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セックス・アピール

マンハッタンの摩天楼、夜景を見下ろすレストランに、ロンドンふうの英語でオーダーをする女が脚を組んで座っている。シルクのきわめて薄い黒のストッキングのシームが、太腿の裏側で少し波打っている。女の背が小さいからだ。

彼女は20歳くらい、髪は栗色で肌は黄色っぽい白のアジア人のようだった。真っ黒な瞳は大きく、ぴったりした黒のドレスが彼女のおっぱいを自慢していた。

x.y.z.を注文して、ウェイターに免許証をと言われ、彼女はかわりにパスポートを見せた。ウェイターは「失礼」と言う。

細い指先でシュリンプカクテルを摘む。
店じゅうの男たちが彼女の隣に座りたがっている。ダークブラウンのスリーピースを着た長身の男が彼女のそばを通り、鈍い金色のライターを落とした。「失礼」と言って身を屈めると、彼は彼女のストッキングのシームを撫で上げた。彼女は彼の顔を見上げて、口角だけで微笑んでエビを咥えた。「僕のテーブルに来ないかい。窓際だからきれいだし、何より」彼は耳元に口を寄せる「この店のテーブルクロスはとても長いから。」彼女はそっぽを向いてエビを飲み込んだ後、彼に顔を寄せる。

「いいわよ。今日、私、下着をつけていないの。あなた、我慢できるかしら?ここで。」

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