詩08『その後ろ姿に問う』

きみのキャンバスの隅に咲く
鉛の花の名前はなに
きみが寂しさの奥底で
それでも花を描いたのはなぜ

ぼくのこころに種を落として
花びらは消しかすとなって飛んだ
ぼくが泣けば水やりになるか
笑みは肥やしになるだろか

きみの指がもがいた末に
色鮮やかなモノクロが咲いた
きみが虚しさの瀬戸際で
それでも花を描いたのはなぜ


[今日のおはなし]

こころを土だとしたら、涙は土を柔らかくほぐす雨。
こころを濡らして、柔らかくいるのは大切。でも、あまりにもどしゃ降りすぎると土は流れてしまうので要注意、ですね。

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