記憶冷凍_ショートショート
この青く冷たい世界に争いは無く、とても静かなところだ
争いだけでなく、娯楽も歴史も無い、
みんなも空っぽだ
生きているのに、
ここは暑くてもいつも冷たい。
でも私はみた。赤い世界を
ここに、確かに明るさや暖かさがあったのを
探した、冷たさを感じなくなるほど、
とにかく探した
そして私は見つけた
その後は来た道を戻り、世界を回った。
「それ」は在るけど、見えない
個々で違うし、娯楽や歴史もあった、深いところには少しの冷たさも
私は世界中で見つけ、潜った
青く冷たい世界は、やがて青くて赤い穏やなものになった。
見たかったのはきっとこの世界
私にもあった「それ」は、きっかけにより解かれ、どこからか個に戻る、
気づけば私は息をするのも忘れ、見つけては潜り続けていた。
潜り続けると
少しの冷たさのもっと深いところには、冷酷な歴史があった。
冷酷な歴史と人は世界を赤にした
それは私が見たかった世界ではなく、
確かに見た世界、見た赤だった。
だから私は冷酷よりも深く、冷たい青で世界中の「それ」を覆った。
そして
世界から争いや娯楽や歴史は止まり、
再び、青く冷たい、平和とも言える静けさが訪れた
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