詩02『ぼくのものじゃないから』
詩02『ぼくのものじゃないから』
この土も水も空も、ぼくのものじゃないよ
始めから、誰のものでもなかったもの
思い出だけで十分だから、きみに名前はつけないの
欲しがるのなら、いのちと呼ぼうか
ねえ恋しい人よ、ぼくのものにならないで
部屋の椅子や布団みたいに、ぼくの帰りを待たないで
今日のぼくらしかいないから
いつまでも変わらないものはないんだから
目の前の美しいもの、一緒によく見よう
綺麗なものを綺麗だと言おう
ぼくのものじゃないんだよ、すべて空から借りてるの
借りものだからこそ、大切にしなくちゃ
一つ前の詩は、こちら『幸せだと言う』→https://note.com/crack_koujitsu/n/n29660c5f34c9
[今日のおはなし]
8月31日に出会った、素敵な言葉。それは、図書館の本からではなく、館内で会った友だちからいただきました。
「今、私たちが閉館まで残り1時間の中で、本を貪り読んでいるのって」
「うん」
「食べ放題バイキングの、ラストスパートみたいだね」
「時間制限の中、あとちょっともう少しだけ、ってね」
「そうそう」
「だったらこないだ私、似たようなのに彼氏と行ったわ」
「どこのバイキング?」
「いや……ホテルだ」
「へえ、ホテルビュッフェか!」
「違うよ、」
「……あ、ホテルって、そっちの。」
「おう」
「時間制限の中で、貪り喰ったと?」
「喰い合った」
ふ、と鼻から息が漏れて、私たちはまた本に戻りました。Kちゃん、面白いお話しをごちそうさまです。
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