白血病の治療

色々な悪性腫瘍
一般的ないわゆる癌はどこかの臓器で発生し増殖、転移を起こす。
初期なら手術で切除、転移してたら化学療法(抗癌剤)
白血病は血を作る骨髄の腫瘍…ほぼ初めから全身に回っている状態。
つまり切除は出来ず化学療法(抗癌剤)になります。

化学療法

細胞の増殖を抑えたり、細胞を壊死に向わせたりする薬を投与し悪性細胞を倒していきます。
ただ正常細胞も同様に影響を受けます。正常細胞がダメージを受ければ本人にも影響があります。
そのバランスをとって薬の選択や量、投与するタイミングが決められます。

自分の環境を守りつつ敵を倒す感じです。

白血病の治療は胃癌などの一般的な癌の抗癌剤よりダメージは大きいです。
骨髄を標的にしているので造血機能が著しく落ち、免疫が下がりちょっとした感染症で命取りになるため無菌病棟に入ります。

だいたい1週間薬を投与し1週間ほど血液細胞が作られず2、3週間かけて改善してくる感じです。治療が1ヶ月周期。
1回の治療では治らないため何度も繰り返します。
なので数ヶ月にわたる入院になります。
長い闘病…

骨髄移植

現在の血液の悪性腫瘍治療で最強の最終兵器です。

前述の化学療法では自分の骨髄とのバランスをとりながらでしたが、移植ではまず薬によって骨髄を焼け野原にしてからドナー(血縁、臍帯血、骨髄バンク)から自分に合う骨髄細胞を貰い、そこに居着いて貰う(生着)治療です。

合う合わないは骨髄バンクの話で

つまり骨髄細胞の移住ですね!
街ごと滅ぼして新たな住民を誘致…
ただの移住だけではなくて移り住んでもらった細胞の免疫で残っている悪性細胞をさらに攻撃する事もできます。
なんだか言葉で表すと物騒ですね…でもその土地(本人)の為です。

ただ居着いてくれない事もあります。(正着不全)

また移植した細胞が異物を攻撃する免疫細胞であることから自分の全身、いろいろな臓器が攻撃を受ける(GVHD)事もあります。
それが起きないように免疫を抑える薬を使用しますがそれによってまた感染に弱くなります。

分子標的薬

また新薬も出ています。
他の癌も同じですが、悪い細胞のみが持つ何らかの物質(遺伝子や構造、表面の分子)に対して攻撃出来る薬が開発されています。これが分子標的薬です。

正常細胞にはその標的になる物質がないので影響がない。悪性細胞のみ攻撃対象となるといった薬です。

ただ、このような薬も副作用がないわけではありません。

また新しい薬であるために海外で承認されていていても日本国内で承認されいなかったり、成人は承認されていても小児はされていなかったりします。
これが1番問題…
承認されていなければ医療保険が効かない…自費負担になります。

小児に関しては大人と比べて安全性が分からない、薬の量をどうすればいいか分からないという事が主な理由です。
稀な病気や大人に比べて患児の数が少ないことも要因です。

個人的には大人はなくて子供にとって問題あるのは成長か生殖の事と思います。
親の意見としては子の病気が治り命を救う事が優先事項であり、まずは薬を使える様にしてもらいたいです。
使う事が無ければどう効果があるのか?どういう問題があるのか?わからないままではないでしょうか?

病状によっては承認を待てません。
もう少し自由に使える事を期待します。
使う使わないは現場のDr.と患者、家族が決めれたらいいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?