大人のためのタイムで、感性を潤す。「Jiu 慈雨」(福島)
キーボタニカルのタイムが香るハーバルクラフトコーラ。甘さを抑え、国産レモンの凛とした酸味をいかすことで、大人が食事のシーンでも楽しめるコーラを目指しています。タイムを中心としたハーブ類、柑橘、スパイスが織りなす繊細な香りが魅力。
●キープレイヤー
レモン果汁 / カルダモン / タイム / スターアニス
●指標
《甘さ》・・・・・★★☆☆☆
《スパイス感》・・★★☆☆☆
《柑橘感》・・・・★★★★☆
《味の複雑さ》・・★★☆☆☆
*苦み、酸み、辛みといった、甘み以外の存在感
《爽快感》・・・・★★★★★
*爽快感=飲んだ後の心地よさ
●お勧めのシチュエーション
優しくまろやかな甘みを力に変えるべく、頑張りたいときのおともに。
●お勧めの飲みかた
w / 炭酸・・・レモンの酸みとタイムのほろ苦さを、爽やかに楽しむ
w / 炭酸+ドライローズ・・・レモンの酸みとタイムのほろ苦さを、上品に楽しむ
w / ミルク・・・優しい甘みさや香ばしさを、ミルクで引き立たせて
●1瓶で楽しめる杯数
並みのグラスで約6杯
●手に入れられる場所
主に「SHINRA」オンラインストア
タイムをキーボタニカルに調香する作り手は他には出逢ったことがない。そして、飲み手の感性をここまで大切にしてくれる作り手も、出逢ったことがない。コーラだけではなく作り手としても注目すべき、ユニークな存在です。
続けて、Jiu 慈雨を実飲したり、クラフト性について探ってみます。どうぞ、お付き合いください。
1.概要
《実 / 草》クローブ / カルダモン(★) / シナモン / タイム(★) / バニラビーンズ / スターアニス(★)
《甘》三温糖、グラニュー糖
《果》レモン果汁(★)
Jiu 慈雨は、合同会社『SHINRA』がプロデュースするクラフトコーラ。
SHINRAは、「感性に潤いを。」をブランドメッセージに掲げ、「ひとり一人が五感で感じたこと、感情の変化など心の機微を大事にしてほしい。」という想いをもとに、感性が潤うようなドリンクをつくっている、ドリンクブランド。
さて、「感性に潤いを。」とは、どういうことなのか。Jiu 慈雨をはじめとするSHINRAの行為のどんなところに表現されているのか。
実飲しながら、その姿をさらに紐解いていきましょう。
2.実飲
〰蓋を開けた香り
強く鼻に抜けてくるのは、タイムの香り。西洋料理によく登場するこのスパイスの、爽やかさやほろ苦さをまず感知します。そこにスターアニスやカルダモンの、少々ツンとする芳香が合わさってくるようま、そんなイメージです。
🍷味わい
先味で感じるのは、レモン果汁の酸み。そこに、グラニュー糖や三温糖のクセのない甘みがほんのり合わさってきます。味覚に対する自然な刺激によって、ゆっくりと、でも確かに感性が潤うスイッチがおされるような感覚を持つ。
喉に流し込むと、軽やかに舌に残る柑橘感と甘み。クセがなく、すっきりしているので、鼻に抜ける香りに意識を持ってゆくことができます。その香りは、タイムを中心とするスパイスたちで構成された、爽やかだけどほろ苦さも感じる、ちょっと大人びた印象。
臭み消しにもつかわれるタイムの効能もあり、口の中は潤いが保たれています。杯を乾かすまで、味覚への刺激をずっと心地よく感じれるところは、嬉しいポイントです。
3.クラフト性
「Jiu 慈雨」に感じたクラフト性は、やはり「感性に潤いを。」という思想を、クラフトコーラづくりに落とし込んで体現しているところです。
まずは、素材の使い方、味わい、そして香り。
ただスパイス感があったり、クセがなく優しかったりするだけでは、感性は潤いません。なにか”違和感””刺激”のようなものを感じないと、神経や感性はおとなしいだけで、特に働かない。
Jiu 慈雨は、スターアニスやカルダモンのツンとする芳香と、タイムの爽やかでほろ苦い香りを楽しめる。特に「タイム」は、クラフトコーラをはじめドリンクで接することが珍しいスパイス。なので、嗅覚が、新鮮さを知覚する。そして、国産レモンの酸みと、グラニュー糖や三温糖の優しい甘みで、味覚にスイッチが自然と入る。
タイムは臭み消しの作用も強いので、後味はすっきりし、フレッシュな状態を保つこともできる。
感性に潤いをもたらすための、先味と後味、香りと味わい。そして、素材の希少さや調香配分。どれもこれも、整っているように感じます。
ほかに目を向けると。例えば、Jiu 慈雨のネーミング。
「慈雨」は、日本の「雨」の種類の1つ。草木を潤す恵みの雨、といった意味合いがある。木の実から成るスパイスによって成り立つクラフトコーラにとって、とてもしっくり言葉であり、どことなく澄んだ空気感も伝わってきます。
雨は、その景色や音、瞬間が表現に用いられることの多いモノですし、感性との繋がりもありますものね。う~ん、いい名だ。
さらに、大人向けフラワージンジャエールの「Kau / 華雨」の販売に向けて行ったクラウドファンディングのリターンなんか、本当に素敵。
楽しみに待ち焦がれていたリターンは、手触りと質感が素敵な箱でまず姿を現します。登場から、うっとりする。
高揚する気分とともに開けると、半透明のトレーシングペーパーに印刷された晩夏を感じる写真や、季節を感じる詩的な文章、好みでドリンクに添えられるドライローズに、特製のコースター...。
奥行あるパッケージ空間を活かして、それが順々に顔をのぞかせてくれるのです。
「あ.....。これは、大切に、感性を研ぎ澄ませて、頂こう」
飲み手が直感的にそう想う、届け方をしている。
ドライローズを入れる液体体験も、さながら極上の時間。Jiu 慈雨に入れてみると、レモンの酸みとタイムの爽やかさ / ほろ苦さによる洗練された表情だけではなく、薔薇の芳香がぐっと押し寄せて、華やかな快楽がやってきます。
このような行為からも、「感性に潤いを。」という思想を、クラフトコーラをはじめとするドリンクづくりに落とし込んでいることがわかります。
SHINRAには、Jiu 慈雨のほかにも、ホップの爽やかな苦味と香りを楽しむノンアルコールドリンク「Suiu 翠雨」や、大人向けフラワージンジャーエール「Kau 華雨」と、感性が潤うドリンクが並んでいます。
クラフトコーラマイスターとしては、Jiu 慈雨をまずお勧めしたいですが、ぜひそこからSHINRAの世界観を、ながく、ゆっくりと楽しんでみてください。
〆——————
Shall you , Jiu?
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