見出し画像

富士山初登頂&初バックカントリースキー

きっかけ

Facebookに、約8年前、2015年の5月23日の私の投稿があらわれた。その投稿を見て、富士山でのバックカントリースキーについて書きたくなりました。馬鹿と思われるかもしれませんが、これが私の富士山初登頂で、しかも初めて富士山でスキーをしたのです。当然、私一人では無理でしたので、山岳ガイドの小田克大さんにお世話になりました。前年、小田さんがSNSに富士山の頂上から滑るバックカントリーツアーの写真をアップしたのがきっかけでした。それまで富士山に登ったこともなく、さらにスキーができるとあれば二度おいしいと思い、翌年のツアーに申し込みました。小田さんによると、天候にもよりますが、5月下旬になると気温が上がり、雪が緩んできて、スキーが比較的安全にできるとのことでした。それ以前だと雪が硬く、転んだら止まらず滑り続ける危険があるため、おすすめできないと言っていました。安全を確保するために、信頼できるガイドさんを選ぶことが重要です。

出発前日の夕食、朝も早くから行動しなければならないし、お酒を飲み過ぎると次の日に差し支えるのでほどほどに

登り

翌日、天候が悪くなるとの予報だったため、高度順応をせずに登頂しました。山頂に到着した時の感想を山小屋で記録したのですが、「あたまを くもの うえにだーし・・・いま たかいところに いるので あたまのかいてんが...すきーも もちろん しました。きぶんは あるじゃーのんに はなたばを です」という状態でした。この記録は少し誇張して書いていますが、それでも少しは「アルジャーノンに花束を」の主人公のように、思考力が低下する現象を体験しました。低酸素環境の影響です。ガイドさんからは「考える力が低下するので、目標を単純にして、登り続けてください」と助言されました。そのアドバイスに従って、「次はここまで」という単純な目標を立てて登りました。富士山は勾配がキツいのでシールスキンを使用せず、登山靴で登りました。

目標を単純にし、あまり考えなくても登られるようにした
焼山、古くからあの世をあらわすといわれたあたりの光景
本物の富士山頂上での一枚
頂上からの眺め

約7時間の登山を終え、富士山の頂上に立つことができました。一般的に思われがちだと思いますが、吉田口から登ると、火口近くに鳥居が見えますが、その場所が頂上ではありません。最高峰は剣ヶ峰で、気象庁の観測所が設置されていた場所です。鳥居から少し登った場所にスキーなどを置き、そこからさらに歩いて頂上まで登りました。この日は雪が柔らかかったため本当は必要なかったのですが、折角持ってきたのでアイゼンも装着しました。

滑走

その後、荷物を置いた場所に戻り、スキーブーツを履き、スキーをつけ、滑り始めました。頂上から吉田口を目指して滑り始めましたが、方向を間違えると10m近い崖に向かって滑る可能性があるため、ガイドさんがGPSを使って進行方向を確認しながら滑るという形でした。斜面はルスツリゾートの中斜面が延々と続く感じでした。滑る前にガイドさんから「転ぶと止まらなくなるので、絶対に転ばないでください」と忠告され、その注意を受けて滑り始めました。滑ると頭が痛くなり、少し休憩すると痛みが和らぎ、その繰り返しでしたが、それはそれで楽しかったです。雲に向かって突っ込んでいくように滑り降りる経験は、通常のスキー場では味わえません。

最後に

富士山の五合目からは「焼山」と呼ばれ、古くから「あの世」を象徴してきました。私が滑った吉田大沢も焼山に位置しています。そこでスキーをするということは、まるで「あの世」でスキーを楽しむという体験をしたようなものかもしれません。ちょっと変な気もしますが、それでもまた同じような体験をしたいと思っています。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?