非凡なるたかし
俺の名はたかし。どこにでもいるわけじゃない非凡な少年さ。歳は男子高校生ぐらいで、ルックスはイケメン! 何処を探しても俺みたいな人間は二人と居ないだろう。
そんな俺は今、落ちている。何故かって? 俺の特別な才能に目をつけた奴がいて、そいつが「お前にしか出来ない使命がある」とか言って、俺の事を空高く打ち上げやがったんだ! だけど俺は飛行はできないので、重力に従ってこのザマさ。全く乱暴な手段を採る奴だ。俺は貴重な存在だぞ。帰ったらただでは済まさん。
まぁ、俺は特別な才能の持ち主だからな、こう言う事もあるさ。だから普段は隠してる。ひけらかしても面倒を呼ぶだけだしな。やれやれ、非凡な少年ってのも苦労するぜ。
で、そろそろ地上なわけだが、どうやって着地すればいいんだ? 俺の才能? 無理だ。だから空は飛べな――ッ!
◆
『すまんな、不注意だった。お詫びに蘇生し、時間も戻してやろう』
◆
俺の名はたかし。どこにでもいる……。
【続く】
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