお聞きしました。

松野さんは、長期的には「空き家問題の解決に貢献できる人を増やす」というビジョン、短期的には「メンバーを増やしてより大規模な活動を行っていきたい」と話していました。

高橋さんは、「空き家プロパティーズの活動がより長く続けられるようにしたい」と話していました。そのため、やりたいことを探している学生や社会課題を解決したいという意欲がある学生、そして多くの年代層の方に対し空き家を改装して運用するという手段があるという認知を広めていきたいと話していました。

 また、今後は行政や企業と連携を取りながら、人口減少や少子高齢化などといった地域の課題に合わせた解決も行っていきたいと話していました。

〇ReVAと首都圏まちづくり若者サミットについて

 『空き家プロパティーズ』はCRENECTIONが運営しているReVAに加入しており、さらに、CRENECTIONが主催する首都圏まちづくり若者サミットに登壇していただきました。どのような理由から加入・登壇していただけたのかについて伺いました。

松野さんは「他の団体と関わってみたい」と思ったことがきっかけと話していました。具体的には、他団体との交流や知識の共有を通して自分たちの視野を広げてみたいという考えと、自分たちの知識を他団体に共有することで何かしらのコラボレーションが生まれるのではないかと考えていました。

松野さんは、首都圏まちづくり若者サミットでは、地域の方や社会で活躍されている方々に対して自分たちの活動を報告してみてどのような意見を受けられるのかを知ってみたいと話していました。

 私自身も今回の取材を通して他団体の方の考え方やビジョンをお聞きすることにより、新たな価値観に多々触れることができ、私個人としても団体としても得られるものが多い経験になったと感じました。

ReVAとは?

地域活性アライアンスReVA(リーヴァ)は、地域活性に取り組む団体の連合体です。定期的な交流イベントや相談会、年に一度加盟団体が一堂に会するサミットなど、地域活性団体の支援に特化したコンテンツを提供しています。

興味を持たれた方は以下のURLをご覧ください。
ReVA | CRENECTION

首都圏まちづくり若者サミットとは?

「若者×まちづくり」というテーマで、若者がまちづくりする上で大切にしていること、国のまちづくり計画と若者の活動での共通性や課題点は何かを考えるサミットです。また、まちづくりに関心あるもの同士で交流できる時間もあり、まちづくりや地域活性化について学ぶ空間を作り、持続的な人とのつながりを深められます。

イベントの詳細はこちら
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〇最後に

 今回取材させていただき、『空き家プロパティーズ』とは、空き家問題という社会課題を解決することだけでなく、加入者1人1人が自分の興味・関心を追求し、成長していくことができる団体であることが印象的でした。また、今回取材に応じていただいた松野さんと高橋さんの社会人レベルの価値を社会に与えようと志高く活動されている姿に、学ばせていただくことが沢山ありました。今回は、ご対応いただき誠にありがとうございました!

今後とも『空き家プロパティーズ』にご注目ください!

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北軽井沢プライベートコテージについて興味のある方はこちらをご覧ください。https://www.airbnb.jp/rooms/931645936155185353?check_in=2023-10-03&check_out=2023-10-04&guests=1&adults=4&s=67&unique_share_id=71249eeb-2301-45df-aed6-59639335d2d8&source_impression_id=p3_1701786178_BHjosldGuJ9YrRY1

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