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詩集「イロイロナコト」

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2020年8月の記事一覧

ブルーモーメント

午後5時過ぎの夕暮れ時 空気が透き通る今日は 空もきれいに片付いてまっさらに広がる 遠く…

MASA
4年前
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柔らかな朝

休日の朝はいつもより静かで 前の通りを走る車の音も ずいぶん間隔を空けていた 風の音がよ…

MASA
4年前

長い信号

駅を背にした帰り道 歩幅の違う足取りで 離れないようにと サイズの違う手を重ね 街道沿い…

MASA
4年前

ベッドの余白

一つのベッドに二つの呼吸 腕に伝わるもう一つの鼓動 寝返りも上手く打てないベッドの上に …

MASA
4年前
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夕暮れ時

クーラーの切れた真夏の一室  目が覚めると息苦しいほどに暑かった  首元に張り付くTシャ…

MASA
4年前
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詩 風鈴

海の上に伸びる雲 浜を撫でる波の音 日差しに光る水面と緑 行き交うセミの声に埋もれて 扇…

MASA
4年前
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線香花火

夏の湿気と火薬の匂い パチパチ弾ける小さな火種 揺れて落ちないように 大事に大事に育てていく 大きくなった火の種は ジリジリと脈打つように細い火花を散らしてる それも段々段々小さくなって 最後は元の夜に戻っていく 火をつけてから消えるまで 派手に輝くわけではないけれど 空に開く花のように 記憶に残る火の色を 一人一人の手の中で 焼き付けるように灯してる

詩 川辺の蛍

川に石を投げ入れて ドボンと聞こえる音を聞く 大中小で違う音、投げ方一つで違う音 種類を…

MASA
4年前

詩 今日で最後の帰り道

酒で火照る体を運んで あなたと帰るこの時間 道路を走る車もなくて 街灯の下には二人の影 …

MASA
4年前

詩 いい一日

朝起きて涼しい部屋から 照り返る外を眺めて横になる 一緒にだらける猫を撫でながら なんで…

MASA
4年前

詩 ありきたりな日常

帰って倒れこむ暗い部屋 流した汗がベタついて 触れるシーツの感触が気持ち悪い やっておき…

MASA
4年前
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詩 冷めない夏

陽が昇る日中が焼けるように暑いから 1日の終わりが目立つんだ 終わりの境界線をはっきりと…

MASA
4年前
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詩 手にあるもの

体のどこかに怪我をして自由が効かなくなると その自由がとても恋しくなる 熱が出て体の節々…

MASA
4年前
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