詩14『叫んで、光って、』


痛いときに痛いと言える勇気があれば
ぼくは、空を飛べるだろうか

立ち止まって、自分のこころに
拍手を送れたら。

花は、ぼくを咎めるように
ぼくに問うように、揺れている。
川は、ぼくを赦すように
ぼくを誘うように、流れている。

こんなに美しいものに囲まれて
それなのにぼくは、一度たりとも叫べない。

「きみは美しい」

叫べたら、ぼくは、空を飛べるかな

本当に美しいものを見て、美しいと言いたいんだ
宝石を抱きしめたい、縋りつくんじゃなく

すべての美しいものに、「きみは美しい」と喜びながら
ぼくは空を飛びたい、ぼくはぼくのための宝石になりたい。


↓前回の詩

[今日のおはなし]

キンモクセイは、今年も声を持っていませんでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?