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アート活動に必要不可決なアーティストステイトメント

ワタシが描くペン画はモノクロで、あえて色を加えていないのは見る人に色をつけて欲しいからなんですが、ウェブサイトに掲載している自己紹介文ではこう記しています。

私が描くモノクロの世界に、鑑賞者が色付けをすることで唯一無二の作品が完成します。イメージの中での着彩は、気分によっても環境によっても大きく変わることでしょう。
心の色をイメージで彩るというのは、想像を創造するということです。
色の広がりは無限です。
鑑賞者には、観るだけではなく色の創造を繋げたいと私は考えています。

モノクロの良さはこれだと思っていますし、モノクロに魅力を感じるから色はつけない、って感じですかね。

こういった、「自分はなぜこういう絵を描いているのか?」っていうのを自己紹介文に盛り込むわけですが、ただ単にツラツラ書いているわけではありません。

海外の公募展に応募する際に重要になるのが『アーティストステイトメント』というもので、作者の考え方や発想を文章で表現しないといけないんですけど、これがなかなか難しく修正を繰り返し未だ完成には至っておらず、といった状況です。
ウェブサイトに載せてはいるものの、今ひとつ弱いというか、難しく考えすぎているというか、まだしっくりきていない、というのが正直なところですね。

公募展 (インターナショナル) の審査では、作者が自分の作品を文章でどう表現しているか、をまず見られます。
作品について明確に話す (書く) ことができるアーティストが人の心を動かす作品を生み出す、みたいな考えが根底にあるようです。

なぜその作品を制作しようと思ったのか?とか、それによって何を表現したいのか?っていうコンセプト、自身がインスピレーションを受けて生み出した作品への認識が簡潔に明確に述べられているかどうか、っていうのをアーティストステイトメントで見る (読む) らしいので頑張って書くんですけど、『制作している作品のコンセプトの概要を文章にまとめる』っていうのがなかなか難儀で、どんな思いで描いたとかの説明文になってしまったりして、「なんか違〜う」となるわけですね。
活動には必要不可欠なものなので、悪戦苦闘しながらなんとか書いたものをサイトに載せてはいますけど、制作を続けているとコンセプト自体が進化するというか、バージョンアップされるというか、(良い意味で) 変化していく状態に表現 (言葉や文章) が追いついていかないんですよ。

そうなると、道に迷う。
自分は何がしたかったんだ?とか、何をすべきなのか?とか、完全に見失うんです。
思考も、行動も、完全に止まる。
俗にいう、スランプ。

だから、審査員が考える『作品について明確に話す (書く) ことができるアーティストが人の心を動かす作品を生み出す』っていうのがわかる気がするんですよね。
伝える技術も身につけないとダメだな、と。
そこが明確に表現できないとアウトプット (制作) も出来ないんじゃないか、と。

今年はまさにそんな状態で、思考も行動も止まっていたように思います。
ちょっと立ち止まって、今までのことを振り返り軌道修正する感じの、再思考、再構築といった作業に意識が向いていました。

制作のコンセプト、ビジョンやプロセス、自分の作品を自信を持って明確に人に伝えられるか?と自身に問いかけた時、ハテナマークが浮かんじゃったわけです。

また最近になって、作品制作において『 繋がるというのが根底にある、というのが明確になってきたことに気づいたんですけど、それってどういうこと?と聞かれてもちゃんと答えられるか微妙、っていうね。
今までは、「インプット (インスピレーションを受ける) → アウトプット (制作) 」を繰り返して、たま〜に「探究」が入る感じでしたけど、「インプット→ 探究 → アウトプット 」にする方が良いのかな?と思っています。
描く前に、向き合う感じ。
まだ、アーティストステイトメントが完成しないってことは、突き詰めが足りない気がするので。

4年半くらい前の記事で、「テーマやコンセプトが定まってきたので、ちゃんと説明できるようにしっかりと固めて海外へも発信していきたい」と書いていたのに、まだ仕上がってないのか?って感じなんですけどね。


更に、何が大変かというと、英語の文章でこれらを作るということです。
現在サイトに掲載している文章は、友達の友達に協力をお願いして作成してもらいました。
今は翻訳ソフトがだいぶ優秀になっているのでなんとかなりそうですが、文化の違いから解釈や表現が異なったりするので、慎重に言葉選びをしています。

インターナショナルな公募展はオンライン応募が主流です。
数百数千にもなる応募者を審査するとなれば、まずはアーティストステイトメントを見られますから、すごく重要になるわけですね。

ちなみに、ワタシが使っている翻訳アプリは DeepL 。
くだけた言い回しにもちゃんと対応して違和感なく読める文章にしてくれる、とても高性能なアプリです。


「大事なのは作品の中身であって、作品を制作したワタシではない」
「作品を語るのは作品自身なんだけれど、明確に伝えられるのはワタシである」

これを念頭において、良いアーティストステイトメント作成を頑張ります。

みなさまのご支援に感謝します。