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デザインは疑いから生まれる-デカフェコーヒーの道具を一から作る訳-


コーヒーとデカフェコーヒーは似て非なる物


コーヒーの歴史を調べると、今から1100年以上前に文字としてコーヒーについての記述が残っていて、800年くらい前に飲み物としての起源説となるコーヒーが発見されるなど、歴史は深く、でも逆にコーヒーが一般に普及したのはまだまだこの1世紀くらいしかないとされています。

「コーヒー」、と一口に行っても、さまざまな種類の豆や道具が存在し、さらにはインスタントコーヒーなど抽出方法や飲み方は多様化しています。

サードウェーブと呼ばれる第三次コーヒーブームは、収穫され加工されるプロセスや場所を明確化し、コーヒーブランドの価値を上げ、浅煎りで焙煎した香り高いコーヒーが今世界を席巻しています。


そんなコーヒーの世界に身を投じたクレイジータンクでしたが、コーヒー抽出実験をやりすぎた結果、シンプルに飲みすぎて体を壊すという事態に見舞われてしまい、体のことを考えてすぐにデカフェコーヒー実験へと移行しました。

そこからある疑問が生まれ、デカフェコーヒーの可能性に魅せられていきました。その根源となる理由が

カフェイン入りのコーヒー豆とデカフェコーヒー豆は似て非なる物

という事実でした。


色々な道具との出会い


デカフェ抽出師を名乗るようになる前から、クレイジータンクではたくさんの抽出用道具を購入し、色々なお店で売られているデカフェ豆を抽出してきました。

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抽出するたびに感じる"デカフェコーヒー豆"らしさ。それはカフェイン入りの、いわゆる普通のコーヒー豆とは似て非なるものだと、抽出するごとに強い思いとして感じていきました。

ある日、クレイジータンクがコンサルティングやディレクションをさせていただいているコーヒーブランドひびのひびの日比野泰之さんがこんな話をしてくださりました。

「知人の焙煎士の方に焙煎したデカフェコーヒー豆を渡したら、やっぱりデカフェコーヒー豆だなぁ、と言われ、どうしてもカフェイン入りのコーヒー豆とは別物になってしまう...。」


プロであってもそう感じるのです。

カフェイン入りのコーヒー豆とデカフェコーヒー豆はにて非なる物、だと。


そうだとしたら、なぜ...


そうだとしたら...そうだとしたらなぜ、デカフェコーヒーを飲まれる方は、カフェイン入りのコーヒー豆用に開発された道具でデカフェコーヒーを抽出するのでしょうか...。

例えば料理をする時に日本刀を使って食材を切ることはありません。「刃物」という意味では同じですし、料理をすることは可能と言えば可能です。でも全く違うものとして扱われています。

現在売られているコーヒー用のドリッパーもサイフォン式の道具も、フィルターも、全てはカフェイン入りのコーヒー抽出用に作られた道具なのです。


だったらデザインしよう!


という「疑い」からクレイジータンクはデカフェコーヒー用のドリッパーやペーパーを作り始めました。現在も失敗を繰り返しながら、日々実験を進めています。

さらに、SDGsなど、環境問題が世界中で重要視されている中で、新しい道具を作るのは時代に合っていないと判断しています。

ゴミを使って新しい価値を生み出す"アップサイクリング"という考え方を提唱するクレイジータンク。


どんな材料でデカフェ用ドリッパーを作っているか、については別の記事でまた詳しくご紹介させていただきます。


CRAZYTANK research station 研究員一同

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