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クレイジータンク通信 vol.181 『ディープラーニングできない「現場力」を鍛える一年に』

クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。

毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。



◆クレイジータンク通信 vol.181◆


みなさま、年末年始どのようにお過ごしでしょうか。
石川県能登地方をはじめ、地震の影響で心落ち着かない時間を過ごされてる方も多いかと思います。
少しでも早く、日常を取り戻せることを願っております。

どのような時でも「変わらない時間を持つ」ことは心身の安定にとても大切なことのようです。

今年もクレタン通信は変わらずに毎週火曜日に配信を続けていきたいと思います。

今週の通信では、今年のクレタンの目標・方針である「現場力」について、今後の未来に向かうために、適切に抱いた危機感と、そこから希望を創り出すために必要だと考えることについて書きました。

ぜひ、ご一読ください。

【ディープラーニングできない「現場力」を鍛える一年に】


すこし大袈裟に聞こえてしまう方もいるかもしれませんが、昨年2023年は、人類における転換点ともいえる年になったのではないか、とクレタンでは考えています。

それはまさに、一昨年末のchatGPTの登場を皮切りに、生成AIの革新的な進歩とそれが一般の生活に流れ込むように入り込んできたことが要因です。

クレタンではよく、このような話をしています。

「あと数年したら、『たとえば、〇〇のようなオンラインゲームを作って』と指示をしたら、AIがすぐにゲームを作ってくれるような時代がくるはずだ。」

そして、この未来は、クレタン代表の竹鼻が大学時代に人口減少問題の解決策としてユビキタス(現在のAI)に出逢った頃、予測した未来ではありました。

詳しくはこちらの「無意識へのシナリオ」(2016年U-35若手建築家による展覧会にて発表)にも書かれていますのでご一読ください。

2023年11月には「無意識へのシナリオ」で予測した未来と2023年現在の状況を踏まえた記事を以下に執筆しております。


2023年。世の中に次々とリリースされる生成AIを観察しながら、クレイジータンクでは「無意識へのシナリオ」を書きはじめた2008年頃から

「AIと共存するなかで、人間がつくりだす価値とは何か」

について今日まで思考と行動を続け、来たる時代に向けて準備をしてきたものの、「このままいくと人間が要らなくなるのではないか?」という予測をするような時代に入ったという危機感を持ちました。

(こういった話をすると危機感と共に不安感や恐怖感をつよく感じてしまう方も多いと思います。しかし、危機感は「適切に持つ」ことが大切で、だからこそ具体的な行動を考えることができると思います。クレタンでは、危機感を適切に、冷静に、見つめる、ということをとても大切にしています)

その危機感から、事態をどうにか食い止め、次世代に残していく「人としての生きる価値」を創るために何をすべきか、と思考した結果、2024年のクレイジータンクの方針は、「現場力」である、という結論に至りました。

これまでもクレイジータンクでは、以下のようなキーワードを大切にしてきています。

・人間の手垢(てあか)を残す
・インターネット上に存在しない価値を保有する

これらはまさにAI台頭時代に、人間として生きる価値を守り続けるために必要だと考えていました。

AIにはできないだろう(今のところは)と考えられることを進めていくためには、インターネット上には存在せず、ディープラーニングができるものではない、

「その場、その瞬間、偶然的にも創り上げられる」現場の力

を、より高めていくことが大切だと考えています。

具体的には、代表竹鼻が2017年に世界的デザインアワードである「Lexus Design Award」を取得した移動式の陶芸窯を体験する場づくりを長野県にてスタートいたします。



かねてよりサービスアドバイザーとして関わる「保けん野菜」事業と連携し、ここでしか味わえない窯体験、食体験などを創っていくことを予定しています。


竹鼻が、2017年にLexus Design Awardを受賞した際、外国籍の審査員にこう評価をされたそうです。

「この窯は持ち運び移動ができるなら、世界中に持ち運び、その場、その場にあるものを釉薬(ゆうやく)にして、その場、その時にしかできない陶芸ができるということね」

まさに、この偶然性や自然性というものに、人は美しさや価値を感じてきたものと思います。そうした、決してディープラーニングできない世界をどれだけ創れるか…を目指して、「現場力」を合言葉に、2024年も前に進んでいきたいと思います。

本年も皆様にとって、充実した一年になりますように。

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