いわゆるやり手の女若社長
彼女と出会ったのは10年以上前の事だ。
私がまだトロントでワーホリをしていた頃、
あるビジネス街のSUSHI屋で一緒に働いていた。
彼女よりずっと後から入った私に、仕事を教える彼女の指示はいつも的確でシンプル。
カレッジを卒業後フルタイムで働き、現地の旅行代理店でインターンシップをしながらバリバリ働くキャリアウーマン。
そう、彼女はその頃からカッコいいのだ。
そんな彼女の自宅に昨晩招かれた。
10年ぶりとは思えないほど彼女は可愛らしく、変わらない屈託のない笑顔。
そして変わらないカッコよさ。
いわゆるやり手の女社長の風格
28歳で帰国し友人と始めた会社は今や一部上場を目指すベンチャー企業。
”貯金53円になって借金2億抱えてゲロ吐きそうになりながら働いたよ”
その言葉の意味とは裏腹に明るく笑う彼女はとても綺麗だった。
ホテルのようなタワーマンションと地元に2軒のマンションを構え普段は海外出張ばかりだそうだ。
絵に描いたような成功者。
そんな彼女にふと結婚願望があるのか気になって結婚の条件を聞いてみた。
”ん〜年収5億円を下回らなければいいかな”
結婚するメリットとデメリットを考えるともし離婚になった時、自分の年収より下回った場合財産分与で自分の財産を取られたのでは話にならないからだそうだ。
これだけ聞くとイヤミな女に聞こえるが。決してそうではない。
彼女の発言はいつも的を射てる。正論なのだ。
成功の秘訣も教えてくれた。
”結果をどうするか決めたらあとは逆算でいらないものを削っていくだけ”
”それから実行するまでじゃない?”
”そんなの動いたもん勝ちでしょ”
そうなの。動き出したもん勝ちなの。
みんな自分の安定を案じてなかなか動けない。
貯金がなくなったら?保険が払えなかったら?住む家がなくなったら?
そんな不安がせっかく踏み出そうと決意した心を覆したりするものだもん。
でもそのまま動かなかったら?やりたい構想がありながら妄想だけしてたら?
そのままきっとずっと何も変わらない現状維持。
やりたいのはどっち?
現状維持?それとも腰も抜けちゃうほどの変化?
彼女の普段の商談先は経済界ヒエラルキーのトップ層ばかり。
そこで、彼らの共通点が何か聞いてみると、
・話がシンプルでわかりやすく例え話が上手
・人のいいところを真似して取り込むのが上手
その2点だそうだ。
いらない事、必要のない情報、それは全て切り捨てる。
必要な情報だけを上手にふるいにかけて削ぎ落とす。
まさにシンプルである。
我々は普段様々な人に出会い各々思案する。
それをヒントに歳を重ね見聞を広げていくと自然と
必要なものと不必要なもの
それが見えてくるものだと思う。
そして、ふるいの網目を上手に丁寧に仕分けしやすく作り上げていく事が歳を重ねる醍醐味のように思う。
最後に、彼女はこうも言っていた。
”発展途上国の人に教育をもたらし大企業から出資させる”
石川五右衛門とかルパン三世みたいな彼女のスタイル。
10年先もカッコいいんだろうなと想像に難くなかった。
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