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【司法試験 論文試験】規範に理由付けは必要か?
論文試験の勉強をしていると【規範に理由付けは必要か?】について疑問に思うことはないでしょうか。
この記事ではその疑問に回答します。
1 結論規範に理由付けは【必要】です。
2 理由付け不要の根拠規範に理由付けは不要、という意見は、おそらく新司法試験が始まってから、新司法試験の合格者や新司法試験対策の予備校が発信し始めたのではないかと思います。
新司法試験以前からも理由付けは不要という意見はあっ
R2司法試験 民事訴訟法
設問1
第1 課題1
Y2の主張が認められるためには、民事訴訟法(以下省略)135条の要件をみたす必要がある。
1 規範
将来給付請求を広く認めると、顕在化していない紛争の審理を求めることになること、被告が将来的に防御をするには請求異議の訴えを提起しなければならないことという弊害がある。そこで「あらかじめその請求をする必要がある」かは、将来権利が発生することが確実であり、かつ現時点でこの請求
R1司法試験 民事訴訟法
設問1
第1 課題(1)
1 Yの解釈
本件定めは「本件契約に関する一切の紛争は、B地方裁判所を・・・管轄・・・とする」と記載されており、管轄裁判所をB地方裁判所に絞る一方で他の裁判所を管轄にできるとは書かれていない。そのため、B地方裁判所に専属的合意管轄があり、A地方裁判所は管轄裁判所から排除されるとYは解釈している。
2 別の解釈
本件定めはたしかにB地方裁判所のみを管轄裁判所にするよ
R1司法試験 刑事訴訟法
設問1
第1 小問1
1 逮捕
甲は、本件業務上横領の被疑事実で逮捕されているが、実質的には本件強盗致死の被疑事実で逮捕されているとして違法とならないか。
(1)規範
裁判官は、逮捕状請求書に記載された被疑事実について逮捕要件をみたすか判断し逮捕状を発する(刑事訴訟法(以下略)199条2項)ため、当該被疑事実について逮捕要件(同条1項本文)をみたす限り逮捕は適法であると考える(別件基準説)
H24司法試験 憲法
第1 〔設問1〕
1 提起すべき訴訟
Dは、A寺への助成が政教分離(憲法(以下省略)21条1項、3項、89条)に反することを理由に訴えを提起したい。
もっとも、政教分離は国家の宗教への中立性を要求する制度的保障にすぎず、個人の権利を構成するものではないため、国家賠償のような主観訴訟を提起することはできない。
そこで、客観訴訟として、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、B村知事に対し、
H24司法試験 行政法
第1 〔設問1〕
1 処分(行政事件訴訟法(以下省略)3条2項)
処分とは、公権力の主体たる国または公共団体の行為であって、国民の権利義務を形成し、その範囲を確定するものをいう。
処分性については、対象行為の法的性質および、対象行為に対して抗告訴訟を提起することが適切かという観点から判断する。
2 本件計画決定の法的効果
本件計画決定がなされることにより、計画施設区域において建築物の建築
H24司法試験 民法
第1 〔設問1〕
1 小問(1)
Fは、Aが甲土地をBとの売買契約(民法(以下省略)555条)により承継取得し、FがAを相続した(882条、887条、896条本文)ことを理由として、所有権(206条)が自己にあることを主張したい。そのためには、Bが甲土地の完全な処分権限を有していなければならない。
甲土地は、Cが所有していたが、Cは死亡した。Cには、子としてD及びEがいた。BはDの唯一の相続
H24司法試験 商法
第1 〔設問1〕
Hは、Pの得票数を集計した時点で、Q及びRの得票数については議場で集計しないで、B、C、D、Pの4名だけが取締役に選任された旨を宣言した。Q及びRの集計をしないことは不当ではないか。
1 役員は、株主総会の決議により選任される(会社法(以下省略)329条)。この総会決議においては、「役員選任の件」が議題であり、個々の取締役の選任案は、全て独立した議案である。そうであれば、原則
H24司法試験 民訴法
第1 〔設問1〕
1 小問(1)
(1) 請求原因②について
ア 本件連帯保証契約書について
契約書は、真正に成立したことが証明されれば、契約書記載通りの契約が成立したことを証明する性質を有する(処分証書)。
本件連帯保証契約書は処分証書であり、XB間における保証契約の締結が直接推認される。
したがって、直接証拠としての意味を有する。
イ Bの印章による印影が検出されている
H24司法試験 刑法
第1 甲が、A社社員総会を開催せず「社員総会議事録」を作成したことについて、有印私文書偽造罪(刑法(以下省略)159条1項)が成立しないか。
1(1) 甲は、社員総会議事録を作成し、それを交付することによって、社員総会を経たと見せかけようとしているため、「行使の目的」が認められる。
(2) 甲はA社の代表社員である。甲は「代表社員甲」と署名し印を捺印しているが、これは「他人の印章」といえるか