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Live - 2023/10/14-15 Adobe Illustrator「イラレの生成AIを探求する」ライブ配信

イラレの生成AIを探求するライブ配信

今週末(14〜15日)、Adobe Firefly プロンプト探求ライブと行ったり来たりしながらやります。Vimeoライブの招待が追いつかないので、ライブの内容はこちらのページに掲載していきます。ブックマークしておいてください。

Fireflyは以下のページです




今回は、Adobe Fireflyのプロンプト探求が中心になってしまいました。
日曜の分は、月曜に更新しますので!



土曜日(14日)のライブ雑記:


3種類のイラレを使い分ける

Adobe Illustratorには、デスクトップ版、iPad版、ウェブ版(※現在は英語のベータ版のみ)があります。ブラウザーで使用できるウェブ版は、英語のベータ版ですが近々日本語に対応するようです。

生成AI機能が実装されているのはデスクトップ版だけですが、クラウド(Creative Cloud)に保存すれば生成したベクターグラフィックを共有することができます。
以下はデスクトップ版で生成したイラストをクラウド保存し、iPad版とウェブ版で開いた画面です。

デスクトップ版のIllustrator

個人的には、iPad版のイラレが一番好きです。Apple Pencilを使って、スケッチするように3次ベジェを描画できる手軽さが最大の魅力。作図専用のイラレと割り切れば、最強のベクターグラフィックツールだと思います。

iPad版のIllustrator

ウェブ版はまだ英語のみのベータ版なので、フィードバックのために使用していますが、学校などはインストールが必要なデスクトップ版より利用しやすいので正式版になったら一気に広まる可能性があります。
Photoshopウェブはベータが取れて正式版になりましたので、Adobe Expressと組み合わせて授業で活用する試みも始まっています。

ウェブ版のIllustrator(※現在は英語のベータ版のみ)
  • ウェブ版Illustrator(Beta)の動画(再生時間:51秒)


「テキストからベクター生成 (Beta)」パネル

Adobe Illustrator 28.0に実装された「テキストからベクター生成 (Beta)」は、プロパティパネルで使用することができます。
独立した「テキストからベクター生成 (Beta)」パネルもあります(ウィンドウメニューで選択できる)。2つのパネルはまったく同じものですが、専用パネルは伸縮が可能です。
サンプルプロンプトは6つしかありませんが今後、増えていくようです。

「テキストからベクター生成 (Beta)」パネル

パネルで選択できる生成イメージの種類は「被写体」「シーン」「アイコン」「パターン」の4つです。

生成画像の種類を選択できる
サンプルプロンプトで試すことができる

「アイコン」は、プロンプトの内容によっては意図しない結果になることが多々あります。パターンの生成を実行すると、スウォッチに登録されます。

同じプロンプトを使用した4種類の生成イメージ
  • 操作の動画(再生時間:44秒)


生成されたベクターデータのレイヤー構造

「被写体」で生成したベクターグラフィックのレイヤー構造は、被写体と背景に分かれていて、背景のレイヤーは非表示になっています。

  • 確認操作の動画(再生時間:40秒)


生成AIを使ったイラストのプロトタイピング


初日なのでウォーミングアップ。
まずは、頭の中で思い描いたぼんやりとしたイメージを生成AIでカタチにしていく作業。生成速度が速いので、ストレスなく作業できる。正式な機能になっても、この速度を維持してくれると有り難いですね。

  • ライブ配信の動画(再生時間:48秒)

iPad版のイラレは、ペンでベジェを操れるところが最大の魅力ですが、生成AIはまったく別次元のツール。
まだ未完成のベータ機能ですが、軽快かつ自由自在に絵を創り出し、何度も絵を置き換えながら、意図したイメージに近づけていくことができる。

スケッチを描くように生成AIを使う


日曜日(15日)のライブ雑記:

ベクターイラスト生成AIチャレンジ

USのコミュニティでやっていたベクターイラスト生成AIチャレンジ(お題をもらって制限時間10分でラフイメージを作成する)に参戦。

  • ライブ配信の動画(再生時間:57秒)

ベクターグラフィックの生成には大きな可能性があると思いますが、生成AIの技術進化によって「プロの要求に耐え得る精度」になってしまうことに不安も感じます。
今のベータ版のレベルなら許容できても、今後、3次ベジェの品質が大幅に向上すると多方面で影響が出るはず。

10分でこんなベクターグラフィックを描ける時代になった




金曜日(13日)の雑記:


イラレの生成AIがプロ仕様に進化して良いのか?問題

コンシューマーレベルであれば、1つの便利機能として許容されると思いますが、プロの要求に耐え得る機能になると、競合する人たちがかなり出てきます。「生成AIはCopilot(副操縦士)」であるという定義が、一部の領域では崩れてしまうことが考えられます。
この問題については、業界やユーザーコミュニティと密にコミュニケーションを進めていく必要がありそうです。


iPad版イラレで編集してみる

デスクトップ版イラレで生成したイラストをクラウドに保存し、iPad版のイラレで編集してみました(iPad Proを使用)。

動画の再生時間(25秒):

生成されたベクターグラフィックは、当然ですが…編集しやすいレイヤー構造にはなっていませんので、着色作業は面倒です。この動画のような作業に関しては、あまり現実的な活用方法ではないかもしれません。
ただ、素材にして組み合わせたり、プロトタイプを作成する作業には役立ちそうです。

生成したイラストをクラウドに保存
iPad版のイラレで開いて編集


プロンプトエンジニアリングとユーザーガイドライン

プロンプトが曖昧だと、がっかりする品質になりますが、具体的に書くとかなり忠実度の高いベクターグラフィックが生成されます。
ベータ機能でここまで表現できるのは驚きですが、正式版になるまで精度向上のための調節が続きます。さらに良い結果が得られるようになるはずです。

イラレ生成AIによるイラスト

忠実度を高める手っ取り早いやり方として、人気アーティストの名前や作品名などをプロンプトに含む方法がありますが、ガイドライン違反となり、ブロックされます(まだ完璧ではありませんが)。
これは、権利侵害のリスクを回避する仕組みであり、生成AIを安全に使うために日々調整されています。

アーティスト名などを入れるとブロックされる

参考:Adobe 生成 AI ユーザーガイドライン

5. 第三者の権利の尊重
アドビの生成 AI 機能を使用して、第三者の著作権、商標、プライバシーなどの権利を侵害するコンテンツを作成することは禁止されています。これには、第三者のブランドロゴの生成目的でのテキストプロンプトの入力、第三者の著作権で保護されたコンテンツを含む入力画像のアップロード、またはプライバシー権やデータ保護の権利に違反する方法での第三者の個人情報の使用が含まれますが、これらに限定されません。ご自身のコンテンツが第三者の権利を侵害しているかどうかわからない場合は、弁護士に相談するか、以下で公開されている参考資料を参照してください。

Adobe 生成 AI ユーザーガイドライン

まだ仮説ですが(今のところ..)プロンプトは英語で書いた方がいいかもしれません。日本語だと意図した結果にならないことが多い。
もし、ChatGPTを活用するなら、英語で考えさせてから日本語で出力させると良いと思います。

Firefly本体も言語を日本語に設定していると、表示されない新機能がありますので、単に日本語対応が遅れているのだと思います。
少し待てば、日本語のプロンプトでも大差無い結果になるはず。

意図したイメージを得るにはプロンプトを工夫する必要がありそう


イラレの生成AIには生成数の制限はあるのか?

1ファイルに生成できる数に制限があるのか試していますが200を超えても変化ありませんね。Photoshopには制限があります(生成ボタンをクリックできなくなります)。
まだ、ベータ機能なので仕様については深入りしませんが、フィードバックリストには追加しておきたいと思います。

207個の生成を含むAIファイルのダウンロード:

  • 20231013-GenAI-Sample-1.zip(70MB/ZIP圧縮)

  • サイズが大きいので午後11時に削除致します(中身を見てみたい方はそれまでにダウンロードしてください)

207個のイラストを生成
207個の生成ベクターおよびプロンプトを含むAIファイルは70MBになる




更新日:2023年10月15日(日)/公開日:2023年10月13日(金)

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