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【自宅で名作映画を観よう#7】

「米Yahoo!「死ぬ前に見たい映画100」」を基にして、名作映画を観ているこの企画ですが、ちょっと最近名作に会えていません。

え?なんでこれが、「死ぬ前に見たい映画」なの?って思いたくなるものもあって、これでnote100本を目指そうとしていたのに、どうしようと悩み中です。

そんな中で、最近観て大好きになった映画がこちら。

我輩はカモである

最初から最後まで抱腹絶倒のコメディです。
ここまで笑えたコメディを大人になって初めてかもしれません。

まず、タイトルがいいですよね。原題は、”DUCK SOUP”これもいいですが、それを元にしながらも、漱石の名作と掛けてつけてしまった。

観ていて、あまりの下らなさに、ドリフっぽさを思い出していたら、正しくドリフの元ネタになった、鏡のコントがあったりと、爆笑しながらも、ちょっと感動していました。

普通に観ていたら、急にミュージカルになったり、いきなり踊りだしたりと、全くもってストーリーは意味不明。

一応、ちゃんと考察すると、当時(1933年)の戦争に対しての、風刺ですね。
言うならば、チャップリンの”独裁者(1940年)”みたいな、コメディでおかしく描写しながらも、そういった事態に対して批判しているものの、先達ということではないでしょうか。(個人的には、"独裁者"よりも、こちらの方が好きですが)
ただ、”独裁者”とは違って、明確に存在する人物を風刺したというわけではないようですが。

もう少しだけ真面目に言うと、この「我輩はカモである」も「独裁者」も、誰に対して「戦争って良くないよ」と風刺しているのでしょうか。

決して、”独裁者”で真似をされたアドルフ・ヒトラーを始めとした支配者層に対してだけではないでしょう。
なんとなく、鬱蒼とした空気の中で、自分さえ良ければ・自国さえ良ければと、周りの国々と敵対することも辞さず、危険性も分からずに戦争に傾倒していってしまう、全ての国民に対しての風刺ではないでしょうか。

そう考えると、正しく現代のAmerica Firstに代表される〇〇 First / 自国第一主義。そういう人々にこそ、この映画を見直して、如何に戦争というものが不毛なものなのかを思い出して欲しいものです。


と、一応真面目なことを書きましたが、そんなことを意識せずとも、十分楽しめてしまうこの映画。

正しく、戦争に熱狂する人々を一番皮肉っている場面では、そんなことも忘れて、自分も一緒に歌って踊りたくなってしまいます。

戦争への狂乱を皮肉った映画として観ても良し、辛くなった時に観直して笑ってパーッとするも良し。

そんなどちらにも、最高の映画でした。

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