クレイジータンク通信 vol.195 『「看る力」の一歩先へ。「自分はどうしたいか」を考える力の重要性』
◆クレイジータンク通信 vol.195◆
週末にはぐんぐん気温も上がり、春を通りこしてすっかり夏日和な地域も多かったのではないかと思います。
町を歩くと、つい先日まで彩りを感じなかった場所に、多くの花々が一気に芽吹き、町全体が明るくなった印象を持ちます。自然の生命力が一斉に活発化するこの時期に体調を崩す方も多いと聞きますので、自分のペースをよく見ながら過ごしていきたいものですね。
さて、今週の通信では、先週の通信でテーマとしました「看る力」について、もう一段思考を深め、生成AI時代を生きていく中で「看る力」は具体的にどう活かされるのか、また、AIがさらに進化した先では他にどのような力が必要になるのか、という点について書いてみたいと思います。
ぜひご一読くださいませ。
【「看る力」の一歩先へ。「自分はどうしたいか」を考える力の重要性】
先週の通信では、現在、保けん野菜事業にて進めている「かてい農園」プロジェクトや子どもやさい研究会を通じて感じたこととして、「看る力」が今後の時代により求められるのではないかという点について書かせていただきました。
この「看る力」ですが、現在、クレイジータンクで進めている「(日々進化する)生成AIを触りまくっておく」というフェーズにおいてもその必要性を感じることがあります。
クレイジータンクではかねてより、生成AIの進化が止まることなく進んでいけば、いずれ「パソコン(スマートフォン)の中で完結する価値はAIの役割になる」という段階が来るだろうと予測してきました(厳密にはさらにその先の世界まで予測をしているのですが、ここでは割愛いたします)。
しかし、現段階の生成AIは、まだ人間の「使い方」のスキルが非常に必要なフェーズにあります。
たとえば、「こういう動画が作りたい!」という目的がある場合、複数の生成AIを行ったり来たりしながら、各生成AIができることを組み合わせて、それを組み上げる必要があります。
各生成AIでできることが異なりますので、それぞれの使い方を勉強して、さらにいろいろ試してみて、ああでもないこうでもない、ということを繰り返す…という「思考錯誤」の時間が必要です。(皆さんがSNSのリールなどで見るような動画については、「思考錯誤」さえ必要とせずに一瞬でできてしまうような生成AIも存在しています。質より量を求めようとすれば、大量に瞬時に動画作成をできてしまうような時代にはすでになっているのも実情です)
「こういう動画を作りたい!」というイメージはあるものの、素材となる映像や画像がない、というケースでは、
・ある生成AIを使って頭の中にイメージしている画像をハイクォリティに生成
・さらにその画像を別の生成AIで動かして動画化
することが可能です。その際に、「どう動かしたいのか」ということを細かく設定していく過程があります。
クレイジータンクの生成AIを触りまくるフェーズでは、数週間前には「プロンプト」と言われる動作を指示する言葉や文の作り方をさまざま試しながら動画生成のトライアルをしていました。文章(言語)だけで「こう動かしたい」というものを実現させる手法です。
プロンプト研究は進めながらも、同時に「どう動かすかを細かく手作業で設定していく」ことも進めていきました。現段階では、この手作業で設定した方がよりイメージに近いものを詳細に作り上げることができる印象があります。その過程で物事を「看る力」が重要だ、と感じます。
たとえば、先日は、ロケットの画像を生成AIでつくり、そのロケットが飛び立つシーンを動画化したいと考えました。
など、これらには普段から物事を「どう看ているのか」が活きてきます。テレビで宇宙に向けて出発するロケットの映像を見たことがあるか、実際にロケットが出発する現場に居合わせたことがあるか、漫画でそういったシーンを読んだことがあるか…などによってもイメージできる幅や深さは異なるでしょう。
だからこそ皆さん!普段から「看る力」を育てていきましょう!…といった話では、終わりません。
今でこそ、一つ一つの動きを「人の手で」設定するということが優位性を発揮する場面が多いとはいえ、今後AIのデータがより詳細に蓄積されていく先では、その領域もAIによって生成可能になっていく段階が出てくるだろうと予想しています。
その段階にはどういう力が必要となってくるのか、と考える時、私たちクレイジータンクは「何をしたいのか」という意思である、と考えています。
スタジオジブリの宮崎駿監督は、飛行機がどう飛ぶか、ではなく、「どう飛んでほしいか」を絵にしていたといいます。さらに、機械の音をよりリアリティあるデジタル音ではなく、人の肉声で表現したという話もあります。
生成AIが、人間が積み重ねてきた様々なスキルを全て一瞬で実現可能とする時代に、私たちは今までよりもっと「自分たちがどうしたいのか」ということを大切にしながら生きていくことが必要になるのだろうと考えています。
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