見出し画像

子供たちにも愛される「ソフトクリームロボット」 #ロボット紹介

私たちコネクテッドロボティクスは「食産業をロボティクスで革新する」をテーマに、食産業向けロボットサービスの開発を行っているスタートアップです。日ごろ私たちが取り組んでいることや、それぞれのロボットの開発ストーリーや特徴などについてご紹介ができればと思っています。

■なぜ食産業に関わるロボットなのか
 本来「食」は人間の生活に必須であるだけでなく、「楽しさ」や「豊かさ」「健康」につながるものだと思っています。一方で「食」を提供する側に目を向けると人手不足や重労働、生産性がまだまだ低い状況です。
 私たちは、ロボットの導入によって人手不足や食産業に関わる従業員の重労働を少しでも解消することができないか、これまで工業系の工場でしか用いられることのなかったロボットが普段行くようなお店や食品工場で用いられ、食のシーンがより豊かなればと、2017年から飲食店向けのロボットの開発に着手し始めました。2017年の4月にたこ焼きロボット「OctoChef(オクトシェフ)」のプロトタイプで事業アイディアコンテストに出場。グランプリを受賞したことを機に、外食産業が抱える問題に対して、最先端テクノロジーを駆使して解決する取り組みに軸を置いた事業を本格的に始めました。


■ソフトクリームを巻いてくれるロボット
 私たちが大切にしたいと考えている「人を楽しませ、喜ばせる」という観点で、「ソフトクリームロボット」は来店されたお客様の期待に最もお応えできているロボットではないかと思っています。このロボットはお客様のオーダーに応じて、ソフトクリームを巻いて提供するまでのプロセスを自動化したものです。

画像2

このロボットは人の動きに反応して動いたり話しかけたりしてお客さんを呼び込むのですが、それだけでお子さんが喜んでくれます。
注文に応じてコーンを抱えてぐるりと向きを変え、「うまく巻けるかな?」などとおしゃべりをしながらきれいなフォームに巻いていく姿はどこかコミカルでかわいらしく、お客様もソフトクリームが渡されるまでの間も、動画を撮影したりと楽しそうに待ってくださっています。

レイモくん

■17店舗で稼働するロボット
現在、犬型キャラクターの「レイタ」、恐竜型の「レイウス」、牛型の「レイモ」の3種類の外装に加えて、お店オリジナルキャラクターのぬいぐるみを置くことができる「ライドン」の4タイプを用意しているのですが、最近人気が集まっているのは牛型の「レイモ」です。
 今までに長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」への導入実績を機に、山口県の源泉かけ流し温泉併設の道の駅「楠こもれびの郷」、淡路島の玄関口にある淡路サービスエリア上り線のフードコート、静岡県掛川の菓子店「たこまん本店」、三重県の伊勢神宮の内宮前参道の山村乳業「山村みるくがっこう」、島根県や鳥取県にある高級食パン店「もう言葉が出ません」、埼玉県の「佃商店」など、多様な飲食店でソフトクリームロボットは活躍し、現在17店舗で導入されて稼働しています。

■ソフトクリームロボットの導入メリット
ソフトクリームを巻くロボットの導入はまだ珍しく、メディアやSNSでも話題を呼んでいます。導入いただいた店舗の中では、他店との差別化やプロモーションになって子供連れのお客様が5割を占め、ソフトクリームの売り上げが2.5倍にまで伸びたという反響もいただいています。
このソフトクリームロボットはビジュアル的に可愛いというだけでなく、他にもいくつもの導入メリットがあると考えています。
 
1,トレーニングいらず(省力化)
ソフトクリームは初めての人が完璧にきれいに巻けるかというと意外に難しいものです。新しく入ったスタッフにはそれなりに作業トレーニングが必要になります。一時休業されていた店舗では、再開にむけてのトレーニングも必要になるかもしれません。ソフトクリームを巻く作業をロボットに任せれば、そのトレーニングの必要がありません。

2.接触頻度を減らす(衛生管理)
新型コロナウイルス感染防止のため、飲食店店舗では極力接触を避けることが求められるようになっています。従来ソフトクリームは注文を受けてから現金のやり取り、コーンの受け渡しなど、直接お客様との接点が多いものでした。ロボットを導入することで接触回数を減らすことができます。
 
■ソフトクリームロボットの技術とは
ソフトクリームロボットは小型で扱いも簡単なものです。ただし、ソフトクリームを一定してきれいに作る一連の動作に落とし込むまでには数多くの失敗を経て、製品化にたどり着くことができました。簡単に技術的なことをご紹介したいと思います。

このロボットにはカメラや重量センサーがついています。
まずカメラでお客様を認識、動きに反応してお客様に語りかけます。

スクリーンショット 2022-06-15 16.56.13

次に注文に応じてコーンがロボットの手の部分に置かれたことを重量センサーで認識。ソフトクリームサーバーのレバー側に指示を出してソフトクリームを抽出させます。
ロボット側では指定された量がコーン上にきれいに乗るように移動して巻いていくのですが、ソフトクリームミックスの状態やコーンによって動作が変わっていくため、きれいな形にしていくのが難しいのです。

スクリーンショット 2022-06-15 16.53.20

ソフトクリームは1時間で133個、1個巻くのに約30秒弱になるように設定をするのですが、サーバーの癖やソフトクリームミックスの粘度によって、サーバーから落ちてくる速度が異なります。それをきちんとコーンやカップの形状に合わせた動きに設定していくのが私たちの技術の見せどころといってもいいかもしれません。
ソフトクリームロボットは日世のソフトクリームサーバーのシングル機、2種類(例バニラ・チョコ・ミックス)が抽出できるダブル機の両方に対応しているのですが、どのサーバーをどこに設置するのか、ロボットにコーンを置くのはスタッフなのかお客様なのか、店舗側で設定された巻き数、利用されるコーンの種類、ソフトクリームミックスの質はどんなものか等を伺って、ロボットの一連の動作を決めていきます。

ミックス

現在、数々のお問い合わせをいただいていますが、ご依頼いただいてから、約2か月の間に、この一連の動作の調整をしてから納品をしています。
これからの夏を迎える季節、ソフトクリームロボットが家族連れのお客様の多いサービスエリアやフードコート、テーマパーク、道の駅など、多くのお客様を喜ばせてくれるのではと期待をしています。

食フェス

さらに、今後はコーンディスペンサーと連動させたパッケージにすることで、注文後から提供まですべての工程を従業員との接点のない運用で提供できることを目指して、現在新たな開発を継続しているところです。ぜひご期待いただければと思っています。

スクリーンショット 2022-06-15 17.02.40

▼ソフトクリームロボットのご紹介はこちら
https://connected-robotics.com/products/softcream-robot/

▼ソフトクリームロボットの動作動画はこちら
https://youtu.be/BEL6qNFayT0