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3p.トモダチがさわぐと泣きたくなってしまうんだ

彼は小学1年生になりました。

初めての友達が誰だったか今では覚えていないようですが、とにかくクラスのみんなと仲良くなることができました。
彼はクラスで目立つこともなく、悪さをすることもなく、ただ普通の子としてクラスに馴染んでいたと思います。

そんな彼は、学校という集団生活の環境に置かれて新たな性質を発揮します。

静かにするべきタイミングで友達がさわぐと涙が出てしまうんです。

これの理由を言語化するには、当時の彼にはあまりにも難しい課題でした。
だから、先生や友達に
「どうして泣いているの?」
と尋ねられても、うまく答えることはできません。

今の彼なら説明できます。
人が怒る姿が嫌いだったんです。
たとえ、その怒りが自分に向けられていなくても。

保育園まではそんなに注意される機会がありませんが、小学生になると先生はしっかりと叱ります。
静かにするべきタイミング(授業中や全校集会)で生徒がさわぐと先生は注意します、当たり前です。

彼はもちろん自身のコントロールができるのでTPOに合わせて静かにすることができますが、友達までコントロールすることなどできません。
特に、気の小さいやつだったので友達に注意するようなこともできません。

まもなく、先生がさわぐ友達を叱ります。場はシラケます。
彼はこの予定調和の時間が訪れるまで胸がざわつき、嫌な気持ちになって泣いていたんです。

周りからみると、たしかに不思議です。
だって、まだ先生が現場へかけつけて叱る前から泣いているんですから。

「何があったの?どうして泣いているの?」

となるのは当然です。

彼は中学生の頃にやっと気付きます。
感受性が高い性格ということに。

ちなみに、この「感受性が高い」という性質はこれから大きな病気を発症させる原因になりますが、小学1年生の彼にはまだ知るよしもありませんでした。

人生を通して付き合う病気が発症し始めるのは、またその3年あとの話です。

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