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6つのメンタルイメージ⑦ 日本

ホフステードの6次元モデルを用いた経営コンサルタントのハブ・ヴルステン氏が、文化圏によって世界を6つのグループにクラスタ化し、暗黙の組織モデルを発展させたのが「6つのメンタルイメージ」です。
この6つの文化圏のどこにも属さず、1国で1つのメンタルイメージを形成しているのが日本です。

6つの文化圏に属さない「日本」

日本の文化的特徴として、次のようなことが挙げられます。
・男性性と不確実性の回避度が際立って高く、努力を厭わず、高い志をもってよりよい仕事を追求する
・あらゆるトラブル、不測の事態を予測しながら丁寧に仕事をする
・長期志向は他から学ぶ姿勢をもたらし、近視眼的でなく物事を俯瞰して見られるので、すり合わせて最適値を見出す
・中庸な権力格差と集団・個人主義は、権力者に頼らず、現場・ミドルのパワーを最大限に引き出す

このような日本の文化的特徴は、環境によって強みにも弱みにもなり得ます。

強みと弱みは表裏一体

日本ではグローバル人材不足が課題とされています。スイスのビジネススクールIMDが発表した2017年版世界人材ランキングによると、日本は高い技術力を持つ外国人への魅力度がアジアで最下位となっているのです。

日本の弱みに見える「稟議」は、時間がかかりすぎる、決断が遅い、誰が責任者かわからないなど不評です。
しかし、現場で生まれたアイデアが、共有されるプロセスで磨き上げられ、最終承認されたときには合意形成できています。実行は速いのです。

達成志向(男性性)×不確実性回避

達成志向(男性性)×不確実性回避が高い日本は、次のような特徴があります。
・さらに上を目指す
・一生懸命働こうとする内面的欲求がある
・ワークライフバランスの実現が難しい

厳しい競争環境に置かれると、ピンチをチャンスに変えるような潜在能力を発揮することにもつながります。

一方、不確実性回避の高さはイノベーションの起こりにくさにつながります。しかし、イノベーションを新たな製品やサービスにまで発展させるプロセスを実行するには、正確さが必要であり、不確実性の高さが強みとなります。

日本の文化的価値観を強みとしてレバレッジできれば、世界に大きな貢献をすることができるのではないでしょうか。


▶ホフステードの6次元モデルと6つのメンタルイメージについて詳しく知りたい方は、『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』宮森千嘉子/宮林隆吉 著をご覧ください

一般社団法人CQラボは、ホフステードCWQの日本オフィシャルパートナーとして、カルチャーに関してトータルな学びを提供しています。CQ®(Cultural Intelligence)とは…「様々な文化的背景の中で、効果的に協働し成果を出す力」のこと。CQは21世紀を生き抜く本質的なスキルです。Googleやスターバックス、コカコーラ、米軍、ハーバード大学、英国のNHS(​​​​国民保険サービス)など、世界のトップ企業や政府/教育機関がCQ研修を取り入れ、活用されています。

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