蒲田のタイ料理屋で料理を配った話
ある日タイ料理を食べに行った時の偶然の出会いから、お店のイベントのお手伝いをさせていただくことになりました。
人々との出会いや、タイという国の温かみが心に染みる、そんなお話です。
前回の記事でもご紹介した、蒲田のタイ料理屋“AMIGO 剛”。
長男の剛さんにお話を聴いていると、
今度、無料で料理を配ることにするんだ、という一言。
無料で配るとはどういうことか気になり、さらに詳しく聴いてみると、
「日頃の感謝を込めて、AMIGOの味を誰にでも味わってもらうんだ。東京では、今そんな粋なことをする人はいなくなっしまったけどね。タイではよくある光景なのに。だからこそ僕たちは実行するんだ。」
とても素敵な思いを持ってらっしゃるな、と強く感じました。
そして私もその日、お手伝いをさせてもらえることになりました。
朝から大忙し
当日、午前11:00にお店に向かうと、すでにもう大忙し。
地元が近いタイ人の方もたくさんこられていて、ガパオライス、グリーンカレー、レッドカレーがどんどん出されていました。
私も混ざって、料理を容器に注いだり、外に並べたり、一緒に手伝い始めました。
途中で、長女のさらちゃん(小学生の女の子なんですが、しっかりしていてとっても可愛い…)も参戦して、イベントスタートです。剛さんとさらちゃんと私で、街ゆく人にどんどん声をかけ始めました。
これがおもしろい
「本日全部無料配ってます!ランチにいかがですか!」
しかし、最初はそううまくいきません。
こちらはチラッと見るけど無反応で通り過ぎるばかり。
気を落としていましたが、剛さんは、
「これもまたおもしろいよなあ。こんなぶっ飛んだことしてるの俺たちだけだぜ。楽しいよな。」
私はハッとしました。
感謝を伝えようと思っても、こういう形で実行できる人はなかなかいない。
周りになんと思われようと、少数派であろうと、こんな素敵なイベントに誇りを持ってできることをやろう!
それからは、さらちゃんと声を合わせてどんどん声をかけてどんどん配っていきました。
すると、ある男性が立ち止まり、
なんでこんなことやっているの?
と訪ねてきました。
するとさらちゃんは、
「日頃の感謝を込めて今日は配ってるんです。タイでは、みんなにいいことがありますようにって願いを込めて、たくさんの人にご飯を配る文化があるんですよ。お兄さんも好きなの持ってってください!」
タイって魅力的な国だな、みんなを思いやる気持ちがあって今日このイベントを迎えたんだな、と胸を打たれるのと同時に、
さらちゃん、なんてしっかりしてていい子なの…と感動してしまいました。
想いが届いたのか、常連さんから初めましての方まで、たくさんの人が立ち止まってくれるようになりました。
いいこと
ある学生さん二人組は、暑いのにご苦労様。と、もう一度立ち寄ってタピオカの差し入れを持ってきてくれたのです。
さらには、別の方もコージコーナースイーツ、コンビニスイーツなど、差し入れをしてくださり、感謝を伝えてくれました。
さらちゃんも大喜びで、
「みんなのためにいいことをすると、いいことがまた返ってくるんだね!」
と満面の笑みでした。
私は、その素直で真っ直ぐな瞳と、地域の方々の温かみに胸が一杯になり、気付いたら泣いていました。
料理はバンバンなくなっていき、AMIGOのお母さんもキッチンで何度も何度もお鍋を振りました。
ほんとにたくさんの人が料理はもちろん、お店の想いを味わってくれたと思います。
地域の温かさ
通行人の方と会話したり、一緒に手伝っていたタイ人の方にタイ語を教わったり、休憩時間にみんなでガパオライスを頂いたりしながら、あっという間に時間は過ぎていきました。
本当に楽しく、地域の温かみにもふれました。
最後にお母さんに、
今日はありがとう。たくさん持っていきな、とたくさんのガパオライス、グリーンカレー、レッドカレーをお土産にくれました。
こんなにも温かい人たちで溢れる街、蒲田。是非一度は訪れて欲しい街です。そしてこの前ガパオライスをもらった人も、まだ一度も味わったことがない人も、”AMIGO 剛”に母の味を楽しみにきてはいかがでしょうか。
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