詩03『ばあちゃんの詩』
詩03『ばあちゃんの詩』
ぼくが、誰かの寂しさに寄り添えるようになったのは
寂しさとは何かを知ったからです。
ぼくが、誰かに優しさをかけたいと思えるようになったのは
あなたから優しさを教えてもらったからです。
ぼくを、ぼくの荷物ごとおんぶしてくれたから
「怖がらんでええ」と、寝かしつけてくれたから
今、あなたがぼくに「強ぅなったで」と言ってくれるのは
むかしむかし、あなたがぼくを強くしてくれたのです。
ぼくの強さとは、傷つかないことではありません。
痛みをまっすぐ抱きしめられること。そして、人の傷を癒せることです。
かつて、あなたがそうだったように、
「ありがとう」を、伝えるために、
ぼくは、太陽になりたい。
背が伸びたぼくを眩しそうに見上げるあなたの、太陽に。
[今日のおはなし]
小四のときにばあちゃんに言われたことばは、十年たっても忘れられません。「あんたがあんたを心から好きでいる限り、誰もあんたを嫌いにならへん。」
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