見出し画像

 crea ship~プロダクトアウトで始めてわかったこと~


「crea ship」を始めて丸1年・・。

crea farmが昨年立ち上げた新しいサービス「crea ship」。
当初は、年4回の体験型ギフトBOXのお届けやイベント&ワークショップでの交流を通じて、暮らしをご提案するメンバープログラムとしてスタートしました。

新規プロジェクトを作った理由は主に3つ。

①直営オリーブ農園、専門店、レストラン、自社産オリーブオイル、オリジナルクラフト品の企画開発力、協業可能なつ地元の事業者ネットワーク・・
小規模ながら時間をかけて丁寧に作ってきた自社のリソースを組み合わせて、自分たちにしかできないサービスを作りたい。

②オリーブオイルやクラフト商品を買ってもらう、農園パークを楽しんでもらう以上に、お客様の毎日の暮らしを提案したい

③creaのお客様とダイレクトに交流したい

強い思いを持って、完璧な計画を作った!と思っていても、スケジュール引いていざ実務に入ると様々な課題が浮き彫りになりました。
暮らしというふわっとした事業定義、定まらないペルソナ想定、内容物の不確定性、実行体制の脆弱性・・

新規事業あるあるです。

それでも事業化を強行したのは、
オリーブ体験をきっかけに、crea farmグループのショップや農園パークでリピーターとなってくれたお客様は、食や自然共生体験を重ねながら知識を深め、楽しみながら生活スタイルを進化させている、だから素材を提供している私たちもココで踏ん張って進化しなければ、との思いからでした。

季節BOXづくり〜初めての連続〜

準備は2022年秋に着手しました。
事業設計、商品企画、オリーブオイル&既存オリジナル商品のセレクト、新商品開発、レシピ作成、ブックレットづくり等、まずはめまいがするほどたくさんのタスクを確認するところからのスタートでした。

昨年春の記念すべき第1号BOXのテーマは「春、新生活を始めよう!」。
BOXには自社の静岡産オリーブオイルのほか、パンケーキMIX、だしパック、瓶詰、コーヒー(全てcrea オリジナル)をセット。体験案内には鉢植え講座などのワークショップを構想しました。

コンテンツづくりは、私自身も初めてのこと。
初回だけプロのクリエイターにもサポートしてもらい「型」づくりです。

crea villageで行った春BOX撮影はこんな感じでした。

crea cafe&restaurant で撮影

商品を使い自宅で楽しんでいただくイメージの撮影のため、実際に料理を作り、テーブルコーディネート。
各号のレシピ作り&調理はプロに委託せず、毎回creaメンバーで行っています。
私たちはオリーブのある暮らしを誰よりも知っているとの自負があるからです。

パンケーキ、炊き込みご飯、和風ミネストローネ、新たまねぎスープ
春BOX、食卓風景、調理風景

四季の農園の変化や、crea farmの取組なども掲載したブックレットも作成しました。

ブックレット一部抜粋

試行錯誤しながらも中身が完成し予定より遅れて募集を開始。初年度はInstagramでの告知のみとしました。
「こんな無名の会社のコミュニティに入ってくれる人がいるのか?」とドキドキしながら。

推し活!?

早速、静岡市・藤枝市を中心に、首都圏、関西etc、、から申込みがありました。
その理由を聞いて私たちは驚くのです。

・「静岡駅近くにお店(オリーブオイル専門店クレアテーブル)ができた時からファンだったんです、新しい商品が出るたびに買っていました。crea  shipは推し活。」

・専門店が出来て嬉しいなと思ったら、日本平でオリーブ栽培を始め、数年後には藤枝でも始まって・・もうずっと注目していたんです・・私、クレアさんの追っかけだから」

・2018年の第一回収穫祭行きましたよ。メンバーになったら早く情報もらえるから嬉しい。

え?推し活・・?
おじさんおばさん(大人世代)のために解説しておきますが、、↓

《活は活動の略》自分の好きな芸能人やスポーツ選手、キャラクターなどを応援する活動総称。→推し

出典:デジタル大辞泉(小学館)

ヒトやモノではなく、事業体を「推し」てくださるとは。
創業期から見守ってくれた人がいた・・
新商品を楽しみにしてくれた人がいた・・
初めての収穫祭に来てくれた人はお店の常連さんだったんだ・・・

まだお会いしたこともないリアルなお客様の声に、私たちは感動し身の引き締まる思いがしました。

そして、初年度は、数を追わずに、共感して入会してくださった方々のために、1クールをしっかり完成させることに集中しよう、そのかわり何かリクエストいただいたら神対応しよう、と決めました。
会員様の生の声を聞きながら、いわゆる「一緒にプロト作り」です。

予想どおり、
未熟な私たちにとって、毎号の制作はドタバタ劇。
苦労多くありましたが、初年度の皆様をがっかりさせたくない一心で、
夏秋冬のBOX、オリーブ講座から始まり、ガーデニング、料理&お菓子教室、コーヒー教室、出汁教室、石鹸講座など各種ワークショップ(オンラインあり)も不定期ながら開催し、日本平&藤枝オリーブ園のダブル収穫祭もスタッフ総出でやりきりました。

収穫祭には会員のほとんどの方が参加してくれました。
期間中3回も来てくださった方、遠くから新幹線を乗り継いで参加くださった方、大きな励みになりました。

ワークショップと収穫祭

また、オンライン交流会では、畑の様子を報告したり商品の使い方をご説明できたり、こんな商品ほしい!のリクエストにも応え、会員様限定非売品もお届けすることができました。


多様な事業者とのコラボレーション

オリジナル商品や各種ワークショップなど多様な事業者にご協力いただきました。
異業種との協業での新しい価値づくり。感謝です。

2023年crea ship協力事業者様(順不同)
田丸屋様、アオノミート様、マルフク様、杉本製茶様、季咲亭様、西尾商店様、トミヤコーヒー様、セレクトアイカンパニー様、磯駒海苔様、Jオイルミルズ静岡工場様、セレクトアイカンパニー様、キャトルエピス様ほか
(2024年も更にユニークな事業者様との協業を予定しています)

最初はプロダクトアウトでかまわない

新しいサービスを市場に投入する際、企業は自社の理論や価値観に基づいたプロダクトアウトのアプローチになりがちです。そしてこのワードは割とネガティブに使われているように思います。

実際、私が農業に参入した時、多くの地域マーケターから「良質な農産物を作れば売れると考える生産者が多い。マーケットイン(消費者のニーズに応じて製品を開発する)の思考で事業を進めるべきだ」とのアドバイスを受けました。

これらアドバイスを否定するわけではありませんが、もし独自の世界観を持つブランド構築を目指すのなら、最初は自分たちが良いと信じるサービスから始めることもアリだと思います。そこが「強み」の部分だからです。

実際、ふわっと始まった感のあるサービスですが、
会員様からアドバイスやリクエストもいただきながら、毎回ブラッシュアップしています。双方向の交流がうまれ、「お客様とともに作っている」ことを実感しています。お客様と一緒にサービスを育ててきたせいか、継続率95%も嬉しい成果でした。

今年は、まずは会員になってどんなコミュニティか見てみたいという方向けに、ライトなオリーブ園オーナープランもご用意しました。

たのしい仲間が増えるといいな😄
お気軽にお問い合わせください。

つづく・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?