真摯なデザイン

こんにちは。

2020年4月より
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダシップコースに通っています。

私の学科では「クリエイティブリーダーシップ持論」という授業があり、
毎週クリエイティブとビジネスを活用して実際に活躍されているゲスト講師をお招きし、お話を伺います。

あくまで講義のレポートではありますが、デザイン思考などを学び、実践している方々との繋がりや、情報の共有が少しでもできれば嬉しいなと思います。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第11回【講義日】2020年7月27日(月)

KEIJI ASHIZAWA DESIGN

今回は芦沢啓治(あしざわ けいじ)さんにお話を伺いました。

芦沢啓治:1973年生まれ。1996年に横浜国立大学 建築学科 卒業後、建築設計事務所architecture WORKSHOPでキャリアをスタートさせ、super robotでの2年間にわたる家具制作を経て、2005年に芦沢啓治建築設計事務所を設立。現在までに、カリモク、IKEAなどとの協業やパナソニック ホームズとのパイロット建築プロジェクトへの参画の他、オーストラリアのPeter Stutchbury Architectureとの協働によるWall Houseが「AIA’s 2010 National Architecture Awards」を受賞するなど、建築/リノベーション/家具/照明などジャンルを問わず活躍している。 
引用:BUILT 素材を生かした「メイド・イン・ローカル」のデザインメソッドが世界へ。建築家・芦沢啓治氏に聞く     

ハイエンドの注文住宅やオフィス、商業店舗、ホテルといった建築設計を軸に、パナソニック ホームズとの建築プロジェクト、カリモクやIKEAといったブランド家具とのコラボレートなど、家具やインテリアなどの分野でも活躍されています。また、東日本大震災の被災地・石巻で主宰する家具製作所「石巻工房」が国際的にも注目され、石巻発の家具がGoogleやAmazon、WeWorkのオフィスに採用されるなど、素材(マテリアル)にこだわった「メイド・イン・ローカル」のファニチャーが国内外で注目を集めていらっしゃいます。
今回はこの石巻工房の活動を中心にお話しくださいました。

石巻工房

ご自身の東日本大震災の被災を背景に、ボランティアだけでは回らないことを実感し、皆で自分自身が復興に携われる場があればという考えから、町の復旧・復興を使える場としてスタート。
DIYの支援活動を行うほか、施設の復旧や改修を実施。再び立ち上がるまちの姿を、皆で考えるための場づくりを行われました。

被災者自らが手を動かす以外に、「石巻ブランド」にデザインの付加価値を加え、「メイド・イン・ローカル」を確立され、2014年には株式会社とし、現在で材料の正直な扱い方を条件に、現地の素材を使った石巻ブランドでの販売を許可されているそうです。その結果、日本に留まらず、ロンドン、ベルリン、シンガポールでも展開され石巻工房の販売網はグローバルで広がりをみせているそうです。
時代の変化に対応できる様な優れたデザインを簡単に作れるメソッドがあれば、DIYでもワールドワイドに拡大できる可能性がある。それが家具工房を生き残らせ、さらにはDIYで地方の街を再生することも可能であると述べられていました。
取り囲む全ての人の幸せを実現しながら、文化や技術を継承していく姿に身が引き締まる想いでした。

シンプルな作りだからこそ模倣品も出回ってしまっているそうですが、購入者も物の姿のみを捉えるのではなく、背景を考えることが重要だと感じました。
特にファッション業界は顕著にその傾向があり、某有名ファストファッションブランドは、ほぼ全てにハイブランドのデザインをそのまま使用しています。デザインの背景には様々な願いや想い、そして苦労があるからこそ価値あるものです。
「買い物は投票である」という言葉を思い浮かべながらいつも買い物をしています。私たち購入者もその背景を知ろうとすること、まずはそこから始めるべきだと感じました。また、作り手としては提供する方々へ想いが届く様、独りよがりな物作りをせず、共感を呼び応援してもらえる様な真摯な物づくりをすること。そして伝わる様に工夫することも重要だと学びました。

まとめ

芦沢さんの様な真摯なものづくりをする方がいる事、そして世界中に広まっていることを知り、単純にすごく嬉しくなりました。芦沢さんこの様な真摯な姿勢を「すごいな」と感心するだけではなく、私たち自身が継承し体現していくことが重要であると感じました。

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