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詩 雨傘

灰色の空に向かって花が咲く

開いて閉じて寄り合う蕾は籠の中

一人また一人と蕾を摘んで

くすんだ世界に色を差す

雨音で埋まった帰り道

いつもは一人の花の下

寒いねと笑う体温ならべて

二人分の灯を添える

灰色を望む小さな花は

モノクロの世界に色を差す

雨底に淀んだ景色の中で

一際キレイに色付く花は

柄に滲んだ熱を吸って

特別な記憶を色付ける





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