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センターポールアスリートとの出会い 片足で格闘技!?⑲ 堀江航②

前回の続き

柔術を初めて、大会にも出場し始めた堀江航選手。
私は台東区リバーサイドで行われる”柔術関東選手権”に向かうところから話は始まります。
前回の続きはこちらからご覧ください。

柔術の試合は私の想像以上に全国で定期的に行われているようで、その中でも台東区リバーサイドは良く試合が行われる会場だそうです。
会場には処狭しと出場者で溢れかえり、日本人以外にも外国籍の選手も沢山いて、武道場の中だけが外国の様な感覚に陥ります。
それにしてもすごい熱気です。

「ウィっス」
堀江さんを発見しました。
大会ですが緊張している様子は一切ありません。
本日は階級別と、無差別級の2つのカテゴリーで出場するそうです。
勿論、試合はエキシビジョンなんかではありません。”一般の試合”です。

階級の試合はマスター1白帯 フェザー級だったと思います。

が、階級別の試合は判定であっさり敗戦。
試合内容は、堀江さんは下の状態で終始相手のペース。
一本は取られなかったものの、受け身で消極的な印象でした。

かなり期待して試合を観ていただけに初戦敗退で、本人も思ったように試合を展開できず
「ちょっと車で寝てくるっス」
とだけ、言って会場を後にしました。

この後、残っている試合は無差別級のみです。当然堀江さんより重い階級の選手も出場します。
格闘技が厳密に体重を分けているのも優劣に大きく影響するからです。
私は「片足で柔術はハンデだし、ましてや次の試合は無差別級。フェザー級より厳しい試合になるだろう」と思い込んでいました。

会場には堀江さんの道場CARPEDIEMの師範、岩崎正寛さんもいらっしゃったので堀江さんの事を伺うと、
「航さん、片足ですけど全然問題ないですよ。バスケやってきただけあって体は強いし、自分の体の動かし方を知っているんで。
レスリングでアンソニーロブレスっていう片足のレスリング選手がいるんですけど、実はその選手、アメリカの大学選手権の王者。
ハンデかどう捉えるのかはその人次第、逆に生かす戦い方もあるんですよ。だって、対戦相手も経験したこと無いですから。」

岩崎さんが堀江さんを見る目は、片足の道場会員という見方ではなく、どこか堀江さんに対して新しい柔術の可能性を期待しているような印象がありました。

そうこうしているうちに堀江さんは会場に戻ってきて、次の試合の準備をはじめます。
表情もすっきりしたような顔つきです。

試合が始まります。

つづく