ピアソラに一歩近づいた1年以上ぶりの定期公演「Astor Piazzolla」&「THE LIVE IS NOT DEAD」
いつも応援して下さる皆さまのおかげで、無事第9・8回定期公演を終演することが出来ました。
本当にありがとうございました。結局券売は昼夜合わせて500越え。来場者数も400弱。コロナ禍ではありがたすぎる動員数となりました。大入り袋を出させていただきました。(もらった人おられますか!?)
今回の記事では、メンバーそれぞれの目線での演奏会ルポをお届けいたします。ぜひ読んでみてくださいね。
リハから第9回の開演まで(筆者ぴかりん)
第9回、お昼の部は、実はリハの時点でもうドキドキしすぎて半分貧血みたいになり、ふらっふらでした。
メイクさんにメイクをされている間ずっと寝て、みーことゆきにチョコレートを10粒、コーヒーを2杯、QPコーワゴールドを1本与えられ、お弁当のご飯の部分だけ食べて一応復活。
ほかのメンバーも緊張の面持ちでした。どんどん(いつもより)綺麗になっていく自分たちとは裏腹に、いつも以上の緊張オバケに覆いかぶさられているような気分でした。
開演10分前になり、舞台下手にスタンバイ。いつもは「よろしくお願いします」ぐらいのメンバー同士のあいさつなのですが、今回はなんだか熱くなっちゃって、「お客さまにがっつり届けよう。成功もミスも、全部全部お客さまに届けたいって強く思おう。」と柄にもなくクサい言葉を言ってしまいました。
そして、みーこには「何があっても合わせる。何があってもいいから、思いっきり吹いてくれ」とバシバシっと肩をたたきました。あんまりこんなにクサいことを言ったので、メンバーの反応が気になったのですが、みんな舞台の上に乗りマイクの前にスタンバイした時に、片手をあげてエア「ファイトーっオーッ」をみーこの先導でやってくれました。たまにはこういうクサいのも悪くないなと思っちゃいました。
第9回の冒頭、第8回の冒頭の音は実はそれぞれわたしがスマホ片手に収音した音だったんです。
第9回は、コンサートホール前でのチラシ配布のときに、阪急梅田から北新地までの地下ルートの音。
第8回は、逆瀬川のレインボースタジオにオープンジャムの仕事で行くときに、雨が降っていたので、これも録ってみようと同じくスマホ片手に収録した、逆瀬川駅からレインボースタジオまでの道のりの音でした。
色んな話し声や雑音が入っていたと思います。その中でわたしたちの音が回っていたんですよね!?当たり前のことなんですが、わたしたちは一生この世紀の音響実験の結果を聴くことはできません。一体どうなってるんやろう…!?
わたしたちはどうしていたかと言うと。ずっと四本のマイクのまわりをぐるぐる回っていました。時に止まり、時に離れ、おのおの4つの円で動いていました。(この話をMCでするのをすっかりと忘れていました。)
楽屋の様子はこんな感じ。メイクはチーフの山田美香さん、ヘアはアシスタントの岸さんにお願いしました。
わたくしぴかりんは乾燥肌、しかも業務多数あったため、パックをしながら(犬神家の一族のすけきよみたいな感じで)ホールをうろうろしていました。
わたしは自分で塗れないマニキュアを(不器用なため)塗ってもらったのに、座席の立ち入り禁止ロープを張るためにために結局マニキュアを剥げさせました。森脇だけちゃくちゃくと仕上がっていっています。
本番直前。人生最後の写真になるかもしれなかったのでいい顔してみました。五人全員(かじくんも奥にいます)緊張しています。
(文責ぴかりん)
第9回「THE LIVE IS NOT DEAD」(筆者あやめちゃん)
第8回・第9回の定期公演にお越しくださった皆様、本っ当にありがとうございました。
今回は楽器の話ではなく、演奏会の裏側?を私からの視点でお伝えしたいと思います。私の担当はお昼の部(第9回)です。
いつもなら時間通りに終わるリハーサルも演出の関係で珍しく押し、本番まであと1時間半…。私はこの日ずっとカウントダウンしてました。頭の中で、今まで教えてもらった師匠からの気休めの言葉とバテた時の対処法を反芻してました。あまりこんなことはしないけど、確実にいつもとは違う緊張感が私の中にありました。
あと30分。もう舞台袖。
舞台袖でのぴかりんの「前を向いて、目線は上に。お客様に成功も失敗も届けよう」という言葉。正直珍しいなって思いました。あまり私たちは本番前にこういう言葉をかけないし結構その辺はドライな感じです。うまく言えませんが、ぴかりんのこの本番にかける思いをめちゃめちゃ感じました。上手くやろうと思いすぎてた私にとっては、ありのままの演奏を届けようという言葉に少し心に余裕が生まれました。
そして本ベルが鳴り、もう逃げたくても逃げられません(笑)1年以上ぶりの定期公演はやはり重さが違います。
そして今回の1曲目は、緞帳中なのでお客様の反応が全くわからず、ただひたすらマイクの周りを歩き回っていました。緞帳が上がってお客様の姿が見えた時、やっとこの舞台に立てた…と実感しました。と同時に、演奏しながら歩くという慣れないことをしたせいか、私の足は攣っていました。(笑)(この後1日中足が攣ることになるのですが、夜の部は水分と塩分補給でなんとか復活。)
演奏は始まってしまえば、緊張はさほどありません。演奏中はとにかく前を向いてお客様の顔を見てました。その方がなんとなく緊張がほぐれるんですよね。
休憩は早着替えで、バッタバタです。メイクさんともずっとシュミレーションしていた為、早着替えはスムーズでした!
2部演奏も怒涛のジャズを演奏し、昼の部のメインであるカモーラ。後から、音響の方が「カモーラ感動した」と言って頂きすんごい嬉しかったです。
そして終演後のあのハプニング。
私はぴかりんのマイクを抜いて自分のマイクを抜く流れになっていました。私はマイクが後ろの方に回ってしまって引っかかってしまって、完全に置いて行かれました。自分のマイクが抜けたらみんな待たずにはけるというルールになってたのですが、みんなの去って行く背中がすごく冷たく感じました…。舞台袖からめちゃメンバーに笑われてました。あれは演出ではなく事故です!!(夜の公演も心なしかみんな舞台去るのが早かった…)
なんとか昼の部が終わったら舞台袖でみんなヒールを脱ぎ散らかして、私とみーこは放心状態。(笑)
今回は、何度も一緒に本番を重ねているのに、友達でもなく同僚って感じでもなく、なんだかとても「仲間」というもの感じました。友達も同僚もなんとなく間違ってはないんだけど、「仲間」という言葉がしっくりくるんです。歳も違うし学校も違ったのに、何かの縁でこうやってずっと演奏会を共にするっていいなと思いました。珍しくこんなこと思うのもコロナで延期になって久しぶりの演奏会だったからということにしておきます!
(文責あやめ)
休憩から第8回へ(筆者みーこ)
1年以上ぶりの定期公演が無事に終了致しました。コロナ禍の中、第9.8回定期公演にお越しいただき本当にありがとうございました。
前回のあやめちゃんに続き今回は私みーこが昼の部が終わってからと夜の部の1部までの裏側をお話します。
バンマスぴかりんから舞台袖でもらった言葉でストンと力が抜けて緊張はしてましたがあっという間に昼の部が終わりました。
でも、舞台を降りて楽屋に帰った瞬間にこれから第8回定期公演がまだあるとは思えないほどの疲労感でぐったりしてしまいました。まさに放心状態とはこのこと。皆にも顔が疲れすぎているとか魂が抜けてるとか色々言われて夜の部まで約2時間、次のステージに向けてコンディションを整えるためどうやって過ごすのが最善なのか、とても悩みました。でもとりあえず、一回寝る!!この作戦で行くことにして昼ごはんも食べてなかったのですが誰もいない部屋でボーッとしてました。
そして夜公演の一部は黒留袖の衣装。着付けをしてもらうために復活!してとりあえずお弁当を半分とチョコレートとコーヒーを飲んで元気になりました。
私はメンバーの中で一番身長が低いので留袖の丈をかなり上げてもらわなくてはいけなくて着付けをしてもらうのが大変でした。実は本番までに一度着付けの練習をしてもらっていたのですが、その時より紐をギュッとしてもらっていたのでなかなかの締め付けられ感、そして完成して歩いてみると着物の重量なのか昼の部の疲労がまだ取れてなかったのかわかりませんが身体が重すぎてびっくりしました。
最後に最終のヘアメイクをしてもらってるとき、私は生花のダリアを2つも髪飾りに付けてもらって鏡を見たらなんだか自分が自分じゃないみたいで嬉しくてとても元気が出てきました。単純やなと思いましたが、とりあえずこれでいける!と心の中で再スタートしてました。
そして夜の部の開演、昼の部と同様に暗闇でのスタートでした。昼の部もやったからと思って夜の部の開演前にもメンバーみんなでエア「エイエイッオー!」をしてから臨みました。
ただ昼の部と違うのはみんなの衣装が黒留袖。マイクの周りをぐるぐる歩いて演奏するのにも歩幅が小さい小さい。ぶつからないように、転けないように一生懸命に回ってました。客席ではどのように聴こえていたのか、、、すごく気になります。
そして曲も終盤になり緞帳が上がって照明がパッ!と付いた時のお客様の反応が印象的でした。クラシックの演奏会でこんな演出、衣装はきっと他には無いですよね。
夜の部の1部はそれぞれのソロ曲、タンゴの歴史全曲を演奏しました。ライトが全面に当たって眩しかったのですが、今回の演奏会が始まるときの「前を向いて、お客様に全部届ける演奏をする」を忘れずに出来たかなと思います。お客様も全曲MCもなく聴くのは大変だったと思いますがとても真剣な表情で聴いてくださっていたのが印象に残っています。
ここから先はフルートゆきに引き継ぎます!
クレモナ史上初の同日2公演。大変だったと言えばそれまでですが、クレモナに関わってくださるスタッフの皆様や応援してくださるお客様に本当に恵まれていてこんな環境で演奏が出来るのってほんとに幸せだなと感じました。これからももっともっと頑張っていきます。ありがとうございました。
(文責みーこ)
第8回定期公演「Astor Piazzolla」(筆者ゆき)
第8.9回定期公演、無事終了いたしました。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました!この状況の中でも私たちの演奏を聴いていただけること、胸がいっぱいになりました。
もう1ヶ月前のことのように感じていますが、まだ2週間も経っていないのですね。
メンバーが各部の振り返りをしています。私は、第8回の部のことを振り返りたいと思います。
第8回定期公演の1部は、着物の衣装から始まりました。理事長の小南さんの話から始まり、その話を舞台聞いていたメンバーは思わずギョっとなりました。。着物の衣装ということは、お客さまにサプライズの予定だったのですが、、(笑)しかし、そのおかげで少し緊張が和らぎました。
ぴかりんのMCでは、3月6日の定期公演ができなくなった日のこと、色々と思い出しながら、皆さまのおかげでこの日を迎えることができたことへの感謝でいっぱいになりながらも、次の曲がタンゴの歴史の私のソロの曲だったので、内心ドキドキもしていました。みーこのソロ、あやめちゃんのソロ、ぴかりんのソロ、スポットに当たってるメンバーを近くで見ているのはいつもと違う感覚に感じましたが、一段とキラキラして見えました。
1部が無事終わり、休憩ではなく私たちは、2部のステージの衣装への早着替えです!!私たちにとって着物からのこの早着替えが勝負だったのですが、私は着付けをしてくださった小俣さんに高速で脱がしてもらい、一瞬で着替えることができました。
2部は、チラシの写真の衣装でのステージです!
メンバー全員、気力で挑みました。ブエノスアイレスの四季4曲が終わり、肩の力が少し抜けました。アディオス・ノニーノのフルートのソロでは、少したっぷりめに演奏して、みんなが一呼吸おけたら良いなとか、色々と考えながら、最後の音が客席に残り2部のプログラムが終わりました。終わったあとの拍手がとてもあたたかく、涙が出そうでした。
アンコールも頂戴し、ワルツ・フォー・デビーの最後はなぜか舞台に1人残されて、ソロを吹くという、、スポットライトが当たると客席のお客さまも見えないし、メンバーもいないし孤独を味わいました。アンコール2曲目のオブリビオンが終わり、幕が降り全プログラムが終了しました。メンバー全員しばらく立ち上がれないほどでした。
この状況の中、お客さまに聴いていただけること、応援していただけること、皆さまのおかげで活動もでき開催することができました。本当にありがとうございました。来年は、ピアソラ生誕100周年です!皆さまに喜んでいただけるよう頑張りますので、次回の定期公演3月17日も是非よろしくお願いいたします!!
(文責ゆき)
いかがだったでしょうか。演奏会にお越しいただいた方も、そうでない方にも、ライブ感が伝われば…さいわいです。
この演奏会についてお話ししたバンドマスターぴかりんののポッドキャストはこちらからお聴きください。