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crafts days 2020

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作り手と使い手のつながりを作っていく新しい試みをはじめてみました。ものではなくひとに焦点を当てます。作り手自身が書いた文章を通して、作品制作の背景、思い、暮らし、興味、その日々を… もっと読む
運営しているクリエイター

#染織・フェルト

目次 - crafts days 2020 執筆者リスト

ああづ木クラフト 花塚光弘 アニマル専科 真心堂 真心職人 葵窯 坪内真弓 亜舎 曽木朝子 亜sian.h 津波古亜希 伊藤奈津美 飯村わかな 川風の調べと紡ぐ家 飯島たま 雲歩窯 河野史尚 海月羊 宇田綾 小河幸代 岡村朝子 奥村陶房 か革仕事のお店 tasola 紙束 小泉翔 からこ窯 しばたあや美 清原 遥 菊地克典・工房ととか 靴工房YUTA MITSUMORI 工房ぐるり 工房まつした 松下純一 コバヤシユウジ 工房 月慈

about solosolo

草木で染める 染色家 田澤康彦です。 草木を煮出し、染色をしています。solosoloは手ぬぐいからはじまり、最近は衣服を染めています。2020のこの秋で9年目になりました。 纏う衣服の染色は寄り添える色だったり、引き立たせる色だったり、 そのシチュエーションやその人を思い浮かべて染めます。 木工作家とのコラボレーションで木を染めたり、 芸術家の考える赤と青を表現してみたり、 アクセサリーに添える色糸や 個人のお客様からの「おまかせ染め」 アパレル関係からの染めオーダー

アニマル専科 真心堂 真心職人

撮影も楽し フェルトアニマルを中心としたもの作りの楽しみは、撮影で完結します。 スマホで簡単な撮影もしますが、一眼レフのカメラに望遠レンズを付けて臨場感あふれる写真を撮るのも楽しみの一つです。 木からフェルトへ 木型、家具、大工と「木」をあつかう仕事に就いて30余年が経ちました。趣味でも木の小物などを作っていましたが、約15年ほど前から加工が容易で音も埃も出ないニードルフェルトで好きな動物を作り始めました。 現在は、母親の介護に専念するために大工を辞め、クラフトで糊口を

MauA-舞和 - 滝本恭子

2つの世界 模様と無地。カラフルとモノトーン。ウールとシルク。 シックな色合いも大好きだけど、陽気な色合いも捨てがたい。本当は「どちらかを選べば作品の世界観が統一されるのに……」といつも思います。でも、まだどれも選べない。グレーを織った次の日には、華やかな色合いを織りたくなります。シルクの滑らかさ、光沢も好きだけど、ウールの暖かさも、コットンの潔さも良いな…と。きっと私は、それぞれの世界を行ったり来たりしながら 揺らぎながら、作り続けていくのだろうと思います。白髪のおばあち

海月羊

新サンマのペンケース 腹開きに仕上げております。使いやすいペンケースになりました(ちょっと太めの仕上がりです)。細部の表情にこだわるため、サンマを食しつつ制作しております。新サンマのくちばしは黄色いのです。そのあたりもきちんと再現しました。出来上がったサンマには墨染めを施しています。羊毛の色のみでなく染めの技法も取り入れていきたいと思ってます。  少しだけ私のこと 広島から大阪に移り住みもうすぐ10年。広島でシュタイナーの考え方を取り入れた幼稚園に子供が通う。そこで羊毛

豊田陽子 10P10C yoko toyoda

作品 草花や自然の景色 季節の空気 光 気配 リズム 記憶の結晶 それらをそっとあつめて 自ら手で染めたもの自ら手で染めたもの 絵を描き、デザインし、職人や工場でプリントしたもの 様々な表現方法を用いて制作しています。 色・布との出会いから 私は大学卒業後、インテリアコーディネーターとして働いていました。この仕事では、今まで見たこともないような生地に触れる機会が多くあり、私は次第に生地の持つ魅力に惹かれていきました。 生地には独特の質感や色彩の美しさがあります。変幻

新藤佳子 homespun Atelier

愛すべき羊の個性 ホームスパンをしています。ホームスパンは羊毛を手紡ぎ手織りした布のこと。刈り取ったばかりの羊毛を手洗いするところから始まり、糸に紡いで、機にかけて織っています。 写真の布は染めた色ではなく、羊の天然の色。羊には白以外にも、さまざまな色の羊がいます。色だけでなく柔らかいもの硬いもの、光沢のあるもの、弾力のあるもの、短いもの長いもの……。実にさまざま。 その個性を生かしながら、マフラーやブランケットにしたり、コースターやポットマットをつくったりしています。

工房 月慈 滝沢 都

作品 うちの畑で栽培・収穫した、和綿と亜麻の繊維を紡いで織った布です。現在、植物繊維は100%自給しています。 はじめまして 長野県上田市に自宅兼工房と畑があります。 染織は沖縄本島北部の工房で学びました。 石垣島も含め約14年の歳月を沖縄で過ごしたあと、2012年に生まれ故郷に戻り、今は祖父が遺してくれた明治元年築の古家を直しながら暮らしています。 沖縄では芭蕉布を織っていました。その土地に育つ植物の繊維を自分で糸にして織ることを長く続けていたので、長野でもやはり土

Veriteco

葉の重なり、緑色のハーモニー 色々な染めの色、植物の色彩がぎゅっと詰まった葉。 葛、黄花秋桜、背高泡立草、マリーゴールド、セントジョーンズワート、赤紫蘇..….etc. 染めた緑系の毛糸を端から端まで使って、葉脈ごとに色を変えて刺繍したブローチ。 手染め糸ならではの、グラデーションの世界。 瀬戸内海の豊島に暮らして 瀬戸内海を望む棚田の畑を借りて種をまき、藍や紅花、黄花秋桜、マリーゴールドなど染料に使う植物を育てています。夏の暑さの中では草むしりや植物の世話は大変で

はなぐもり 加藤未希

柿渋染めの服 縫製から染色までひとりで制作しています。 生地は上質なリネン。 染色液は伊自良大実柿の柿渋。 ムラ染めし、1枚1枚違う表情をした服。 柿渋で様々な色が出ることを皆様に知ってもらい、昔ながらの柿渋を身近なものに感じていただきたいと思っています。 はじめまして 私が扱っている柿渋は、世界でも岐阜県山県市伊自良地区にしかなく、飛騨・美濃伝統野菜でもある「伊自良大実柿」という柿から作られたものです。 半世紀前まで同地区ではこの柿渋の製造が盛んでしたが、化学塗

irooto 色音

【自然に向き合い『ものがたり』を表現する】 生み出す色にも描くモチーフにも、それぞれにひとつひとつの『ものがたり』があります。 下記の手順で日々試行錯誤を繰り返しながら制作しています。 ①【ボタニカル(草・木・花)で手染め】 綿糸を煮洗いし汚れを落とし、ひとつの色をつくるのに5~10回の染め作業をくりかえします。 ②【布を絞りボタニカル(草・木・花)で染める】 煮洗い後、シンプルに一色で染めることもあれば、布を糸で絞り、染めることで柄を出すこともあります。布素材は、綿、

小河幸代

自然を感じる素材 自然素材を染めて織って、身につける布を時々ほんの少し縫って、暮らしの中で使う小物などを作っています。 太細やふしのある絹糸を天然染料で染めて織ることから始まりましたが、その糸に合うウール、リネン、野蚕の糸が加わり、羊の原毛を紡いで糸にすることもしています。 身の回りの草木を採ってきて染めることは楽しくて、染められる草木を庭や畑に植えて少しづつ増してもきました。 写真はわっかショール、頭からかぶって首周りにふんわり色どりと温かさを添えてくれます。シルク+天

Niimi 新美典子

正解のない世界 織物とは不思議なものだと、つくづく思います。 糸の素材、密度、色の合わせ方。経糸と緯糸が複雑に絡み合い、その少しの違いで出来上がるものはガラリと表情を変えます。そこが魅力であり、悩みでもありますが、楽しみでもあります。 柄はその都度考えながら作り上げます。糸からイメージが膨らむこともあり、魅力的な糸と出逢うと我を忘れてしまうこともしばしば……。その糸を眺めながら、新しい作品を作る想像をするのも楽しみです。 私の人生と手織りの妙 私の工房は、愛知県の知

Sawori works

作品 大切なものだけを入れておきたいようないれものを作りたいと思い生まれたシリーズです。 はじめまして 彫刻→機織り→フェルトへと辿り着き、作家として活動を始めました。今年は籠りがちな日々でしたが、実験や試作を行う時間が生まれ、学生時代以来、研究するような毎日を過ごしました。結果的には、まだまだ知らない事や分からない事の方が多いなあということがよく分かりましたが、新しい違う扉も開いたような気がしています。 ものづくりの相棒 ものづくりの相棒は、現実的にはチクチクの際