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司法試験過去問解答例

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【司法試験 論文試験】規範に理由付けは必要か?

【司法試験 論文試験】規範に理由付けは必要か?

論文試験の勉強をしていると【規範に理由付けは必要か?】について疑問に思うことはないでしょうか。
この記事ではその疑問に回答します。

1 結論規範に理由付けは【必要】です。

2 理由付け不要の根拠規範に理由付けは不要、という意見は、おそらく新司法試験が始まってから、新司法試験の合格者や新司法試験対策の予備校が発信し始めたのではないかと思います。
新司法試験以前からも理由付けは不要という意見はあっ

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R2司法試験 民事訴訟法

設問1
第1 課題1
 Y2の主張が認められるためには、民事訴訟法(以下省略)135条の要件をみたす必要がある。
 1 規範
 将来給付請求を広く認めると、顕在化していない紛争の審理を求めることになること、被告が将来的に防御をするには請求異議の訴えを提起しなければならないことという弊害がある。そこで「あらかじめその請求をする必要がある」かは、将来権利が発生することが確実であり、かつ現時点でこの請求

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R2司法試験 商法

設問1
第1 新株発行無効の訴え
 Bは、本件決議1ないし2には後述する決議取消事由があることを理由に、既に効力が生じている本件株式発行の無効の訴え(会社法(以下省略)828条1項2号)を提起する。
 本件株式発行の効力は令和2年4月10日に生じているため「1年以内」(同号かっこ書)であり、また、Bは甲社株式を2万9000株保有する「株主」(同条2項2号)である。
 さらに、株主総会決議の取消事由

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R2司法試験 憲法

第1 規制①について
 規制①は、乗合バス事業者に対し、高速路線バスの運行のみを行うことを禁止するものである。これは、乗合バス事業者の職業遂行の自由を侵害し違憲ではないか。
 1 職業遂行の自由
 憲法(以下省略)22条1項は、職業選択の自由を保障している。これは、職業選択により収益を得て自立した生活をすることを保障するものであるが、職業を選択してもその遂行まで保障されなければ収益を得ることはでき

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R1司法試験 民事訴訟法

設問1
第1 課題(1)
 1 Yの解釈
 本件定めは「本件契約に関する一切の紛争は、B地方裁判所を・・・管轄・・・とする」と記載されており、管轄裁判所をB地方裁判所に絞る一方で他の裁判所を管轄にできるとは書かれていない。そのため、B地方裁判所に専属的合意管轄があり、A地方裁判所は管轄裁判所から排除されるとYは解釈している。
 2 別の解釈
 本件定めはたしかにB地方裁判所のみを管轄裁判所にするよ

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